~3~
朝が来た。眩しい朝日が差し込んでくる。
「う、、、うぅぅぅうぅ、、もうちょっと、、、」
まだ寝ぼけている。今日はいろいろとあいさつ回りをしなければいけないのに。
「あ!やべ!忘れてた!」
飛び起きる。急いで着替えて廊下に出るとレイチェルが待っていた。
「あ、ようやく起きましたね。では、行きましょう。たくさんの方々に挨拶をしなければいけなにのですから。」
と優しく微笑んで言った。
「まずは皇太子様ですね。」
と歩いてるときに呟いた。偕成はいま気が付いたかのように
「レイチェルは王妃って言われたよね、、、ってことは」
と聞いてしまった。
「はい。私の夫になられる方です。」
と言ったもののレイチェルの表情はなんか暗く感じた。
「ん?どうし、、、いいや、気にしない。で、その皇太子さまはどこにいるの?」
歩きながら聞いた。
「国王様と同じ階におられます。」
「へぇ~」
つまらなそうに偕成は答える。そっからは会話が続かない。
気が付くと扉の前に立っていた。
「ここが皇太子さまがおられる部屋です。」
「ふ~ん」
またつまらなそうに答える。
「まぁいいか、行ってみよう。」
と扉を開ける。
「やぁ、君が御堂君だね。まぁまぁ、座りたまえ。」
なんか気に障る言い方だなと思いながら偕成とレイチェルは座る。
「この度、王国の軍師を務めさせていただく御堂偕成と申します。以後お見知りおきを。」
「ははは、よろしく頼むよ。御堂君。」
皇太子はあまり長居したくなかったから軽めに済ませようとする。
「では、これで失礼します。」
「あれ、もう行ってしまうのかい?」
「はい、これからまだまだやるべき事がたくさんあるので。」
なんとか、皇太子は終わった。
部屋を出ると早速愚痴をこぼす。
「はぁ、終わった。なんなのあの皇太子。俺、あいつマジ苦手だわ。」
「お疲れ様です。愚痴を言う前に次に行きましょう。」
と愚痴を遮られる。
「後は、内閣府の皆さんと、、、、、、」
なんかめちゃくちゃ名前が出てくる。
「え、、もしかしてそれ全部に行くの?」
「ええ。そうですが、、」
最初はやってやろうって意気込んでいた偕成もさすがにその量には萎えた。
あいさつ回りが一通り終わったときの偕成はもうヘトヘトだった。
「お疲れ様でした。明日は就任式ですね。寝坊しないようにお願いします。また、明日。」
「ははは、、気を付けるよ。また明日!」
部屋に戻ったとき偕成はものすごい眠気に襲われた。
「うぅ、、やべ、、ねむ、、、い、、こんなに体力なかっ、、たっけ、、」
そしてそのまま寝てしまった。
朝が来た。眩しい朝日が差し込んでくる。
「うう、、、あ、朝か。」
今日は就任式。正装に着替えて廊下に出る。するとレイチェルと国王がいた。
「おぉ~御堂君似合ってるよ~。」
「はい。とてもお似合いですよ、偕成。」
と褒めてくれた。
「あ、どうも。」
と照れ臭そうに頭を掻く。
「さぁて、行こうかのぉ。皆が待っておる。」
国王は広場の方に歩き出した。偕成たちも後を追った。
ラッパの音が響く。開会の合図なのだろう。そして昨日挨拶に行った皇太子が司会をする。
「式に入る前に我が国王からのお言葉をいただきます。」
「皆の衆、よく集まってくれた。これはこの国の未来を左右することである。今、我がバチコーネ王国は危機に瀕している。だが、今、この瞬間をもってその危機から脱出することをここに宣言する!」
国王がそう宣言をすると観衆は歓声をあげた。
「では、この危機を脱出するために呼んだ者がいる。その名は、御堂偕成だ。彼は名前こそ知られていないが凄腕の軍師だ。そしてその彼を正式にこの国の軍師として迎え入れる!」
また歓声があがった。
「彼、御堂偕成から一言いただきます。」
と司会の皇太子が式を進めた。
「あ、あぁ。え~っと、、御堂偕成です。これからこの国の、軍師をさせていただきます、、、、、、、え~っとまぁ、よろしくお願いします。」
なんとだらしがない挨拶なのだろうと思いつつも何とか喋る。
が、観衆は拍手を送ってくれた。なんと優しい国民なのだろう。
式の後、レイチェルは国王と歩いていた。
「お父さん、私、やっぱり、、、」
「やっぱりなんじゃ?」
「、、、、、いいえ、何でもありません。」
と言うと早足に行ってしまった。この頃レイチェルのようすがおかしい。御堂が来てからだ。レイチェルは偕成に好意を抱いてしまったのだろうと国王は推測する。
「だが、それはさせん。この戦争を有利に進めるために。」
と言いながら国王は不気味に笑っていた。
そのころの偕成は未だに広場にいた。いろいろとお話したりして。
「そろそろ、戻るので、では。」
と片づけて、自分の部屋に戻る。その途中、レイチェルが小走りにやってきた。
「ど、どうしたの?」
偕成は驚いて慌てる。こんなにうれしいシチュエーションはない。
「いいえ、何でもありません。ただ、偕成とお話がしたくて。」
と少し恥ずかしそうな表情で言うが偕成には見えない。
「おぉ?俺に好意を抱いちゃってるのかな~?女の子に求められたことないからわかんねぇな、、、」
とからかい半分で言う。
「そ、そんなことはありません!どうでもいいです。私には婚約者がいるのですから。」
少し顔を赤くしながらレイチェルは答えた。
「そう?そんなことがありそうな顔をしてらっしゃいますけど~?」
偕成とレイチェルの和気あいあいとした会話が廊下に響いていた。
明日にあんな事が起きるなんてこの二人が予想できるはずがなかった。
というわけでようやく三話になりました!yamachannです!
また、この「ライフ イン ザ ゲーム」を読んでいただきありがとうございます。
実際にこれを書いているのは2月4日なんですがww
これが投稿されている時は僕は受験の1週間前ですww
なので書き溜めをしようと思ってね☆
これからもよろしくお願いします!