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PC日記風リプレイ@ヴィオラ

日時:7/8


システム:SW2.0


シナリオ名:密航者


GM:upi氏

PL:4名


自PC:ヴィオラ・F・フィロメント(ワータビット/女/軽戦士4*悪魔5*学者3*占者2)

相手PC:

ドム=シュトルム(リルドラケン/男/拳士5*操術2*魔技1*悪魔2*斥候5*錬技2*軍師2)

サウナ・フレイス(グラスランナー/女/射手4*斥候5*呪歌5)

K(ルーンフォーク/女/射手5*魔技5*斥候2*学者1*錬技1)



内容:

我はモフを求めて旅を続ける探究者であり、冒険で身を立てる冒険者でもある。

今回、母様(とある筋)から依頼を受け、鄙びた港町へと向かったのだが……我の願い虚しく、モフい獣体を見つけることはかなわず、失意のまま帰郷する事となった。

※母様=リリア侯爵。デモンシティ周辺の鉱山を管轄する大貴族。


あぁ、母様から受けた依頼に関しては、滞りなく解決に導き、素朴な住民たちに感謝をされたので問題はない。ドムとサウナの働きは見事であったので、母様から感謝の言葉を述べるよう進言する事にする。

問題があるとすれば、モフ成分の不足であろうか。

我はチラリと傍らに立つ侍女(メイド)Kを眺めた。


「ソナタ、モフになってみないか?」


我の言葉に生真面目なメイドは「申し訳ございません」と深々と一礼した。


「旧式の私には、そのような機能は付いておりません」


我は溜息を零すと、凪いだ湖に目を移す。

この湖は、かなり広々としており、鄙びた港町に住まう者たちは『海』と呼んでいたが、博識なる我に言わせれば、淡水の海など存在しない。

まぁ、この広さの湖はなかなか存在しないだろうから、学のない素朴な者どもからすれば、海と呼んでしまうのも仕方が無い事だろう。

船長が明後日にはデモンシティの港に着くとふざけた事を言って来た。

明後日! 明後日まで、我はモフを我慢せねばならぬのか!

絶望に打ちひしがれた我を横目に、船の上から尻尾を垂らし釣りをしているドムに向かって船長は、湖には化け物がいるから気を付けるようにと進言してきた。

それだ! 船内にモフがいないのであれば、船外から呼び寄せれば良いのだ!

我が喜び勇んで、化け物について尋ねたが、船長からの答えはモフでは無いと言う残酷な物だった。

サウナに曲を所望すると、彼女は心得たようにウサギのダンスを奏でる。

傷心の我の心を慰めるかのように、軽快な曲が甲板に広がった。

興が乗った我は船長にダンスの相手を求めた。

ひと組だけが踊っていても詰まらぬと、Kと船員にも踊る事を命じ、曲に合わせてステップを踏む……が、どうも曲にのりきれなかったようだ。

まぁ、モフが相手でなければ、上手く踊れぬのも仕方があるまい。

よく出来た楽師であるサウナは、我のモフへの渇望を憂いて、船内に住まうネズミを呼び出してきた。

確かに小さなモフたちに我の目は楽しみを覚えたのだが、やはりネズミと言えば猫であろう。

船長に猫を飼う事を進言したが、世話が大変だと断れてしまった。

いずれ船長にはモフとは何かをキッチリと話しつけなければならないと、強く思ったところで、船員の一人がKの尻をポンと叩いた。

モフれもしない尻に何の価値があるのかと不可解そうな我の尻まで撫でつけるので、モフの心得も無いヤツめと残念そうな眼差しを送ってやる事にする。


「我はタビットなのだ」


真剣に船員に諭す。


「タビットの真価は尻ではなく『尻尾』だ―――よく見てみよ! このコンバットバニースーツにも、真ん丸で愛らしい尻尾が付いているのが分からぬのか?」


我の言葉に感銘を受けた船員は、考えを改めた様で、我の尻尾をさわさわと撫でつけた。

尻尾を撫でつけるのが船上での挨拶だとのたまう船員。

俄然我の目が輝きだすのが、自分でもわかった。

タビットを呼ぶよう命じるが、ここは湖の上。船外からタビットを調達することはかなわず、我はタビットへの船上風挨拶(セクハラ)を行う事は叶わなかった。


「……何故に、今回のパーティにはタビットが参加していないのだ」


しょんぼりと肩を落とす我の後ろに船員が立った。

次の瞬間、船員の悲鳴が甲板に轟く。

不可思議に思い振り返ると、何故かドムが船員の尻に噛みついていた。


※ドム君は、野生の本能を思い出し、ウサギの尻尾に反応しました……が、タイミング良く船員が間に入ったため、船員の尻をガブリとw


ドム、船員は食料では無いぞ……目を開けたまま寝ボケたのか? 器用なヤツだな。

我はドムのタテガミを撫でたが、やはりリルドラはリルドラ。モフでは無かった。


甲板で騒いだ後、我らは客室へと戻った。

客室というが、もともと貨物室だった所を臨時で二つに分けただけの場所。室内に大小様々な荷物が大量に置かれていた。

喉の渇きを覚えて水を飲もうと水袋を手にした我だったが、その質量に驚く。

たっぷりと入れておいたはずの水が空だったのだ。

他の者たちに確認を促すと、全ての水袋が空になっており、我の荷物からは保存食まで消えていた。

食料が消えていたと言う事で考えられるのはドムの盗み食いだ。

確認すると自分では無いと白々しい言い訳をのたまう。疑惑がますます膨らんだが、Kが何かに気付いたようにドムの身の潔白を進言した。

『上に立つ者、部下を信じよ』との母様からの教えもある。

ココは大目に見て、部下の妄言を受け入れようと心に決めた時、ガサリと荷物が入った箱が動いた。

どうやら、Kの言葉通り、大きな鼠がいるらしい。

動いた荷物を取り囲み、ドムが荷物の蓋を開けると、貧相な子供が一人現れ、慌てて隠れて行った。

どうやら、この子供が水や食料を盗んだらしい。

やはり子供には教育的指導が必要かと考えた我に、ドムとKが子供の理由を聞くと言う進言をしてきた。

なるほど、一理ある。

『上に立つ者、短慮は成らぬ』という母様の教えもある。

理由如何によっては助けてやらぬ事も無い。

見逃して欲しいから部下にしてほしいと懇願する子供が差し出した保存食。

ソレに食らいついたドムが子供に餌付けされた。

どんな力があるのかと尋ねたサウナに、「滑る力がある」と自信満々に答える子供。

滑るのかと、何処か残念そうな眼差しに気付いたのか、慌てて「統べるだ」と言い直していたが、方法を聞けば、強い者を集めて弱い者を助けると言うモノ。

なんというか、他力本願甚だしいことだ。

ココは自分の力と言うモノを思い知った方がイイと判断した我は、イビルウィスパーを使い、子供の耳に囁きかけた。


「話で分からせるより、実力行使だ。腕相撲をして自分の力を分からせよ」


耳の奥深くで囁かれた甘言に乗った子供はKに腕相撲の勝負を持ちかける。

我はKの肩を叩き、「教育的指導を(まかせた)」と託した。

結果は押して測るべきだろう。もちろん、Kが勝ち、子供をコンコンと諭す。

すると、子供はKに懐き、Kといえば困ったような表情を浮かべていた。

機械人形らしくない表情に楽しくなった我が言葉を与えようとした時、激しく突き上げられるような衝撃を受け、船が揺れる。

慌てて体勢を整える我たちの前に、船長が飛び込んできた。

船長曰く、湖の怪物『シーサペイント』が現れたらしい。

シーサペイントといえば、胴体が11mもある海蛇で、力も強く、船が潰されでもしたら厄介だ。

倒すことに異存はなく、甲板に向かおうとした時、子供の姿を見とがめた船長は、子供を囮にして、怪物が子供を食している間に逃げると言いだした。

『弱きものほど助けねばならぬ』という母様の教えを破るわけにいかない我としては、船長の言葉に頷くわけにはいかぬ。

船長は渋っていたが、我の熱意に押され、1分の猶予時間を認めた。

10秒後、サウナのモラルの恩恵を受けた、ドムの尻尾攻撃とKの二丁拳銃により胴体を残して、頭だけが逃げて行った。

怪物を退散させ船を守った我らに、船長や船員たちは感激し、シーサペイントの丸焼きを供するのだった。

丸焼きを食べていたドムが、肉の中から寄生貝の欠片を見つけ出したのは流石であろう。

残念ながら妹たちへの土産になる、角も鱗も無かったので、諦める事とする。。

さて、礼を申し出る船長には、部下の大切な友達(子供)の迷子をデモンシティで下船させることを礼の代わりとして受け取ると告げる。

快く快諾した船長により、デモンシティで下船した子供は、Kとともに我が屋敷にてティンダー尻尾付きメイド(我のモフ)として働く事になった。

ふむ、Kもようやく我の至高(嗜好)を理解したようだ。

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