moon
蒼い月が妖しく輝く夜
一人小さい影は水面に雫を落とす
その傍らには母親そして父親の姿
但しそれは魂の抜け殻であり
ただのモノになり果てていた
小さい影はただ茫然と月を見上げている
後ろから迫るは光それとも・・・
慌てる影と堕ちる魂
死せるモノと失うモノ
闇と光
悪と善
どちらが正しくどちらが間違っているのか
人々はそれに気がつかないまま
ただ嘆く
無力すぎる存在
人
そんな矮小なモノであるのに
人を護る 守る まも・・・・
小さな影は決意する
悪になろうと
善というくだらない存在など
私を救わなかった罰として
天の使い
ワタシ・・・コ・・ロ・ス!
小さな影は
母親そして父親だったものを
貪りそしてすべてを飲みこんだ
次に幼馴染
仲の良かった友人
村長
そして
私の大切な存在を奪った
闇・・・・光
すべて・・・
肉を内蔵を貪るその姿は
輝く清廉なる蒼い月の輝きに対し
妖しく滴る緋き液体をまとう姿
その後
村は
なにもかもなくなった
そして
善と悪
はたしてどちらが正しいのか
そして
小さな影はどこに消えたのか・・・・