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2-⑤

右頬がビンタをくらったら......殴り返せ!⑤


「ううん、しない。先生言ったろ、この祭りのルールは世界の基礎を元にしたって」

(そっか、うん。深入りはしないよ)

「……うん…」

(待ってるから♡)

「ふっ、話す気になったらな~」

(まったまた~♡)


(んじゃ、気を切り直して~他のとこも見てみよう~)

「そういえば、2号体育館は今体術の授業だっけ」

(今回もやる?)『 うふ♪(* ̄ω ̄)v 』

「もちろん~」

(神奈ちゃんワル~イ)

「そちらこそ~」


「いざ、勝負だ!」(いざ、勝負だ!)



4番エリア 2号体育館 選択科目:高等体術


屋根が展開できる地上2階、地下1階建て。地上2階とも一見何もいない真っ白な空間だが、小型ホログラフィーによりどこでも化けられる。そして、地下1階にある倉庫の壁際に、人型ロボが一糸乱れず並んで静寂に座っている。


「もう突っ込むのはやめたいんだけど、今回の説明雜くない?」

(毛球原作者はいつも国語だけで夏補習組みに入ったんだから~前のは脳みそ振り絞るくらい頑張ったんだろうな)

「はあー」突っ込みところもなくなった神奈であった。


2号体育館で授業してる学生達。自室で2号体育館のカメラを通し見ている神奈とAIくん。同じ空間、違う世界。共に汗をかいてる。


「うっわ!この薄い金髪の奴強っ!」光学画像で全体を覆われた人型ロボ、生身の人間とほぼ区別できない。それと対戦してる薄い金髪。そのシステムをハッキングしロボを操作する神奈。


「わー!ストレートパンチの目隠しからのスイープレッグ、えぐい!」慌ててロボを跳ばせた。

(こっちの黒肌意外と弱いな~すぐ背後取れた)神奈に与えたシステム権限で、楽しくバトル戦してるAIくん。


「がぁーサイドキックくらった!聞こえた!?バンってよ!バンって!生身だったら死ぬじゃね!?」指で素早いコマンドを入力しギリギリで右手で防いた。

(あークソ!前言撤回だ!ちょこまか逃げ回って!)ワンツー左フックストレート全部躱されって、悔しかったAIくん。


「おおーそこだ!喰らえ!アッパーストレート……」いきなりの無拍子攻撃をくらっても、すぐ体勢を整え、反撃する薄い金髪に神奈は少し感心した。

(こらこら!逃げ回ってるとポイント入らないよ!黒肌~!)その猛攻撃をいとも簡単に躱され、完全に悪人ツラになってたAIくん。


「ハッハ!それはフェイントだぁー!」ジャブをフェイントし、薄い金髪の膝を狙え。

(な!?)背後から肩を乗せられ、裸絞。システムの設定で、ロボに5秒以内抜け出されないなら勝ちと認定する。つまり、AIくんの負けになる。


「うっそだろ!これでも躱せんのか!?」神奈の渾身の一撃をぎりぎりで躱したせいか、薄い金髪はふらついて、後ろの戦闘区域にいる黒肌を思いっきりぶつかった。

(!?)対戦相手の黒肌が突然消えて、一瞬困惑したAIくん。


薄い金髪にぶつかり、細身の黒肌が飛ばされ、ノアの膝裏を直撃。前へ倒したノアが激戦に没頭し、自分の戦闘区域に入ったウラディスラフを思いっきりグーパンビンタした。


ドミノ倒し……


それからは、まぁー、皆さんのご存知通りの展開だ……。

「えっと……」後ろ頭を掻いた神奈。

(ん……)同じ沈黙に入ったAIくん。

『コントロール:解除。解除成功。アクセス:切断。切断成功。』


「……今回は引き分けにしよっか」

(……だな)

灯りを消して、ベッドにのぼって、寝た。自分が作り上げた騒乱をほったらかして、夢に入った。

(おやすみ、神奈ちゃん♡)

「……」落ち着いた息。



右頬がビンタをくらったら......殴り返せ! 完


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