新幹線の中で
窓の外の景色の変化楽しんでいると、真冬ちゃんがクスクスと楽しそうに笑った。
「どうしたの?」
「いえ、今のお兄さんが少し幼く見えたもので……」
「そりゃあどうも。少年の心を忘れてない証拠だろうな」
「……zzz」
「寝たふりして無視するのやめて?哀しくなるんだけど……」
「あははっ、ごめんなさい。ついお兄さんをからかうのが楽しくなってしまいまして」
「それいつものことじゃん」
「ですね。あ、それじゃあ真面目な話、いいですか?」
「何?」
「お兄さんはあのおばさん……お姉さんのこと好きなんですか?」
「とりあえずおばさんはやめておこうか。それで、俺が夏希さんを好きかって……って、えええっ!!?」
「お兄さん、声が大きいですよ。ここは新幹線の中です」
「ご、ごめん……って、今のはそっちが悪いだろ。いきなりなんてことを聞くんだよ……」
「好きなんですか?」
「いや、いきなり言われても……」
「なるほど。そこそこ好意はあるけれど、まだ恋かどうか図りかねてるということですか」
「勝手に話を進めるんじゃない。いや、ほら……まだ出会ってそんなに経ってないし……」
「胸おっきいですしね」
「話聞けや!ま、まあ、たしかにでかいけど……」
「ですよね。悔しいです。どんな生活習慣にすればあれが手に入るんでしょう?」
「さあ、遺伝とかもあるんじゃね?あそこはそんな感じだったし」
「なるほど。さすがはお兄さん、抜け目がないですね。じゃあ、私も希望はあるということでしょうか?」
「ああ、だから心配しなくていいよ。君はもっと成長できる」
「いや、そこまでいい顔して言わなくても……しかも名言風に……ていうか、今のでお兄さんが出会う女性すべてのスリーサイズチェックをかかさない人だということは理解しました」
「違うよ!?あ、何かお菓子買ってあげようか」
「露骨に話を逸らそうとしてますね。まあ、いいでしょう。ちなみに私の事は好きですか?」
「いや、何さらっと聞いてんの?」
「じ~~」
「……zzz」
「あ、寝た。お兄さん、ヘタレですね」
「いや、まあ……その……妹の友達としては……す、好きだよ」
「さらにヘタレですし、そこまで恥ずかしがる内容ではないですよ。さすがはお兄さんです」
「…………やかましいわ」
やはりこの子の相手をすると、どうも調子が狂う。あといつも手玉に取られている感じがする。
……まあ別にいいんだけど。楽しいし、楽しそうだし。
そんな風に喋っていたら、いつの間にか目的地に到着していた。




