第3プログラム 制服脱いて...下着も脱いて...お風呂しよ!①
第3プログラム 制服脱いて...下着も脱いて...お風呂しよ!①
土曜 朝 女子寮(1年生)ロビー
女子達が昨日のことを話してる。
「ね~聞いた?昨日の2号体育館~」両手で頬杖をついている。
「うん、先輩がその授業取ったから、聞いた」紅茶を啜る。
「えー大丈夫だった!?体術の授業って普通そこまでやるの?」
「なになに?なんの話し~?」ソファの背もたれに伏せて、もう一人話しに入った。
「あら、おはようございます。今日はポニーテールじゃないね」ティーカップを置いた。
「おっはー、気分だよ気分~」気まぐれな笑顔。
「ハハ、クッキ食べます?」
「あ、どうも。それよりさ~」
「はいはい、昨日の2号体育館てさー破壊された話よ。この子の先輩いったんだって」クッキを取った。
「うわーなにそれ、なんで?」興味をもって、ソファに座った。
「先輩から聞いたんだけど~体術の授業の人型ロボがすっご~い高レベルに設定されたんだ~一台だけ」紅茶にミルクを入れた。
「へ~ロボが暴走して、体育館を壊したんだぁー?お、クッキうまいな」なんか一瞬興味をなくしたような顔。
「違う違う、私達と同じ、1年の男子二人がケンカして壊したんだって」紅茶に砂糖を入れた。
「そうそう、ヤバイよね~ちなみに今修理中らしいよ。え?まだ砂糖入れるの?甘すぎくない?」
「え~それは、面白いよね~♥」ニヤリとして、目がまたギラギラになった。
「ハハ、学校側として、面白くないけどね~」角砂糖を渡した。
「まぁー修理ロボですぐだから、大丈夫かな」角砂糖をもらい、やっと紅茶の甘さを調整できた。
「よ!サリちゃん、おはよう~」クッキを持ってるまま手を振てる。
「おはようございます、サリアナさん、紅茶飲みます?」
「クッキもありますよ、サリアナ様」
「三人共おはようございます、紅茶をいただきますね。」サリアナもソファに座って「先ころ何の話をしましたか?」
「昨日の2号体育館が……」
昼 男子寮(1年生)204室
「その雑菌まみれな手で触るな!」黒肌が共通エリアに置いてあるクッションを素早く奪った。
「……」一瞬反応を戸惑ったウラディスラフ。
「トイレのドアノブも触るな!」ヒステリーに叫んでる。
「ディーピ、お前またなんなんだよ!言う通りの手順で手洗ったんだろうが!」昨夜から一段と神経質になった黒肌を、もう我慢できなくなった。
「ハ!手を?洗った?ふっざけるな!今、自分の手を、見ろ!」聞いた言葉が信じられないのように、大声で笑った。目が笑っていないが。
「はあー」意味わかんないって顔して、言われたまま手を見た「で?」
「いいか?ディスくん、君の顔から足まで全~部、傷だらけってことはちゃんと理解できます?」
「だから?」ルームメイトがヒステリー状態になった時の『ディスくん』呼ばわりはもう慣れたが、いつも通り、言ってることがいまいち分からないウラディスラフだった。
「顔の傷はな~まぁ~1メートル以上近づかなければいい!足はまぁ~直接触ることはないから、それでいい!が、その手!あっちこっち触って、何を触ったのかも知らない!その触った物は前がどんな状態か?何人に触られたか?知るようもない!そんで?手洗った!?だから何!?普段なら目をつぶて大目に見てやるが、こんな傷だらな手がいくら洗っても無駄だ!知ってるか?人間の口腔には平気6トリリオンのバイ菌量が存在してんだよ!歯磨いてもこの量なんだよ!でだ、君の手は今細かい傷がいっぱいで……」
「はあーまた始まった……」昨夜、体育館のケンカで破壊騒動を起こし、勝手についた傷は勝手に治ってこいって言われ、医務室に放り出され、おまけに謹慎をくらったから、自分の部屋まで出られない状態に陥でいる。神経質且つ少々潔癖症があるルームメイト-ディーピ・カクマールの説教は慣れったり、慣れなかったり、何も言い返せないウラディスラフ・シドロフは大人しく聴いてる姿がまた面白可笑しいのだ。
夜 5番エリア 教師寮区域
「今年も始まるな、デストロイ祭り」感慨深そうな顔。
「ふふっ、今回も負けた学生達の可愛らしい姿を存分に楽しめるね~」ワイングラスを揺れる。
「え~沫言さんはもう負けた学生達の心配をしてるんだ?やはり、いい先生ですね」
「あんたは相変わらず人をムカつかせることだけは凄いだね、リエル」ビールを一気に飲み干した。悪気がないからもっとムカつく。
「ハハハ、いきなり褒められると恥ずかいな~」アホツラで頭を掻いた。本気で褒められたと思ってるからもっとイラたつ。
「どういたしまして♥」水色で綺麗な髪をいじって、耳際のピンク色メッシュは見えるような見えないような「その空を見上げて、時の流れの速さを感慨深そうな顔をすんのはやめろ!こっちだって老けて見えるじゃない」
「え~老けるなんて、沫言さんまだ……」口をふさがれた。思いっきり、強く。
「俺をあんたと一緒にするな♥」振り向いて、屋内に入った。
「あ!違うよ!沫言は昔と同じ、かっこよくて美しいって言いたいだけだよ~」捨て犬の顔。お世辞を言えるほど賢くないからもっと心に響く。でも、それもまたムカつく。
「はあー、あんたも昔と同じ天然ひとたらしだね」長い付き合いで、ガブリエルのそういうところはもう諦めた沫言だった。
「人たらしなんてしてないよ~」
「いい年して、若ぶるな」ワイングラスにビールおかわり。
「待て待て、飲みすぎはよくないから!」ワイングラスを横取った。
「だから、カップじゃなくて、ワイングラスで装ってんだろ」横取られたことに不満げな顔。
「それでもだ!」ワイングラスもビールも棚にしまった。
「オカンか!」
「同い年だよ!」
「チッ」
「月曜の朝5時楽しみね、沫言さん」
「はあー、さん付け気持ち悪いから、やめろ」ソファで横になって、うとうとしてる沫言「それに、開始そうそうドカンって奴そういないだろう……」長い足がガブリエルの太ももに置いて、軽く蹴っていた。
「ハハ、自分のこと言ってる?」
「……」
「おやすみ、沫言」自分の太ももに置いた足を軽く持ち上げ、毛布をかけた。眠りに入った人が少し寂しそうな顔。隣のシングルソファでその顔を見ていた。同じ、どこか寂しそうな顔で。
各々が違う思いをもって、時が流れ過ぎていく。デストロイ祭り開始まで、あと:30時間。