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クロード家の云々  作者: カキちゃん
プロローグ
1/78

硝煙と影に咲く

この街には、二つの顔がある。

 一つは整った街並みに彩られた日常。

 もう一つは、

 ──血と金と力で築かれた、裏の秩序。


 名もなき裏通りでは、時に法よりも「能力ちから」がものを言う。

 人の常識を越えた“異能”を持つ者たちが、闇に潜みながら世界を動かしている。


 それでも、表向きには平穏な日々が流れていた。

 力の均衡は保たれていた。

 ある一つの“古き家系”が、その均衡を支えていたから。





 クロード家──かつてこの街の裏社会を掌握していたマフィア組織。


 だがその栄華は、今はもうない。

 数年前、先代の死をきっかけに、組織は壊滅した。

 残されたのは名ばかりの看板と、わずかな人員だけ。

 誰もがその名を過去のものと笑った。

 ──だが。


 その瓦礫の下に、確かに灯は残っていた。





 「……今日の依頼は三つ。“青い目の密売人”と、“隠し倉庫の襲撃者”、あと一つは……失踪した猫、ね」


 少女の声が静かに部屋に響く。

 スーツの男たちが頷く。冗談ではない。猫の依頼にも真剣だ。

 この場に軽さはなく、しかし形式張った堅さもない。

 ただ、確かな信頼と、鋭い緊張だけが流れていた。


 彼女の名は──シュティー・クロード。

 年若くして、この崩れた“家”の中心に立つ存在。


 誰もが彼女をボスだとは知らない。

 それでいい。

 そう決めたのは、彼女自身だった。



 銃でも金でもなく、“異能”という力が支配するこの世界。

 この街では、“能力者”という言葉は珍しくない。

 だが、それを“どう使うか”で、その者の価値が問われる。


 誰かを守るためか、

 誰かを壊すためか。

 あるいは、自分すら知らない理由のまま──


 力が呼び起こすのは、常に“代償”と“選択”だ。




 古き名家の崩れた残骸から、新たな“秩序”を築こうとする者がいる。

 一人ではできない。

 それでも歩み出す。

 瘴気をまとうその手で。

 この街の汚れと痛みを、この身に抱えながら。



「いいよ。全部引き受ける。その代わり……この街、壊させないから」



まだ誰も知らない。

少女の手が背負う“穢れ”の意味も、

この街の奥に眠る“真実”も。

それは、物語の中で、少しずつ明かされていくことになる。



えー、初めての一次創作で、なろうでの初投稿になりまーす。渋の方で二次創作齧った程度なので、拙い部分もありますが、是非読んでくれたらなと!


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