Prolog
安心という感情は、良し悪しに関わらず。それがその人物にとって最も正しく、原初の状態だからこそ得られるのだろう。自分の家に居るとき、家族と過ごす時間、友と語らう合間、愛するものと抱き合った瞬間。
ならば今ここで感じるこの感情は僕が、此処に居る正しさの、僕がこういった存在であるというあり方の・・・・証明なのだろう。
村が燃えている、木材が焼け、荒れ果てた惨状、周りには火傷を負い倒れるもの、血溜まりに沈むもの、半身が欠損したもの、多種多様に倒れている。ただ一つ共通しているのは、皆一様に死んでいるということ。傷は違えどもう生命の鼓動を感じない。その真ん中で一人立ち呆けている僕は一人だけ生きている。それはなんとも異端で、黒の中にある小さな白の点のような、異物感を与える。それでもこの安心感が、口元の笑みが僕は此処に居るべきであると、ここが僕の居場所だと教えてくれる。
何をするでもなくただ呆然としていると、僕以外生きるものなど居ないこの場所でその声は確かに僕の耳に届いた。
「これじゃ足りなかったかな?それとも強すぎたのか。そうだね、今回はお預けだ。準備も整ってないのに強行した僕も悪かったんだ」
綺麗な声だ、とても透き通るような、聞くものすべてを魅了するような声。
「少しはしゃいでしまったみたいだ、許しておくれ僕も嬉しくてね、まあとにかく」
何故だろう、なぜこんな惨状の中僕は笑っている?
「今はお休み」
何故だろうどうして安心感を感じているはずなのに・・・・こんなにも・・・・悲しいんだ。
薄れ行く意識の中覚えていることは、燃える村と、頬をつたう暖かい感触と、今はない大切な、誰かの笑顔。
とりあえずプロローグだけ出来たので。よろしくお願いしますm(_ _)m 今後の更新ペースは特に設けていないので2人で協力しながらぼちぼち書いていきます。応援のほどよろしくお願いします!