東国への興味
「そういえば、ジャンヌは忍びって知ってる?」
「…忍者、忍び、くノ一。東国の隠密のことですよね」
「ええ。この間小説で読んだのだけど、なかなか面白くて。ジャンヌはどう思う?」
「そうですねぇ…侍、という存在もメジャーな様ですが、忍者の方がそそられますね」
「私はどちらも好きよ!ルロワとルーヴルナは…そもそも存在自体初めて聞くかしら?」
アンリエットの問いに、ルロワは元気に答える。
「ぴゃー」
「ルロワさんは初めて聞くそうです。私も初めて聞きます」
「じゃあ、今から侍や忍者の出てくる小説を読み聞かせてあげる!」
ということで突然始まった読み聞かせタイム。このウラリー王国とは毛色の全く違う東国を舞台にした小説に、ルロワとルーヴルナは瞳を輝かせて耳を傾けた。
「最後のお侍様がかっこよかったです!」
「ぴゃーっ!」
「ルロワさんは、忍者の活躍がかっこよかったとおっしゃっています!」
「そうよね!侍も忍者もかっこいいわ!」
「一度会ってみたいですよね」
きゃいきゃいと東国の話で盛り上がる三人と一匹。
「そうだわ、せっかくなら東国のスイーツも食べてみたいわよね」
「あんみつ、というこの食べ物が気になりますね」
「わらび餅、というものも美味しそうです!」
「ぴゃっ」
「ルロワさんはあんころ餅が気になるそうですよ」
何故か侍や忍者からスイーツの方に話が転がり、ジャンヌから厨房に話が行って急遽今日のスイーツは和菓子を取り入れることになった。緑茶の茶葉も手に入れて、和テイストな三時のおやつになることが決まったのだった。




