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エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。  作者: 下菊みこと


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ジェイドのハロウィンの準備

「ふんふんふーん」


ジェイドは今、裁縫をしている。チクチクチクチクと布に針を通して、衣装を縫い上げる。


そう、ハロウィンパーティーのための仮装の準備だ。


いつもアンリエットのお屋敷でのハロウィンパーティーは身内だけのもの。しかし、アンリエットは今年ジェイドも招待することにしたのだ。


ちなみにナハトも誘ったのだが、宗教上の理由で辞退されたのでまた別の機会に一緒に遊ぶ予定である。


そんなことはともかく、愛しの天使様にハロウィンパーティーに誘われたジェイドはめちゃくちゃノリノリで参加を決めていた。


「あとはー、これをこうして!」


出来上がったのは悪魔っぽい衣装。なかなかカッコいい出来だ。


「…アンリエット、気にいるかな」


黒髪に金の瞳の美形なジェイドだから、心配しなくても悪魔とか絶対めちゃくちゃ似合うのだが。


「か、仮装とか久々だからな!それで緊張しているだけだ」


そう。ジェイドはかなり緊張していた。


「…アンリエットは、どんな仮装をするんだろうな」


きっと、どんな仮装をしても可愛いだろうアンリエットを思い浮かべると少し緊張が和らいだ。


「ともかく!仮装の準備は出来上がった。次はお菓子の準備だな」


ジェイドは、キッチンへ向かった。












「…よし、なかなか上出来だ」


目玉のゼリーに、血塗れの片腕のケーキ、アンリエットがそれ系が苦手な場合に備えてかぼちゃプリンなんて普通のものも用意しておいて、あとはハロウィン仕様のアイシングクッキーなんかも作った。


「アンリエットが気にいるといいんだが」


最初は、ただ親友の愛娘という認識だった。天使として触媒もくれる、優しい女の子程度の認識だった。


けれど、その可愛らしい容姿のせいか…はたまた、綺麗な心にあてられたのか。


いつのまにか、あの子のことばかり気にするようになっていた。


「…でも、悪くない」


この感情が何かは知らない。知りたくもない。けれど、決して嫌な感情ではない。


むしろ、すごく大切な気持ちだと思った。


「この間は、すごく疲れただろうしな。労いや慰めの意味も込めて、やはり喜ばせてやりたい」


そんな思いで作ったお菓子の数々。保存用の魔法をかけて、形と味を保ち賞味期限を極限まで伸ばす。そして、可愛らしくハロウィンらしいラッピングを選んで施した。


「…よし、こんなもんだろう」


ナハトも本当は参加したかっただろうが、宗教上の理由であれば強要はできない。それでも、ハロウィンを過ぎた次の日くらいにお菓子を食べるのは許されるだろうとこっそりナハトの分も用意しておく。


「あとは、当日を待つだけ…だな」


ワクワクしながら、その日を待った。

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