Clavicembalo
ファイル種別:個人記録
本人からの許可:申請承認済み
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私は音が好きだ。
耳を塞いでも視覚情報が強くなるわけではないけど(ちゃんと調べたことは無いからもしかしたら強くなるのかもしれないけど)、瞑目すれば音がはっきり聞こえる。曖昧な記憶だけど、確か5歳くらいで気付いたと思う。
四六時中、音ばかり気にする私を、両親は気味悪く思った。精神科医に連れて行かれたこともあったが、「音が好きなただの少女」として異常は確認されなかった。…そのせいでより一層、両親は私を気味悪がった。
「どうして普通で居られないの!」
「音ばかり聞いていないで勉強しなさい!」
…そんなことばかり言われてた。学歴至上主義の思想と相まって、私はひたすら勉学に縛られた。
しかも学校に行けば、ひたすら虐められていた。
窮屈で、しょうがなかった。
ある日、私は中学校の技術室にあったものとガラクタと誰にも拾われない落とし物で、音響兵器をこっそり自作した。
記念すべき?1作目には、“fine-01”の名を与えた。一方向に対して、強烈な音波を流す。ノイズキャンセリングと同じ仕組みで後方には音波が流れないので、使用者が自滅することはそうそう無い。
たったそれだけ。
それだけだった。
住宅用コンセントに接続されたそれは。
両親は、耳から血を流して――
現在、両親は精神病院に放り込まれている。いつまで経っても病状が良くならないそうだ。ざまぁみろ。
私は児童保護施設に送られた。割と音酔いしやすい体質だから、子供達の喧騒は少しキツかったけど、それでも楽しかった。ルームメイトとも仲良く…1人、人間不信で仲良くなるのに時間のかかった奴は居るけど、なんとか仲良くなれた。
施設卒業から探索者になるのは早かった。みんな、あったかかったし、“私”を認めてくれた。
しかも、音響兵器開発の援助もしてくれた。最初の頃は扱いづらいものばかりだったけど、アドバイスを参考にしていったら、段々といい感じになってきた。
そして、ちょっと変わった4人と出逢った。みんな、どこか普通じゃなかった。
その子たちは、私の作った音響兵器のテスターを積極的に引き受けてくれた。辛いとき、相談相手になってくれた。
自分たちのグループに入らないか、とも言われたけど、断った。両親を死より酷い目に遭わせた自分が入る場所じゃない、って思ったから。…今は、加入をちょっと考えてる。ほぼ全員似たような境遇だなんて思わなかったもん。
「ちぃ、開発の進捗どう?」
「明日辺りには完成できそうだよ」




