表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロード家の云々  作者: カキちゃん
第一章 
11/91

第10話「繰り返される刃」Part2

ローレン旧区画――

ソルズカ共和国の都市開発からも取り残された、廃れた迷路のような路地。

シュティーはその奥に足を踏み入れていた。まだ立ち入り禁止のテープが張られているが、そんなものはお構いなしに、彼女は足を進める。


「ここが……」


薄暗く、埃の匂いが漂う路地の一角。

そこには、乾いた血痕がアスファルトの隙間に黒くこびりついていた。


「……写真通りだ」


シュティーは、CIDから届いた封筒に入っていた写真を再確認する。

被害者の体に刻まれていたのは、十数ヶ所にも及ぶ刺し傷。


だが、それらには妙な共通点があった。


「……全ての刺し傷が、角度も深さも似通ってる。真っ直ぐ、正確に、何度も……」


通常の暴力による殺人ではない。

怒りや激情に任せた滅多刺しならば、傷の位置も角度もばらばらになるはずだ。

だがこの被害者は、まるで“機械のように”同じ刺し方で貫かれていた。


「犯人は、冷静で、残酷で……それに、何か特殊な手段を使ったってことになる」


シュティーはひとつの可能性に思い至る。


「同時に複数の刃で一斉に刺した。」


それが真実なら、犯人は単に刃物を振るっただけではない。

何かしらの“能力”によって、その複数の刺突を成し得たということだ。


調査のため、シュティーはローレン旧区画に隣接する、かつての繁華街へと向かった。

この一帯もまた、かつては賑わいを見せていたが、今ではほとんどの店がシャッターを下ろしたままだ。


だが、いくつかの店舗にはまだ人がいた。

そのひとつ、寂れた売店で無気力そうにレジに立つ中年の女性を見つけると、シュティーは軽い足取りで近づいた。


「こんにちはー」


「ん……あら? お嬢ちゃん、こんなとこで迷子かい?」


「ううん。ちょっと調査してるだけ。あ、一昨日の事件……ローレン旧区画の廃棄路地で死体が見つかったって話、知ってる?」


「……ああ、あれね。ずいぶん物騒な話よ」


女は軽く眉を寄せながらも、シュティーの問いに応じてくれた。


「でもあの辺り、今じゃ誰も寄りつかない場所だよ。そりゃまあ、たまに若い子たちが騒ぎに来たり、落書きしたりってのはあるけど……事件があった夜は、アタシはここで閉店作業してたから、音も聞かなかったわね」


「そっか……ありがと。あ、せっかくだし何か買っていくね」


「お嬢ちゃん、可愛い顔して気遣いもできるのね」


シュティーは、埃をかぶった棚から適当な缶詰をひとつ手に取ると、微笑んで支払いを済ませた。


「この街もさ、昔はもう少し明るかったんだけどね……いまじゃ何が起きても驚かないよ」


女の言葉は、街の疲弊そのもののようだった。

シュティーは軽く礼を言い、その場を後にした。


そして帰路へ。

傾いた街灯、ひび割れた歩道。シュティーは、何かを考えるように黙々と歩く。


……が、その背後。


遠く離れた薄暗い廃屋の窓から、彼女の姿を見つめる者がいた。


音もなく、ただ静かに、彼は“観察”を続けていた。


こんなぐだぐだした調査回無限に続くよ!能力バトルは物語の終盤やな

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ