お天気娘
お天気娘、今日はどんな天気かな?
雨が降っている?
そしたら私が
泣いているのかもしれない。
悲しいのかもしれない。
あっぱれ晴天!
そんな時は
私は喜んでいるのかも。
曇っていたら?
そんなの決まってる
恋をしているんだわ。
恋をして、心がモヤモヤ霧の中。
雲が晴れて、恋が実るかもしれないし
このままずーっと曇ったままか。
もしものもしも
雨が降ったら。
あの人に振られてしまったのかも。
悲しくてたまらない。
寂しくてたまらない。
次の晴れは、いつになるやら
降り続く雨に、みんなは困り
みんなで私を笑わせてくる。
でもでも私は笑わない。
だって
これっぽっちも楽しくないの
次の晴れは、来ないかも。
そんなことを口走る。
そしてみんなは考えた。
お見合いをしろと言い出した。
お見合いなんて、いやよいや。
私はコッソリ逃げ出した。
箱入りお天気娘は、逃げ出した。
みんなはまたまた考えた。
お天気娘が逃げたなら
次の娘を用意しよう。
行くあてもなく
夜をさまよう。
そして私は、知った。
みんなに愛されていたのだと。
夜はこんなに静かで
夜はこんなに寂しいくて
夜はこんなに怖いのだと
村に帰ると
お天気娘は、私じゃなくても良いのだと。
今さら帰ってきて
自分の役割もできないくせにと
村のみんなはコソコソ嗤う。
私を見ても
いつものように挨拶がない。
いつものように笑ってくれない。
私は涙を流した。
それでも雨は降らない。
本当に、私はお天気娘じゃなくなった。
そう、突きつけられたようだ。
私は走り出した。
現実を突きつけられて
心はぐちゃぐちゃ。
私はなんのために、ここにいる?
私はなんのために、生まれてきた?
天気を操る不思議なチカラ。
私だけの物ではなかったチカラ。
私にはもう無いチカラ。
こんな事なら逃げ出さなければよかったと
そう思ったけど、やっぱり違う。
みんな、私を見ていたわけじゃない。
みんな、私のチカラを見てた。
私の本当を見てたのは
私を振ったあの人だ。
チカラを過信し
チカラを自慢し
自分が特別だと、思い込み
自分が特別だと、言い切った。
でも、本当は何もない。
お姫様のように育てられ
特別なチカラがある。
そう思い込んでいただけの
可哀想な娘。
あの人は、本当の私に気づいていたんだ。
あぁ、もう一度
あの人に会えたなら
心の中でつぶやきながら
今日も私は、一人で生きている。
いつかいつの日か、あの人に
また会えるときが来るまで。
お読みいただきありがとうございます。
次回作もよろしくお願いします。




