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4-②

ゴーヤでも他人が持つと甘く見える……のか!?②


地図の上に乗っている光る点は、学院システムがハッキングされ、プログラムが改竄されたところだった。もともと学院側から緩めにしたファイアウォールが神奈によって、全部いなくなった。精確に言えば全部がダミーになった。つまり、今の学院では『イベント活動可能範囲』をハッキングしようと思えば、学生用システムですんなりと誰でも入れる状態だった。


「アハハ、分かりやすくていいね~」

(ふむふむ、『ドカンは爆破の意味だろうが、人を瞬時に殺してはいけないから、落下物も含んで、そんな爆薬の調合容易くはない』)

「あ~や・め・て!恥ずかしいから、やめて~!」


昨日の自分がもったいぶって言い出したことがAIくんに再放送され、凄く恥ずかしかった神奈。


(そんなこと、神奈ちゃんが調べようとすればすぐなのにな~。だからいつも言ってるのよ、神奈ちゃんはもっと……)


「カナちゃん~いる?~」ドアのモニターからの呼び出し。


「はいはい、AIくん、うるさい~」

(神奈ちゃん酷い、僕の話まだ終わってないのに……)

「だって、いつも説教じゃん~」

『 (´・ω・`) 』




朝10時 4号校舎 放送室


一人でこそこそ、周りの人を避けながら放送室に入ってた。ただの気休めかもしれないが、鍵閉めもちゃんと確認した。

放送室の防音設備が完璧に効果を果たし、針が落ちる声も響けるこの空間に、その呟きが更に鮮明に聞こえた。それは商人としての葛藤をこもった声だった。金の誘惑に腰を折って、前払いをもらった以上、その後の買掛金をもらわないことなんて、とんでもないだから。


「金を儲けたからいいことだ!そうだ、いいことだ!」


そうやって、自分を言い聞かせるように呟いてる。

放送機械をチェックしながら、売れた商品の調整を慎重にしている。ビクビクとした手先、集中力をマックスに高め、音声の調和を聞いてる。


「……あ~クソ!そんな簡単なもんじゃないんだよ!」



ツンー、ツンー

音声通信だった。


『おい、ディーピ、できそうか?』


周りの雑音も流れてきた。


突然の通信にビックリして、手が滑った。


「クソッタレが!殺す気か?出来たらあの腹黒女と一緒に一斉送信するから、マジ黙ってろ!まぁー別に?この学院の財布ちゃん達と一緒に死にたいならどんどん連絡して来いよ!ディスくん?」



この空間はまた静寂に戻った。

そう、ディーピが調和してる音はまさに今朝5時に43人をアウトさせた『音』だった。ルールではそう書いてある、『恐怖や驚き、興奮や絶望など、波長が激しくなる心理状態、あるいは、一定以上のデシベル(dB)に到達した叫び声』それがアウト条件だ。

では、『音』と関係ある?その答えは肯定だ。

よく考えてろ。

また分からないか?

『波長が』激しくなる心理状態。

『心拍』ではなく、『波長』で書いてあった。


もちろう、心拍数が激しくなる時、脳神経も電子信号を伝達し、波長を激しくする。だが、もし単に恐怖や興奮などの感情を狙い相手に与え、心拍数を上昇させ、間接的に波長を激しくするのはリスクが高すぎる。

急にややこしい説明が始まったな。

簡単に言えば、突発的な事故にあった時、頭が真っ白になるだろう?そんな時は脳神経の波長ところか、脳が回られない状態に落ちいてるのだ。


(おい、毛球原作者!何急に天の声気取ってんの?それ、僕の仕事だ!)



4番エリア 女子寮


「AIくん、どうしたの?」

(いえいえ、なんでもなで~す♡)


「カナちゃん?」


神奈がなかなか追いついてないから、声をかけた。


「サリアナと違って体力なさそうだから」


サリアナを見てニヤリと茶化した


「夜月ちゃん、ゆっくり歩いてていいよ~」


「なによ~私が体力バカみたいな言い方~」


いつも通りの返し文句。


---いや、それ、どっちを貶してんの?

(うん、神奈ちゃんだな~)

「……私、声出した?」

(ううん、顔に出した♡)

「……」


路上での騒がせをまるで別世界みたいに、笑って喋りながら優雅に目的地に向かている。

三人がついたのは花園だ。

ベランダの席に腰をかけて、そこにはちょうど4号校舎での戦いを見られる位置だった。


「あ~いいなシドロフさんが楽しいそうに戦ってる~」


片手で頬杖をついてるサリアナは羨ましくて堪らなかった声で話してる。


(わー本当笑ってるよ!見て見て、神奈ちゃん~)


今じゃターゲットになって、多くの学生達に狙われてるウラディスラフが、ただ今4号校舎で仕掛けてきた人達を一方的にサンドバッグ扱いしてる。


「はいはい、分かりました。我慢してくださいよ、今あそこに居るのは大抵ポイントが没取された人だ。最終兵器を出すには投資収益率が低すぎ」


「最終兵器?」


頭を傾け、目をキラキラする。


「ふふっ」


コーヒーを一口飲んで、サリアナの頬を軽くつねった。


「んーんー?(なーにー?)」


---これが友達のやりとりか?

---(僕も神奈ちゃんとイチャイチャしたい~♡)


「あ、夜月ちゃんもコーヒー飲む?」


神奈の目線に気付きコーヒーをお勧めした。

慌ててマントで目を隠した神奈。


『ミルク入りで』


個人モニターの公開ページーで文字を示す。




「ところで、カクマールさんが喜んでお受けになったそうだけど、今朝の音でそんなに効果があるなら、そのデータをそのまま使え続けばいいんじゃない?」


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