表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロード家の云々  作者: カキちゃん
第二章 
40/91

第38話「刻まれる絶望、燃える覚悟」Part1

薄暗い水路。その奥、重たく錆びた裏口の扉の前に、一人の女が立ち塞がっていた。艶やかな赤髪に、艶めくような微笑をたたえた女──カリナ。


アラタはその目前に立ち、ただ静かに構えていた。


「ここを通ってもらっては困るの。」


カリナが言った瞬間、アラタは地を蹴った。だが、その瞬間だった。


カリナの背後──暗闇の奥から数人の人間が姿を現した。アラタは一瞬で動きを止め、警戒して距離を取る。現れたのは、血と煤にまみれた一般人たち。男も女も、皆が「助けてくれ」と口々に訴える。


アラタの眉が動く。彼らは囚われていた者たちだ。騒動に乗じて脱出してきたのだろう。アラタは彼らをどうにか逃がそうと一歩踏み出す。すると、そのうちの一人──中年の男がふらりとアラタの方へ倒れるように駆けてきた。


反射的に抱き止めたアラタ。その瞬間だった。


「──燃えて、命を終えなさい。」


カリナが口元を歪めた。


直後、男の身体から突如、烈火が噴き出した。アラタは咄嗟にその手を離すも、男の身体は火に包まれ、水路の冷水にじゅうっと音を立てて倒れ込んだ。


「ッ……!」


アラタがカリナを睨みつける。


「……どうしたの?そんな怖い顔しちゃって?」


カリナは愉快そうに笑う。


「どうして……関係のない人を巻き込む……?」


アラタの声は低く、怒気を孕んでいた。


「どうして、ねぇ……この人たちは借金まみれの落伍者。どうせろくな人生にならないのなら、アタシたちのために“有効的に”死んだほうが、意味があると思わない?」


アラタの眼が細くなる。


「──人を……道具としか見ていない発言だな。」


「当然じゃない。弱者は強者に使い捨てられる、それがこの世界の真理よ?」


アラタは嘲るように口角を上げる。


「お前も──レガルドの道具だろうが。」


その一言で、カリナの笑みが凍り付いた。


「なんですって……?」


「図星か。お前は、自分が誰かの駒だってことも知らずに偉そうにしてるだけだ。」


カリナの眉が歪む。


「……じゃあ、ミオナはどうなの?あの子もずっと都合よく扱われてきた。アタシと何が違うっていうのよ!」


「違いは……アイツには道具ではなく“人であろう”とする意志がある。お前みたいに、最初から諦めて腐ったわけじゃない。」


アラタの声に一瞬カリナが言葉を失う。


その刹那、周囲にいた一般人たちがそろそろと逃げ出そうとする。


──パチン。


カリナの指が鳴る音が響いた。


「──燃えて、灰になりなさい。」


火柱。次々と一般人の身体が燃え上がり、その場に倒れ込む。


「もういいわ。あなたとの話は終わり。」


カリナは静かに右手を掲げ、空中にスタンプを出現させた。


「奇遇だな……俺もそろそろ終わらせたいと思ってたところだ。」


二人の間に、緊張が走る。


カリナの能力──刻印(スタンプ)。対象に押すことで『操作』と『発火』の刻印を与える。操作されれば即終了、ゆえにアラタは常に距離を保つしかない。


だが、それを見越してカリナは動く。自らアラタに接近し、鋭く回し蹴りを繰り出す。


アラタは反射的に避ける──その瞬間、カリナの脚が燃えた。


「な……!」


「アタシの脚にも刻印してあるの。炎なんて怖くないもの。……アナタには痛いでしょ?」


炎への耐性を持つ能力者。己の身体に刻印を押しての攻撃。 さらに──刻印は人以外にも、壁や物にも有効。


アラタの行動範囲は、見えない火薬の上を歩くようなものだった。


(……詰めれば操られる…)


「どうしたの?もう終わり?」


「──ギルティ。“狂狼”」


アラタの身体が瞬間的に加速し、カリナとの距離を取る。


「逃げられると思った?」


カリナがナイフを取り出し、投擲する。アラタは強化された反応速度でそれを空中でキャッチ──次の瞬間、ナイフが爆発する。


「──ローズスターマイン」


複数の刻印を仕込んだ爆破術。その威力は尋常ではなく、アラタの身体を容赦なく焼いた。


「……ふふ、イケメンが台無し。でもその焼け跡も、悪くないかも。」


アラタの姿が、煙の中から現れる。


「……油断してたな……大技があるとは思わなかった。」


その身体は酷く焼けていた。だが、彼は立ち上がる。


「痩せ我慢? それとも……意地?」


アラタは静かに息を吐いた。


「ギルティ。“再生キセキ”」


彼の肉体が、一瞬で元通りになる。


「……っ!? 今の傷が……?」


「よし、第二ラウンドだ。今度はこっちの番だぜ──」


アラタの瞳に迷いはなかった。覚悟を帯びたその視線に、カリナの余裕が揺らぎ始めていた。



罪 再生の説明

あらゆる負傷を一瞬で回復させる。1日1回限定

罰は24時間の回復させた場所の感覚がなくなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ