3-⑥
制服脱いて...下着も脱いて...お風呂しよ!⑥
主文:
こんばんは、夜月ちゃん♡ 本題から説明するよ~
『Aプラン』というのはウラディスラフとディーピちゃんに、私達が指定した場所を指定した時間でドカンにしてもらうこと。その後は死なない限りなにをしてもよし、以上。要するに夜月ちゃん男二人を構わないで、私たちと一緒に行動してね~。
p.s. 夜月ちゃんがいつもつけてるイヤホン、位相オフセット機能もあるよね、寝る時もつけてね。
「……とりあえず分かるのは、最初からメアドが知りたいだけで、説明するつもりはないってことか」
(ん~、どゆいみ?)『 (‧_‧?) 』
「『指定した場所』と『指定した時間』しか書いてない」
(うんうん)
「『ドカン』は爆破の意味だろうが、人を瞬時に殺してはいけないから、落下物も含んで、そんなプラズマ爆薬のプログラミング容易くはない。少なくども私を除けば、この学院にできる人はいない」
(うんうん)
「まぁー、そんな物は誰に?どこから?もらったのはさっておき『死なない限りなにをしてもよし』のは怪しい」
(勝つ気はないか?あの二人を信じてるか?あるいは、別行動で他に何を頼んだか?ってことかな?)
「ん~それもあるが、あの二人が絶対に死なない保証が得たような感じで書かれていたなぁって思う」
(ん~確かに、そんな感じはするね~)
「大体、前はあんな感じっすよ?」
(そうね~ウラディスラフとディーピがそんな指示ばっかされってるプランを承諾するとはな)
「他のプランもあって、その中で選ばされたんだろう」
(じゃー見る?神奈ちゃん、すぐ映像を探していく……)
「いや、興味ない。灯り消して、おやすみ」AIくんの問を掻き消して、枕に沈み込んでいく神奈だった。
(本っ当、いつまでもブレないね~おやすみ、神奈ちゃん♡)
時間を遡る、1月18日、学園の西側にある森。
太陽の光が厚い雲に遮って、曇り空。僅かな光の反射は大気中のほこりの粒子を加わえ、幻のような紫の空だった。冬休み前、学院ではほとんどの学生が実家に戻り、普段賑やかな雰囲気が静寂な空間に化した。
元々人げのない西側にある森、更に怪しくで、不気味だった。
「……手、離した……」膝を抱えて、少女が顔を腕に埋めて、そう呟いた。その拳を握ってる手が花を鮮明な赤に染まった。
一人の少女が西の森でガスを抜け出されたのように怒りと悲しみ、何より、何もできない無力な自分を悔しんでいるように見えた。
突然その静かさを切り刻んだ無数な警備ロボットが、芝生をすり削って、木の枝を切って、少女へ勢いよく向かっていく。ざわめく音に気を引かれ、少女が顔を上げた。赤い目に頬に残ってる涙の跡。
---!?間に合えない!
頭にぶつかりそうなところ、手も足も出なくて、ただただ本能的に目を閉じて頭をそっぽむいてた、当たらないよう願っていた少女は、もう一度自分の無力さを思い知らされた。
---悔しい……。
思っていた強い衝撃が訪れなかった。
目を開けると警備ロボットがもう地面に落ちたり、むやみに突き進んで木の幹に嵌め込んだりした。
「え?」何が起きた?
そう思って顔を上げた。ひらひらと舞い踊る木の葉が紫の空を背景にして、季節ハズレのリオアンティ毒蝶々のような。だが、少女の目に入ったのは靡く漆黒の髪。
少女は息を飲んだ。
何も話せなかった。
漆黒の髪を持つもう一人の少女が、口もとをぶつぶつして、何か話してるような。聞こえない。
黒曜石の目が座り込んで固まった少女を見た。いや、その隣に木の幹に嵌め込んだ警備ロボットを見てる。
---あ、目があった。
と、少女はそう思ってた。
それでも、塞がれたのように声がでなかった。
赤い目に頬に残ってる涙の跡。一人で森にいる。手のひらの血がまだぼたぼたと滑り落ちている。この状況はどう説明したらいいのか?何をしてるか、なんで泣いてたかと訊かれたら、どう返せばいいのか?少女が頭の中でぐるぐるして、その『正解』を考えてる。
漆黒の髪を持つもう一人の少女がマントを被り直して、近づいている。
---!!
ビックっとした。
木の幹に嵌め込んだ警備ロボットを抜け出し、地面に置いて、去っていた。そう、その座り込んでいる少女を気付いたか?気付いていないか?そのまま、去っていた。
月曜 朝2時 前夜祭終了
「サリちゃん、何ボーとしてるの?」背後から、その柔らかいものを揉んでる手。
「ほら、離して」慣れてるから、平穏に返した。
「ハハ、サリちゃん反応うっす」
「私、シャワーして寝るよ」離す気配がない手を軽く叩き落とした。
「へーじゃ私も、一緒に入ろっ」おねだりしてる子供にみたいだ。
「うん、いいよ」相手の頭を撫でで承諾した。
「やったー!」
ビロンー。サリアナの個人メッセージだった。差出人は洛凡。
『送信したんだが、内容について訊く気配がないみたいだよ』
---本当、違う世界にいるみたいだな。
「サリちゃん、またボーとしてる~制服脱いてあげよっか~」言ったばかりで、さっとしゃがんだ。
「ギャー//////」下にスカスカな感じ。
「スウー、はあー。ピッチピチ脱ぎたてのパンツだ~」
「なっ!かっ返して~!」スカートを抑えて、片手を伸ばしたところ……
「「あ。」」
下敷きになったのは何も着ていないロリ、その上に乗ってるのは制服びしょびしょな美少女。重なる体に見つめ合う瞳。風呂場の暖かい水気が熱くなった気がする。
「……え~とっ、サリちゃん積極的?」
「……ごめんなさい//////」
前夜祭は2時で終了したんだが、ほとんどの学生が寮に戻ったころはもう4時くらいだった。はしゃぎ過ぎて、へとへとな学生達が教師達の思わく通り、部屋に入ったとたん電池切れて、爆睡した。
嵐の前の静けさ。デストロイ祭り開始まで、あと:10分。
制服脱いて...下着も脱いて...お風呂しよ! 完