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早い再会

「いらっしゃ〜い」

「ふゆっち、おかえり!」

「おい、兄をいないものとして扱うな」

「あ、兄貴いたんだ。おかえり」

「視界にすら入ってなかったのかよ……」


冷たい反応にちょっと落ち込みながら家に上がると、奥から姉さんがひょっこり顔を出した。


「あ、直くんおかえり」

「ただいま」

「あ、春香さん。今日はいきなり押しかけてすみません。一晩よろしくお願いします」

「真冬ちゃん、気にしなくていいのよ。いくら泊まってってもいいからね」

「いえいえ、そんな……悪いですよ」

「うふふ、今お父さんもお母さんも家空けてるから賑やかになって嬉しいなあ」

「いつも賑やかな気はするけど……千秋のせいで」

「千秋のおかげで、でしょ?バカ兄貴」

「はい」


玄関で無用な言い争いはしたくないので素直に認めると、真冬ちゃんがクスクス笑い始めた。


「本当に仲が良いんですね」

「そうだよ〜。この二人いつもこんななの」

「「…………」」


こっちを見てニヤニヤしている真冬ちゃんに俺も千秋も苦笑いで俯いた。まあ、楽しんでくれているなら何よりだな。

リビングに足を踏み入れると、姉さんが作った夕飯の匂いが食欲を刺激してくる。今日はどうやらカレーらしい。

真冬ちゃんもカレーが好きなのか、鼻をくんくんさせて、口元を綻ばせた。

そして、こちらの視線に気づき、恥ずかしそうに苦笑いする。


「もう、そんなに見ないでください。発情期ですか?」

「斬新な誤魔化し方だね。別にカレー好きとか隠す必要なくない?」

「ほら、食いしん坊なのをお兄さんに知られるの恥ずかしいというか……」

「えげつない下ネタは平然と言うのに、そっちは恥ずかしいのか……」

「えげつない下ネタ?さすがにそんな嘘は聞き流せませんね」

「まあ、確かにえげつないなんて言ったら言い過ぎか」

「おう、おかえり。先に食ってるぞ」

「どうも。それじゃあ準備するから席座ってていいよ」

「そういうわけには行きませんよ。私が準備しないといけないくらいです」

「ああ、もうアタシがやるからお前らは座ってろ」

「はい、ありがとうございます……ってええっ!?夏希さん!?」

「なんでいるんですか!?」


当たり前のように我が家でカレーを食っているのは、さっき別れたばかりの夏希さんだった。

まだ現実とは思えず真冬ちゃんと目を見合わせると、夏希さんは何でもないことのように言った。


「さっき春香から連絡があってな。直登のために飛んできた」


その言葉に姉さんの方を振り返ると、少し申し訳なさそうにぺろっと舌を出した。





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