3-⑤
制服脱いて...下着も脱いて...お風呂しよ!⑤
振り向いたところに、ウラディスラフにぶつかっ……てない!?ぶつかりそうなところで、ウラディスラフが神奈を軽く支えた。神奈のマントが取れった。(はあー!離せー!神奈ちゃんを助けるのを口実にして、変にベタベタ触るなー!なんだ?ラブストーリの主人公でも気取るつもりか!?いやー!神奈ちゃんー!こんな男なんて頼れないよー!ダメだー!嫌だ!離せー!ケダモノー!!)
AIくんがうるさいと思って、イヤホンを軽く叩いた。
「あ、悪い、大丈夫だった?」神奈ののマントを被り直した。
(いやー!あー!ダメだー!何自然とやってんだあー!神奈ちゃんー!しっかりしろおぉー!嫌だ!離せぇぇー!)AIくん、ヒステリーになてる。
神奈がこっそり指を動いて『システム名:AIくん。音声機能:OFF。』
「あ、イヤホンつけてるか?」神奈が聞こえてないと思ったウラディスラフ。
『聞こえてます』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「え?あ、そっか。気を付けろうよ」寮に帰ろうとしてる。
『待って』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「!」突然目の前に文字が飛び出して、振り向いたウラディスラフ。
「ありがとう」すっっっごく小さい声。
「ハハ、よくできたな、偉い!」神奈の頭を撫でて、笑った。
(はあー!はあー!!はあー!?おい!何サラっとしてんだぁ!手ちぎってや……)
「あ、ごめん、弟と妹がいてな、つい。子供扱いしてないから、悪いな。そんじゃ、俺帰るわ、サリアナつう女に、俺『Aプラン』でいいやって伝えてくれ」そう言って帰った。
お偉いさん達の話がようやく終わったそうで、沫言先生が舞台に上がった。
「それでは、皆さんのご存知通り、ジークムンド学院1年生の定番イベント-デストロイ祭りは全国生放送のお祭りだ。勝ったチームは豊富なご褒美を、ぶざまで負けたチームは全国の前にその醜態を晒される!君達の負けた顔を楽しめていますよ♥が、その前に最後の宴を楽しもう~」
「「「オォォォー!!!」」ようやく長談義が終わったのか?デストロイ祭りを期待してるのか?沫言先生のドS発言に興奮してんのか?とにかく、学生達の高揚感がもう抑え切れないのだ。
今人気なアイドル、汗ばんで皆に笑顔を与え。色とりどりで、あちこちに飾ってるイルミネーション。カワイイ動物や可笑しいキャラクター、空で飛んでたり、目の前で踊ったりするホログラフィーショウ。
『シドロフさんはAプランでいいって』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「ふふっ、そうですか」ニヤリとしたんだが、悪巧みしてた子供みたいだった。少し待って、神奈の反応を見たら「やっぱり聞かないんですね」とこっそり言ったサリアナだった。
「夜月さん、好きなアイドルいましたか?」神奈が舞台で躍てる人たちを見てるから、訪ねてきたサリアナ。
『とくに』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「そうですか?舞台の上はね、違う世界みたいな~と思ってる。でもね、世界が違っても、その人達が踊ったり歌ったり笑ったりしてるのを見て、凄くキラキラでパワーをもらって、私は救われたみたいな感じがしたんです。だから大好きですよ~」舞台を見て、目がキラキラしてる。
(えっと……神奈ちゃん分かる?)
---いやいやいや、分かるわけないだろう!えー何言ってんの?それか!?キャスト順が低い奴が分かるはずがないアレですか!?コミ力が高い奴がよく言う、アレですか!?いや私別にコミ症じゃないですけど~、ただ~人の目を見るのはちょっと抵抗あるつうか?なんつうか?まぁっとにかくアレですよね?なんかわかんないのアレですよね!?雰囲気的な!?
……軽く首を振った神奈だった。
「ほら、ダメだろうサリアナ、それじゃ夜月ちゃんわからないよ~」
---おー、黒いストッキング!ナイス!まぁー実は分かるけどね、うんうん、分かる分かる!
「洛凡、おかえり、カクマールさんは?」
「ふふっ顔真っ赤で帰ったよ。ディーピちゃんも『Aプラン』でいいって。それよりさー」神奈を見て「サリアナはあなたに救われたってことが言いたいですよ、夜月さん」
「うん、夜月さん。一学期終わるころで、学院の西の森で暴走したロボットを止めてくれて、ありがとうございます」真摯にお礼を言った。
(神奈ちゃん、1月18日)
---うん~それ、たぶん私が暴走させたんだけど、人救った覚えはないな~、そもそも、何回も実験したし、そこ人いったか?まぁー、礼言われたから……
『どういたしまして』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「じゃ、もう友達んね!カナちゃん!」神奈の手を繋いて、嬉しいそうに揺れ揺れした。
---わ!何この距離の縮め方、こっわ。
『 (☆`・ω・´)よろしくデス 』神奈は個人モニターの公開ページーで文字を示す。
「やったー!!」
「ハハ、顔文字かわいい。私もよろしくね、夜月ちゃん♡」洛凡もカナの肩を軽くたたいて、友達宣言した。
---わ!こっちもか!?すげっ。
「あ、先輩が呼んでた、じゃ明日一緒に頑張ろうね~」嵐のような人だ。
「ごめんね、サリアナはそういう子だから、Aプランについて後で送信するから、メアドいい?学院連絡用のでも」
(あーあー、神奈ちゃん、個人通信を隠したのバレたかも、どうする?)
『ピロンー』
「お?ふふっ、ありがとうね、じゃまた明日」サリアナの前以外、暖かい笑顔した洛凡は珍しかった。もちろん、神奈は見えていなかった。
(あらあら、個人通信を渡したか、いいの?)
「別に隠してないから、あとそれ、たった今作ったメッセーボックスだ、バカ王子のベビーシッターさんにはバレない」
(そっか!本当、あの神経質のベビーシッターさんにはまいったなー。システム様、ハッカちゃんさま、神奈さまが!そう簡単にハッキングされるわけないだろうが!つうか99.9%無理だつうの!)
日曜 夜10時
スケジュールで、前夜祭は朝2時までイベントあるって書いたが、とっくに部屋に戻って10時から爆睡しようとした神奈はAIくんに止められた。
(まずは『Aプラン』というのを見ようよ~神奈ちゃん)
「あ~、そうだったな~、AIくん出して~」大きあくびをした。
(了解)『 (>д<)ゝ” 』
『表示ページ:メッセージボックス。差出人:洛凡。主旨:よろしくね、夜月ちゃん♡ちなみに、ツインテールどう思う?夜月ちゃんに似合うと思うよ♡』
「……ふざけてんの?……」
(まぁーまぁー)