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エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。  作者: 下菊みこと


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悲劇の始まり?

「星を望む者達よ、行け!彼らの血でこの地を濡らせ!!!」


その掛け声に合わせて、星見教の狂信者達は三日月教の信徒の集落に強襲を仕掛けようとした。


しかし。


「結界!?」


足を踏み入れることさえ、叶わない。


「諦めな」


そこに黒い髪に黄金の瞳の男が現れた。結界の内側から、わざわざ出てきたのだ。


「この結界は、俺の魔道具の中でも最高傑作。我が天使の毛髪を触媒として作った結界さ。お前ら三下程度じゃ破れねぇよ」


男の身に纏う魔力は尋常ではない。それも、それが全ての魔力ではなくまだ内に温存しているだろうと一見してわかる。


星見教信者達は、息を飲んだ。














悲劇の始まりの地、三日月教の集落にアンリエット達は転移した。突然の来訪者に集落の人間たちは武器を持つが、ナハトが止める。


「待て!この方は主に血を捧げた天使だ!」


その一言で、皆の動きが止まった。


「突然の来訪、申し訳ございません!ですが、時間がないんです!この集落の全体に、結界を張らせてください!星見教の狂信者が攻め込んでくるかもしれません!」


アンリエットはすかさず言葉を紡ぐ。アンリエットの言葉に、集落の人間たちは耳を疑った。


「予知夢を見たかもしれないんです、もし外れたら謝ります!償いが必要ならばこの血を捧げます!だからどうか、結界を張らせてください!お願いします!」


アンリエットの真剣な表情に、族長は言った。


「他でもない天使殿のお言葉じゃ。信じよう」


「では、結界を張ります!ジャンヌ!」


「はい、アンリエット様」


ジャンヌは、集落全体を取り囲むように結界の魔道具を起動した。ジェイドはアンリエット達を守るために渡したつもりの結界の魔道具だったが、アンリエットは最初からこうして使うつもりだった。


本来ならかなりの魔力を食うほどの範囲結界になったが、アンリエットの髪を触媒にした高性能な魔道具のおかげでジャンヌの魔力なら半日は保つ。


それまでに、ジェイドが片を付ければ良い。


こうして、星見教狂信者達の強襲を見事に未然に防ぐことができたのだ。












「どうする?俺と戦うか?俺を倒して、結界も破壊するだけのリソースがそちらにはあるのか?」


「ふん。そのくらい余裕だ。我ら人狼を舐めるな…!」


星見教の主とされる人狼、彼らが本性を現した。


獰猛な狼の姿になった彼らにも、ジェイドは怯まない。


「数で囲めば勝てると思うか?かかってこいよ」


ジェイドの挑発に、彼らは一斉に飛びかかった。

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