第0プログラム 序章 『ハッカーちゃん』さま♥
第0プログラム 序章 『ハッカーちゃん』さま♥
夜11時59分 リオナ帝国 中央データ管理局
(WARIING!WARIING! WARIING! WARIING!)
「どうしよ!データが!」
「早くガードを閉じろ!」
「無理だ!権限が奪われた!」
「なんてことを!」
「センターに連絡しろ!」
軍服を着ている人達が管理局情報室の第3資料エリアで走り回っている。
「何があった?」声の低い男が自分のオフィスで頭を抱えているところだった。
「はい!第3資料エリアのガードが破られましたとの報告です!ドリエル様」ドリエルの傍に同じ軍服を着た、補佐官のような男がそう報告した。
ドリエルが長いため息をし、大股に歩いて、コントロールセンターへ向かていた。
この頃のコントロールセンターも第3資料エリアから連絡を受け、塗炭の苦しみだ。
「とりあえず、その警報を止めろ!至急ファイアウォールを再構築!破られたのは即破棄し、侵食中のはウィルスを入れろ!第3資料エリアとのネットラインは一時遮断!」
迷いのない命令だ。
「はい!司令官殿」先まで慌てていた人達が一斉に敬礼し、先ほどの慌てぶりが嘘のように素早かに仕事に戻った。
「室長、被害報告!」ドリエルはいつも通り冷静に指揮を取っている。
「はい!…盗まれたデータは…指定ファイルA-1506です。第3資料エリア…で保管しているすべてのデータ閲覧制限が…開放されて、センターのシステムコントロール権限も…奪われました」凄まじい目線に向けられ、第3資料エリアの管理長がおのおのと怯えながら報告した。
「よりによてA-1506か」
そう、またいつも通り、下駄を預けられていたファイルが盗まれた。
「コントロール権限が取り返しました」軍服に着られてるように見えた若い女子が司令官ドリエルに報告した。
その報告とほぼ同時にコントロールセンターのモニターが「パッー」と一斉に同じ画面を映し、まるでここにいる人々が確実に届けるため、そのメッセージが2分間も続いた。
『コントロール権限をお返しします。ハッカーちゃんより』
「ふざけた名前!」ドリエルがついに怒りを収まれず、拳を握て、力強くデスクを叩き「調査で分かったことはあるか?レン」と補佐官に聞いた。
「申し訳ございません。ドリエル様、手がかりはまた違う人物に至って、線を切られました。そして、線に至った人物はまた…」
「また『システム』犯罪者か…」その彫刻のような深い顔が青筋立て、やせがまんでその言葉を口にした。
「はい。」レンは認めざるを得ない顔で肯定した。
「正義の仲間を気取るつまりか!クソ!」
朝0時15分 リオナ帝国 中央道路
走り出してるある車の中、爽やかな声でその中央データ管理局の状況を実況している。それはそれは、聞いててイラ立つハイテンションだった。
(正義の仲間だってよ、『ハッカーちゃん』さま♥)
第0プログラム 序章 『ハッカーちゃん』さま♥ 完