カレーライス
「あ、お姉さん。今日はどうもありがとうございました。帰りは気をつけてくださいね。それではまた明日」
「おい、次の話に入ったからって何事もなかったように帰らせようとすんな。話の流れをぶった切るな」
「あら、せっかくのチャンスを邪魔されたくないとかじゃないですよ」
「本音が隠しきれてねえんだよ!!」
「と、とりあえず晩御飯にしようか」
「おう、アタシは先にいただいてるけどな」
「はぁ……まったくお姉さんは空気が読めませんね。そんなんだから行き遅れるんですよ」
「アタシはまだピチピチの17歳だ!」
「ピチピチって言葉が既に古い気がするんですが……」
「……確かに」
「やかましいわ!直登もさりげなく同意してんじゃねえよ!!」
「ご、ごめんなさい……」
実際に使ってる人初めて見たもんだから……何かこう違和感半端ないというか……。
「さ、二人も座って。お腹空いてるでしょ?」
「お、私手伝います」
「俺も自分のはやるよ」
予想外すぎる展開に驚きはしたが、これはこれでさっきの旅行の延長線みたいでなんかワクワクするような……。
「ていうかお姉さん、そんなに私に会いたかったんですか?」
「絶対にそれはないから安心しろ」
……うん、もう少し仲良くしてくれると嬉しいんだけどね。さっき仲良くなったと思ったのは気のせいだったかな?
そんな事を考えながらカレーを皿によそうと、ふわりと香りが強くなり、さらに食欲をそそられた。
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「ふぅ……ごちそうさま〜」
「ごちそうさまです。お姉さん、すごい食欲ですね。昼もたくさん食べてましたよね」
「お前のお守りで疲れたからな。そりゃ腹も減るっての」
「妄言はスルーしておきますね。それじゃあ春香さん、洗い物は私にやらせてください」
「えっ、わるいよ〜。じゃあ、直くん手伝ってあげて」
「わかった」
「じゃあアタシも手伝うわ」
「じ〜……」
「悪いな。そんな上目遣いされてもアタシはやる」
「まあ、仕方ないですね。テキパキ終わらせましょう」
3人で洗う、拭く、片付けるを分担してみると、意外とうまくいってすぐに片付いた。作業に集中していたので3人揃って一言も発しなかった。
そのままソファで3人並んで座り、しばらくすると夏希さんがポツリと呟いた。
「色々大変だったらしいな」
「……別に。いつか来るってわかってたことですから」
「真冬ちゃん、無理しなくていいんだよ」
千秋が小さい頃によくしてやった時の癖だろうか。
沈んだ気持ちを隠そうとするその横顔を見ていたら、自然と真冬ちゃんの頭を撫でていた。
「お兄さん、子供扱いしないでください」
「あ、ごめん!つい……」
「…………」
「夏希さん?」
「お姉さん、どうしたんですか?頭を突き出して……」
「いや、何でもない」




