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エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。  作者: 下菊みこと


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ルロワ、張り切る

聖騎士達の迫力ある公開訓練を見た翌日。いつものジャンヌとの魔法の訓練で、アンリエットとルロワはとても張り切っていた。


「ねえ、ジャンヌ!もっと鍛えれば、昨日の聖騎士様達のようにルロワも戦えるようになるのよね?」


「はい、アンリエット様。…まあ、その必要がある場面にはそうそう出くわさないと思いますが」


「ぴゃーっ!」


「ふふ、ジャンヌさん。ルロワさんはあのくらい強くなりたいそうですよ」


「それはそれは…なら、もっと魔力のコントロールを緻密に出来るようにならなければいけませんね。今日は、新しい魔法を覚えるより魔力のコントロールに重点を置いて訓練しましょうか」


「ぴゃーっ!」


まだまだ小さな、幼い使い魔。しかしルロワは、やる気だけは一人前のようである。そんなルロワに、アンリエットもさらにやる気を出したようだ。そんな主人のやる気を見たら、当然ジャンヌもやる気を出さないわけにはいかない。今日の訓練は、いつもより少しだけ厳しいものになりそうだ。



















「ぴゃっ」


何度も何度も魔力を自在に操るための訓練を繰り返し、ルロワが疲れ果てたところで訓練は終了になった。


だが、努力は決して無駄ではない。今日の訓練で、ルロワは魔力の緻密な操作を身体に叩き込んだ。それでもまだ未熟だが、魔法を使う際の無駄な魔力のロスはたしかに減った。ルロワは少しだけ、魔法が得意になったと言える。


「お疲れ様でした。アンリエット様、ルロワ様」


「ふふ。ありがとう、ジャンヌ。ルロワ、お疲れ様」


「ぴゃー」


「あら、ルロワさんは張り切りすぎて疲れたみたいですね」


そう言いながらルーヴルナは水の入った大きな桶を持ってきた。


「ルロワさん、どうぞ」


「ぴゃーっ!ぴゃっ」


「お礼なんて。うふふ、でも、こちらこそありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです」


ルロワはなにやらルーヴルナにお礼を言ったらしい。そしてその直後、桶の中に飛び込んだ。まだ幼いルロワにとっては、水浴びにはちょうどいい桶なのだ。


「ぴゃっぴゃー!」


疲れた身体に、冷たい水が心地いいらしい。ルロワは楽しげに水浴びをする。アンリエットとジャンヌ、ルーヴルナはその様子を優しい表情で見つめていた。


「今はこのサイズの桶でちょうどいいけれど、いつかルロワも私たちの身長を超すのよね」


「楽しみなような…心配なような…」


「ふふ。大きくなってもルロワさんはルロワさんですよ」


「ぴゃーっ!」


無邪気なルロワに、アンリエットとジャンヌはルーヴルナの言う通りだと頷いた。

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