*Twitter*【#140字小説】No.201~210
No.201【#接待】
たいせつな話、だと君が連絡をくれたから、心の準備をしておくよ。それから天気予報をこまめにチェックして、スコップも用意しとかなきゃね…ってことなわけ?社内文書だからって、平然と誤字送りつけんなよ。「大雪なお知らせ。」北の雪深いお国からか。「待接なお知らせ。」俺も上司に誤送信しとこ。
No.202【#トラウマ】
冬は嫌い。昔、元旦スキーで派手に転んで、尾てい骨を強打した嫌な思い出があるから。だから今年の年明けは常夏で過ごすことにした。元旦早々プールを楽しんでたら、ウォータースライダーの勢いつきすぎて、プールの底に思いきりケツ強打。それも子供用。自業自得?もう冬も夏も関係ない、正月が悪い。
No.203【#YESorNO】
年下の主人が最近やたらと「1番好きだよ」「1番綺麗だよ」などとほざいてきて、正直うざい。「あのさぁ、そんな1番とか2番とか、逆に失礼だよ?なんなの?」「俺だってヤダけど…No.1て言ってほしいんだろ?」は?「"ナンバー"なんて枕、よく見つけたよね?」アホなん?「したくないって意味。」昭和。
No.204【#念】
「スーツのジャケット、似合わないね。」と言ってしまった去年の冬。だけど、あれは本当なのです。あなたの姿勢の良い白いYシャツの後ろ姿。そのなんとも言えない男らしい骨格に魅せられ、私はトキメキにシビれたのです。早く脱げ…「暑くね?」早く脱…いかん、暖房の温度上げる人差し指が止まらない。
No.205【#仲間】
「あれ?どこ行った!?」猿山に遊びに来たら、息子が迷子になった。「は?あそこにいるじゃん。」ダンナが指をさす。…なぬ?我が子なのに、猿にまぎれてわかんなかったわ。「俺はずっとわかってたけど?」あぁ…うん。「実は、パパのことも猿と見間違えて通りすぎちゃった」というのは黙っておこう。
No.206【#バレンタイン】
手作りチョコか、可愛いことするじゃん。白とピンクのデコレーションが茶色に良く映える。…て、何コレ不味い!「吐き出すなんてヒドイ!」「だってコレなんだよ!?」「話は最後まで聞いてよね?」ふてぶてしい逆ギレ。「それは、肉と野菜を煮込んで溶かすと美味しいからね♪」…それは、カレールー。
No.207【#筋トレ】
https://youtu.be/mo3rb7SYIZc?si=N1VGvCfkFKAUIMjl
「いい加減そのメタボ腹、どうにかしたら?」「あぁ、確かにベルトもキツッキツなんだよなぁ~。」なぁ~、じゃなくて。「腹筋するとか?」「してる。」は?嘘つけ。「お笑い観て、痛くてよじれるほど腹筋使ってる。」笑いはガン予防になるとは聞いたことあるけど、肥満予防なんて聞いたことないから。
No.208【#節水にご協力を】
配管が凍ったようだ。今朝は身体の芯からしばれる。北海道民ではないが、つい「しばれる」と言いたくなるほど寒い。「配管が凍ったな。水が出ない。」「閉めたよ?」「何を?」「元を。あなた水出しっぱなしにするでしょ?使いすぎよ。」つららのように鋭利で冷たい微笑の鬼嫁に、俺の財布が凍りつく。
No.209【#桜】
未来ある若者は、可憐だから俯く日もあるだろう。でもスノードロップは希望を持つのです。地を見つめるスズランにも再び幸せは訪れる。真冬の天に向かい咲くマーガレットのように、信頼すべきなのです。「…落ちた」娘の報告に「落ち葉?」聞き間違えたかった、春間近。桜散る…なごり雪のように儚く。
No.210【#知的】
「…えぇ、僕はどちらかといえば文系でして。」へぇ~、意外だわ。ワイルドな見た目とは違うものね。「では、ご趣味は?」「うん…読書ですね。」ほぉ~、なるほど!これまた意外。人を見かけで判断しちゃダメよね。「どういったものをお読みに?」「えぇ、そうですね…」うん、それ…全部マンガやん。




