表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の扉 <ダーク七都Ⅰ>  作者: 絵理依
17/30

第5章 魔法使いの館 6

 少女がひとり、町の門の前に佇んでいた。

 肩までの栗色の髪に、明るい紺色の目。

 動きやすそうな旅の衣装を身につけ、腰には剣を差している。

 一見、華奢な少年のようにも見えたが、軽く束ねた髪に差した花の飾りが、年頃の若い娘であることを示していた。

 そして、少女の傍らには、一匹の黒い大型犬。

 うずくまったその犬は、金色の目で少女をじっと見上げている。


 少女は、腰の剣を鞘からわずかに抜いた。

 透明な剣身が、光をぼうっと放っている。半分はオレンジがかった金色に、そしてもう半分は、青味がかった銀色に光っていた。

 少女は、背後を不安げに振り返る。

 その先には、古代の遺跡が建っている丘があった。

 剣を抜いてかざすと、丘があるほうが金色に、町のあるほうが銀色に、真ん中で分かれて淡い光を放つ。


「魔神とアヌヴィムか」


 少女は、犬のリードを握りしめた手に、ぎゅっと力をこめる。


「魔神族はおいといて、今はこっち」


 少女は剣を鞘に収め、町のほうを向く。


「ユードを探さないとね」


 少女は呟いて、犬の背中を撫でた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=735023674&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ