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冒険者ギルド

遅れてすいません

 翌日、宿を出た二人は


「昨日はお風呂入れなかったし、冒険者ギルドに行ってお風呂に入れさせてもらいましょうか」


「えっと~、今更っすけど冒険者ギルドのお風呂って、王様でも時々しか入れないっていう噂のっすよね?入れるんすか?」


「当り前じゃない、あれは王の為に作られたんじゃないもの。」


「え?そうなんすか?

 じゃあ、超高級なお風呂って誰のために作られたっすか?」


「マジックホルダーよ」


 シルベアが、結構どうでもいい世界の秘密をアルに伝える。


「えぇっ、そ、そうだったんすか!初めて知ったっす。」


「心が読めるのに?」


「えへへー、ばれちゃてたっすか。」


「と、話してるうちに見えてきたわよ。

 あれが冒険者ギルドみたいね。」


 雑談しているうちに目当ての建物に着いていたらしく、目の前に昨日行った雑貨屋に負けないくらいの大きさの建物が見えてくる。

 内部は雑貨屋に比べて無骨だろうが、迫力は負けず劣らずと言ったところだろう。

 入り口付近には、冒険者と思わしきものがたくさん出入りしており、アルは押さえておかないと今にもとびかかりそうだ。


「ここにいる全員が欲望の塊っすね。

 ぶち殺してやりたいっす。」


「まぁ落ち着いてアル、どうせ王以外全員殺すんだから。」


「そうっすね。でも冒険者は私の獲物っすからね」


 アルも納得したらしい。

 二人は冒険者ギルド(温泉)へと足を踏み出すのだった。




 冒険者ギルドの中は混沌というより、もはやカオスと化していた。

 受付にいる人はいつもの柔和な笑みをそのままに鬼と化し、冒険者たちもそこらじゅうを動き回っている。


「ど、どうしたっすか?」


 人間嫌いなアルでさえちょっと引きながら受付の人に尋ねている。

 受付にいたお姉さんは、急に話しかけられたことにムッとした顔を浮かべた後、いつもの営業スマイルを浮かべ、


「ついさっき、このペール王国の王都から三十キロほど離れたところに大規模な洞窟が発見されたんですよ。冒険をサポートすることがこの冒険者ギルドの目的っていうか存在理由?ですからっ、今冒険者ギルドは沸きに沸いているのですっ」


 結構熱く語ってくれた。

 が、要約すると、洞窟が発見されたためこんなにもカオスっているらしい。

 カオスってるってなんだ。


 まぁ、シルベアたちには関係がないのでお風呂に入れてもらうとする。


「ねぇ、お風呂に入れて頂戴」


 さすがシルベア、文章中の消せるところをすべて消し単刀直入に言う。

 受付嬢はまたか、と言う顔を、ついの瞬間、は?と言う顔をした。


「くふっ、さっきあなたこんな小娘が国王陛下のお風呂に入れるわけがないって思ったっすね。」


 受付のお姉さんの心を読んだアルが言う。

 え、と驚いたお姉さんは、


「そ、そうですよ。あなたたちじゃ話になりません。

 出直してらっしゃい!」


 開き直ったらしい。

 シルベアは


「立場の差を作るからこんなことになるのよ人間は。」


 と呟き、


「あなたじゃ話にならないわ。

 ギルド長を呼んできなさい」


 命令した。


「はぁぁぁ、てめぇみてえな小娘が入れる場所じゃないんだよっ、

 さっさとでてけぇっ。」


 うん、切れるよね誰でも、私も切れる。

 アルがそう思っているうちに騒ぎを聞きつけたか、奥から老人が出てきた。

 あ、あの人ギルド長か、と心を読んだアルは心の中でつぶやく。

 もっとも二人は口げんか中で気づかないが・・・


「ねぇ、ちょっと君たち。こんな時に何してるのかな?

 働きなよ。まぁそれが嫌なら僕の部屋きてやりな。ね?」


 ギルド長は二人にそう言い、次はアルの方に来て、


「ねぇねぇ、これどういう状況?教えて、ね。」


 と言ってきた。

 隠すこともないのですべて伝えたが。


「ちょっとアル、行くわよ。」


 老人の言葉を聞いたシルベアが奥に向かう。

 言うまでもなくシルベアは老人がギルド長だと察したらしい。

 受付のお姉さんは慌てて頭を下げている。


「ていうか奥に通すならお風呂に入れなさいよ」


 シルベアはギルド長に対しても強気である。

 だが、ギルド長も一筋縄ではいかないらしく、


「う~ん、それはちょっと無理かな~、

 でも、今回だけだけど僕を倒したら入れさせてあげてもいいよ。」


 なんというご都合主義。

 そして、ギルド長も脳筋であった。





まだ不定期更新続きそうです。

あと一週間したら毎日投稿に戻すのですいません

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