第1章~1~
「たす、、け、、、、て、、、」
脳内に響く謎の声。聞いたこともない誰かの声。助けを求めるかすかな声。
「お、、ねが、、い、、たすけ、、、て、、」
その瞬間、声の主はある男を呼び出した。
「早く起きなさい!何時だと思ってるの!今日は学校行かないの?」
「行かねぇよ!」
吐き捨てるように言い放ったのは、高校2年の引きこもりだ。いつもは自分の部屋でネットのオンラインゲームをやってる。やってるのはいわゆる『戦争シュミレーションゲーム』。結構強くてネットでは、意外に有名人。猫太郎の愛称で親しまれている。
今日はその『戦争シュミレーションゲーム』のイベントがある。そのために学校を休む、というわけではない。イベントは事実なのだが、学校に行かない理由はもっと他にある。一度めんどくさいと思って休んだら行く気がなくなった。ただそれだけ。
「さぁて、そろそろ行きますか。」
重い腰を上げて自分の部屋を出ていく。交通費とグッツを買うお金をもって、帽子をかぶり、ジャージを着て。
「うわっ、やはり引きこもりにはきついな。」
そんなことを言いながら太陽を掌で隠す。ここ数日、まったく日の光を浴びてない彼にとって日の光は相当厳しい。
そんなことを思ってると段々と日の光に目が慣れてきた。慣れてきた目であたりを見渡す。するとここが『戦争シュミレーションゲーム』の中だということに気が付く。
「おい、、、嘘だろ、、」彼はひとりでに呟いた。するとそこに
「お待ちしておりました。あなた様が猫太郎様でいらっしゃいますね」と清楚な女の子がやってきた。
「そうだけど、なんで俺のハンドルネームを知ってんの?」
「ここがあなたが先ほどまでプレイされていた『戦争シュミレーションゲーム』の中だからです。」
「え」
彼は驚いた風に口を開けている。
「あ、ちなみにあなた様がこの世界に来ていることを知っているのは私とあなた様だけです。」
「ち、ちょっと待った、タンマ、タンマ!状況の理解が追い付かないんですけど」
この数日勉強という勉強をしていない彼は頭がオーバーヒートしそうだった。
「では端的にご説明させていただきます。猫太郎様」
「あ、俺の本名は御堂 偕成だよ。偕成って呼んでくれ。えっと、、君は、、、」
偕成が思い出す前に彼女は
「私はレイチェル・スカーレットです。レイチェルとお呼びください。」
偕成は彼女の口から名前を聞くまで思い出せなかった。
「レ、レイチェルね、よろしく」
「はい、よろしくお願いします。では、状況説明に戻しましょう。まず、なぜあなたは呼び出されたかといいますと私の無二の友人のボルバル・エグゾディアがこの間の戦で亡くなりました。彼は偕成様と瓜二つでした。また、彼は不思議な力持っていました。もしかすると、ネットで有名なあなたを最後の力を振り絞って呼び出したのかもしれません。」
そこから延々とこの国のことなどを話した。
「全部はわかんないけど、とりあえず、その、エグゾディアってやつが死んだときに俺が転生し、今に至るってわけだな」
偕成はなんとなくだが状況を理解した。
「偕成様にはまず、王国の中に入っていただいて国王と対談していただきます。」
「了解!この国を俺の力で救ってやる!」
偕成は承諾してしまった。しかし、もう後戻りはできないと自分に言い聞かせながら王国へ向かった。
ここからゲームの世界が待っているのだ。
読んでいただきありがとうございます!yamachanです!はじめまして!
初投稿なんでちょっと緊張しています。まぁ、ゆっくりのんびり投稿しようと思っています。
今後ともよろしくお願いします。この作品もよろしくお願いします。