第78話「怨念の種」Part3
「おーす、相記化植えてきたぜ」
アラタはシュティーに報告した。
「ちゃんとルカの部屋にも植えてきた?」
「…知ってたのか?」
「さっきちょっと秘書さんが話してくれてね」
「ほーん、腐った連中の中にも、まともな奴はいるって事か、それでこの後はどうする?」
「そうだね、ルカが犯人なのは確定、一番重要なのはブースターの入手経路、売人から購入してるとして、受け渡し場所、そして売人の正体の2つが重要になるかな、夜間警備が厳しくなるインダストラで警備を掻い潜りルカへ接触、売人はインダストラの警備網を熟知してる可能性があるから、手強い相手になるかもね」
「ルカに接触ってなると、近々接触するかも知れない、さっき社員寮を見てきたが、まぁあまり気分が良いものではなかった」
「ふむふむ、今日連絡する可能性があるなら、今日の深夜か明日以降に接触するはず、アラタは相記化の変化を見逃さない様に定期的にルカの部屋に行って欲しい、ボクは秘書さんに頼んで監視カメラの映像を見れないか聞いてみる、後はインダストラの死角を探すって感じかな」
「OK,とりあえず今日は張り込んでみる」
「大丈夫?三位一体って常時ペナルティなんでしょ?」
「ペナルティが弱いのでセットするから平気だ、任せとけ」
時間は進み夜。
アラタは社員寮に張り込む。三位一体には擬態、呪鎖、印をセット。擬態で身を潜める。他の2つはペナルティが弱い為採用そして、呪鎖を部屋のドアノブに絡め、ルカが部屋から出て来た時に気付けるようにしている。
(今日動きがあるならラッキーだが、そう動かないだろうな)
アラタは眠い目を擦りながら見張りを続けた。
一方シュティー、シュティーは秘書にお願いし監視カメラの映像を見漁っていた。
「従業員が殺された日から、1週間前かなブースターを買うとしたら、ブースターが広まっているという噂より少し前だから、この事件を皮切りに広まった可能性がある」
シュティーは工場の監視カメラ、特に外を映す監視カメラと、ルカの部屋の監視カメラをチェックする。
「ここ、工場の裏手の倉庫エリア、ちょうど密会するにはベストな所が死角になってる」
「その倉庫エリアは古くから使われてる為、監視カメラが設置できない箇所もあるのです」
「ふーん、簡単に付けれそうだけど、要所で手を抜いてるって感じだね」
嫌味気味に言う。技術拡大に伴い急速発展を見せるインダストラ。だがその急速発展の裏では過去の産物は忘れられる傾向にあるのかも知れない、売人はその隙を突き売りさばいてる。
「次はルカの部屋の監視カメラを確認っと」
映像をじっくり観察しながら確認する。すると、従業員が殺された日から3日前の深夜の映像が砂嵐になっていた。
同じ時刻の他のカメラを確認すると全てが砂嵐になっていた。
「この日、なにかトラブルとかあった?」
「そう言えばその時刻、数十分間だけこの工場のシステムがダウンしました、滅多にない事なので、何かあったのでは?と思いインダストラに常駐してるエンジニアとCID職員を派遣し、確認してもらったらのですが、システムを総括する場所にネズミが一匹潜り込んでたらしく、ネズミがコードを噛み切った事で、ダウンしたと言っておりました」
「ネズミね…」
シュティーは訝しむ。確かにネズミには天敵がおらず最適な環境とも言えるだろう、しかし「近代化の象徴」とも称される場所が、対策しない訳が無い。
例外があるとするなら、過去の産物がある場所で繁殖してる可能性はあるが、真偽は不明。
もう一つは、ネズミが運良く噛むのか、ネズミを操作する能力それかネズミそのものに変身する能力。
後者なら、ルカへ伝言を伝える事も可能だろう。
なんにせよ、他の能力が絡んでいる可能性を考慮して調査するしかない。
「アラタも張り込んでるし、今日は監視カメラの映像を見て、変化があったら行動、なかったら明日死角となる場所へ調査かな」
シュティーはより一層気合を引き締めた。




