第1プログラム AIくんってヤバい!?①
第1プログラム AIくんってヤバい!?①
リオナ帝国 帝立ジークムンド学院
「ね~あんた、何サボてんの~」って言われながら、水をぶっかけられた。
顔を上げなくでも分かる。あの人はクラスの女王-白髪ロング。そして、本物語の主人公である彼女はその極端な人見知りを持って、文句は脳内でしか言えないのだ。
---「お前らもサボてるじゃん!」って言.え.る.か!っていうか、私の名前さえ覚えられてない!?まぁー、まだしゃべったことないだし、学校始まてばっかだし~、皆仲良くハッピースクールライフはちかちか訪れるだろう。じゃ、なんでクラスのキャスト順?グループ?的なやつはそんなに早く形成されんのかな!?
いつも通り、脳内だけが爽やかだね。
「なに、無視かよ」
神奈の脳内劇場を割り切って、女王さまが髪を撫でて、舌打ちをした。なんというぎごちない動きだろう!でも、人間の目から見れば違和感のいの字も感じないだろう。
「サリアナ、やりすぎよ、ほら、その子びっしょびしょじゃん~」って、黒いストッキングが言った。
「ハハ、サリちゃん、ひっどい~」って、ポニーテールが言った。
「こんな暑いし、ちょうどいいじゃん~ハハハ~」「だよな~サリアナ様に感謝しな」ってまぁー、女王グループの奴らがきゃーきゃー騒いてる。というような?嫌がらせ的な?女王さまが華麗に手下ともを連れて校舎裏から去っていた。
「だから体育が嫌いって、あの陰険メガネ」
(神奈ちゃんは運動不足だよ)
「お前も運動不足じゃないの?」
(僕はナレーションに忙しいから~)
「???......今日、暑いし、今、指運動してんじゃん。だいたい、何わざわざここまできて水かけてんの?私、植物なわけ?」
(一人で校舎裏に匿った神奈ちゃんも神奈ちゃんだけどね、僕まで濡れたらどうする?)
「あいつらに言ってこ~い。ってか、何自然と声かけてんの?」
(神奈ちゃんがイヤホンをつけてるからだよ!)『 (´∀`*) 』
「音声閉じてんだろが?てへぺろみたいな顔文字示さなくでいい」
(『ハッカーちゃん』さまが作ったAIをあなどっちゃ困るね~このスマホはもうマイホームだろ?)
「何その呼び方。じゃ、その『ハッカーちゃんさま』をもっと敬え」
(あー、そうだ。先、ツッコミ損ねたわー、学校始まてばっかじゃないよ、今2学期だし、『ハッカーちゃん』さま♥)
「うっわ、すごっ、考えも読み取れんの?私、すごっ」
(いえ、表情がダダ漏れだよ、すっごく難しいそうな顔で、面白いよな~、僕を作ったの本当に君かな?双子とかいる?『ハッカーちゃん』さま♥) 『 ( ´▽`) 』
「え!やめて、私泣くよ、なんで自分が作ったAIにそこまで言われちゃダメなの?天才ハッカーのタグ取られたら、私ただのキモオタでダメ人間じゃん…、あ、言葉にした!破壊力が増加しちゃった。あ、何か自分でダメ人間って認めたような気がしたよ。だよね、生まれながらボッチ属性を付帯したキモオタダメ人間が面白がられる人生しかできないよね?ネットではそう書いてた。軽く涙が出たよ......AIくん、君のその口調で言われたら生々しくて怖いから、やっぱ電子音に戻す。」
(え!あ…こめんなさい、そんなしょぼんないで、こめんね、僕言い過ぎた、元気出して、神奈ちゃんは凄い天才だよ!僕を作ってくれてありがとう!ずっと傍にいるよ!)
「そうだな!私天才だもんな!ヒヒヒッ!よし!先日の報酬で、プログラム更新しよう」
(情緒不安定な人だな) 『 (´・_・`) 』
「何か言った?あど、顔文字やめて、イラつく」
(いいえ、何も。それよりガブリエルさんが呼んでるよ、右)
「???」
光が刺さない校舎裏にいる神奈に、暗室の窓から男の人が手を振ている。室内の光線と背向けて、元々雀茶色の髪がもっと赤く染まっていた。暗くて顔がよく見えないんだが、メガネのレンズに反射した気味悪い赤い光で…
ピロンッピロンー
『絶対その陰険な顔でニヤニヤしていたろヽ(`Д´)ノ この陰険メガネ!!』
『ガブリエルさん本当趣味悪いですね!by AIくん』
「行儀悪いな。人のチャット室で会話しないでほしいな、悪い子ちゃん。AIくんも加勢しないで…」
ピロンー
『 (╬゜◥益◤゜) 』顔文字一つ送って、神奈はグランドに戻った。
「ハアー、ずっと俯いでるね…あ、あの子一言も喋ってないから、会話じゃないか」
ピロンー
『暗室の窓を開けて大丈夫ですか?by AIくん』
「ああ、写真がプリントできたから、授業終わったら来て」
ピロンー
『分かりました。カナを連れて行きます。by AIくん』
「しっかりしてるね、AIくんは」でも私のスマホをハッキングしないでくださいよ。ガブリエルは少し困ってた顔で、画面を見て微笑んでいた。
お昼 ジークムンド学院 3号校舎
(神奈ちゃん♡神奈ちゃん♡ 聞いて~)