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1-②

AIくんってヤバい!?②


リオナ帝国シムアール区に本部を置くリオナ帝国の帝立学院である。学生数はおよそ900名、教師陣を含め計1300名、多くではないが各分野で卒業生の活躍が見えであり、2名の宰相を輩出している、リオナ全土で4番目に古い世界屈指の名門学院である。今年度の受験サイクルでは全受験者の2.6% が入学を許可された。全寮制ジークムンド学院は学生達が独立思考になり、より完全にお己の才能を最大限に持ち上げるため、各分野で活躍した名人達に教鞭を取り、あらゆる施設を完備し、最先端科学技術が用いている。大自然に囲まれたこの学院で、共に豊かで楽しい学園生活を送ろう。


っと、以上は読まなくていい情報だ。


(だってよ、神奈ちゃん♡ で、豊かで楽しい学園生活、いわば神奈ちゃんが言ったハッピースクールライフは、お昼の時、一人で校舎の端っこにある備品室でゲームをすることなのかな?~)『 (o゜ー゜o)?? 』

「……だって次の教室は寮から遠いから……あと、ゲームじゃない、中央管理局のファイアウォールを強化してた」


(うん、話が噛み合ってない!それにやっぱりゲームじゃん~ まぁ、それより、去年もうコントロール権限取ったのに、気づかされず自由に出入りできるだろ?なんで毎回わざわざ、あの頭硬い連中に知らせるかい?)

「え?…人んちに入る時、『お邪魔します』を言うもんだろ?」

(……)


「AIくん、A-1506清掃できた?」

(はい、想定等り『狩人ウィルス』が仕込まれてる、神奈ちゃんが作ったファイアウォールがなければ、今頃中央管理局の指定ファイルが全部取られたろ~でも、ちょっとひっかかる点があってね…)

「うん、A-1506は大清連邦との貿易協約だろ?自分にとってもメリットのある協約は破棄しようとは考えにくい。A-15区域の指定ファイルにも貿易絡みのデータしかないし…誰かが貿易線を遮断しようとでも?…うんん…まぁーいいかっ!」


(きっぱりだな~神奈ちゃん。とにかくA-1506を削除して、ソユンさんに依頼報酬をも~らおう)

「だな!」

(中央管理局のトップが自ら侵入を受け入れるとは、ドリエルって司令官も大変だね!)『 ( ´▽`) 』



同時刻 リオナ帝国 中央データ管理局


オフィスで昨夜のハッキング事件の後始末しているドリエル。眼球が充血して、目の下に酷いクマが見える。


「ハクション」

「ティッシュをどうぞ。ドリエル様」

「ああ、悪いな、レン」

「少し休憩しませんか?もう何日もろくにお休みになっていないでしょう、顔色がひどいですよ。」


レンが心配そうな顔でドリエルに休憩を勧めてる。


「いいえ、大丈夫だ、昨夜の報告書をまとめたら、ちゃんと寝るから」


「今すぐ寝てこい!!」


来者が突然扉を蹴り開けて、勝手にデスクの前のソファで腰をかけた。


「ソユン様、扉を蹴ってはいけません。」

「よう~レンちゃん、あんたは相変わらず、口うるさいわね~」


ソユンは自然にその長い足を机に置いて、挑発のようにレンに投げキスした。


「ソユン様、ミニスカートでそのような動きをしたら、下着が見られます」


レンはその上司(バカ)を見て平然な顔でまったく動じてない。


「あら、レンちゃんの口からパンツが聞こるなんて、そそるね~」


レンの目の底に示す明らかな不快をソユンはまったく気にせず、見せつけるよう咥えていたロリポップを舐めていた。


「……」


更に不快になったレンだった。


「ソユンさん、今回の事件は明らかにその『ハッカーちゃん』って名乗った奴の仕業だ。そう何回も奴の侵入を許せる訳には行きません!なぜ、捜査許可が下れないんですか!?報告書と申請書も何回も出していたはずでは!?」


ドリエルはソユンを睨み、元々充血した眼球が、さらに歯を軋む怒りを加え、その低い声が獣の威嚇音に化けた。


「んん~」


ソユンが少し頭を上げ、軽く息を吸って、ドリエルに顔を向け


「私にも私の考えがあるの、そう張り切らないで」


まっすぐでドリエルの目を見て話した。


「ではA-1506の件、どう説明するおつもりですか?」

「ん~上がその協約の条件を知らされたくないってことは知ってるね?だから~今回の事件もこっちにはちょうどいいなのでは?」

「……チェッ、そ…れは…」


レンが淹れてくれた紅茶を飲んで、ゆくゆくと眠りについた。


「申し訳ないですが、ドリエル様がお眠りのようで、お話はまた次の機会に」

「いや、話は終わった。私もそろそろ仕事に帰らないとね」


部屋の外からソユンを探してる声がした。


「では、ドリエル様をとなりの仮眠室でお休憩を取らせてもらいます」


レンはそう言って、軽くドリエルを抱き上げていた。


「今はやるべきことをして、気長にことの流れを待つのよ」


ソユンは小声で言って、部屋から去った。


「にしても、お姫様だっことは、やるじゃない?レンちゅん♡」



「ここにいるのですか!早く仕事に戻りなさい!」


小柄な女性は大きいメガネを上げた。


「ごめんごめん、今戻るところよ~」


ソユンはその子の頭を撫でて言った。


「随分ご機嫌ですね!ソユン殿」

「ん~いいもん見れたから♡」



リオナ帝国 帝立ジークムンド学院


「グ~~」


神奈のお腹が鳴る声だった。


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