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遙かなる絆-ランナー第5回●「ロードランナー」として有名なヘルム・リッカートはムーン=ウェイの中を走るシャトルトレインに乗り込む。テロリストハンター、サムナーは妨害のため乗り遅れる。

遙かなる絆-ランナー第5回●

地球防衛機構(EDO)シリーズ

飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube


第5回


地球の南極空港ステーション空港ロビーで、皆がサイボーグ、ヘルム・リッカートの顔を見ている。


ヘルムの方を見なから、話しあっている人々もいる。彼は有名人であった。


ヘルムは「ロードランナー」の第一人者である。


 空港ロビーの雑踏の中で彼は座って考えていた。ここは地球の南極空港ステーション。


今、まさに、ルナ=シティ行きの『シャトルα』が出発しようとしていた。


 ヘルムは過去を思い出している。


自分が、何故ロードランナーになったのか。他に方法はなかったのだろうか、あの時は金が欲しかったのだ。


ヘルムはそう自分を納得させようとしていた。


 サイボーグ手術には、莫大な金が必要だった。


彼の両親はサイボーグ公社との契約書にサインをした。


 その契約書には、サイボーグ手術の代償に、五年間公社の命ずるがままに働くように書かれていた。


さらに加えて、彼は「ロードランナー」として一定の成績をも上げなければならなかった。


 次々と開催される、昔のマラソンに相当するロードゲームで彼は走り続けた。


オーストラリアー周レース、南極大陸レース、赤道レース。


彼は勝ち続けた。


勝利の女神がまるで彼に取り付いたかのようであった。


チューブとも言われる「ムーン・ウェイ」は、地球から月へのびる、三十八万キロという長くて柔らかい管と考えていいだろう。


 20世紀後半に盛んだった地下トンネル開削技術が応用されている。


 地球と月との間に、何百もの静止衛星(中継ステーション)を浮かべ、その間を管がつながっているの

である。


南極空港の出発点から、月のメースチングクレーターの出口まで、数億の管がジョイントされている。


この管の一つ一つを、ユニットと呼ぶ。


ユニットは伸縮性のあるPER製の外皮に被われていて、二重リングがその中に含まれている。


第一のリングは地球の自転に合わせ、回転し、第二のリングは月の公転に合わせて回転する。


 ユニットを輪切りにすれば、ほとんど地下トンネル構造とかわりはない。


 真中に情報ケーブルがあり、その上下に各々、月行きと、地球行きのシャトルトレイン軌道が通って

いる。


そのまわりを作業回路が包んでいる。その外側には前述のリングがあり、一番外側はPER製の外皮で覆われている。


 このムーンーウェイの基本アイデアは、一九七〇年代に日本の科学ジャーナリスト、草下英明氏によっ

て発表されていた。


 新燃料鉱物、「エルフ13」が月で発見されたことにより、このアイデアは実現化されることになったのだ。


 ムーン=ウェイの中を、シャトルトレインが走り、月から「エルフ13」が大量に地球に流れこんでいた。


 シャトルトレインは、マッハ7でムーンウェイ内を爆走する。超電荷力推進である。


 このウェイによって、200時間で人類は月に行き来できるようになった。


それこそ長い列車旅行をするような感覚で、月へ行けるようになったのだ。




片目のジャック、ことテロリストハンター、サムナーの乗り込んだエア・カーが、南極空港に到着到若した時、


すでに『シャトルα』は213名の乗客を乗せて出発したあとだった。


プランクトン=シティからここ南極空港まで「死の天使」の執拗な防害工作が続いたからだった。


(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

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