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エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。  作者: 下菊みこと


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ハロウィンパーティー番外編

「今日はお誘いありがとう、アンリエット嬢」


「はい、ナハトさん!」


「俺もいるぜ、ナハト」


ハロウィンパーティーの次の日、アンリエットの部屋にはナハトが招かれた。当然のようにジェイドもいる。


「ああ、この間はお世話になった。改めてお礼を言わせて欲しい」


「水臭いこと言うなよ」


「そうですよ、ナハトさん!お友達ですもの!」


「…ああ。本当にありがとう」


ナハトの心からの笑顔に、アンリエットも嬉しくなった。


「今日はですね、ナハトさんに食べてもらいたいものがありまして」


「なんだろうか」


「じゃん!俺の手作りのハロウィンアイスケーキだ!宗教上ハロウィンは楽しめなくても、お菓子くらいはいいだろ?」


「…!お気遣いありがとう。ぜひいただこう」


ジャンヌが豪華な装飾を施したアイスケーキを切り分ける。アンリエットとジェイド、ルーヴルナとルロワ、そしてナハトと…ジャンヌの分も用意された。


「さあ、無礼講だ!楽しいお菓子パーティーだ!」


「ふふ、はい!」


「ぴゃっ」


「いえーい、です!」


「さあ、ナハト様。紅茶もどうぞ」


ナハトは、優しく笑顔を向けてくれる五人を見回して再度告げた。


「…本当に、ありがとう」


そして一口ぱくりと食べたアイスケーキは、とても甘くて美味しかった。気付けば皿の上が空になってしまうほど美味しいアイスケーキの味は、このアンリエットからの友情に良く似ているとナハトは思った。

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