表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/19

遙かなる絆-ランナー第13回ムーンウェイを爆走中の2人マコトとヘルムの前に、EDOー地球防衛機構長官オットーの声が響く。おとなしくマコトを渡せと。

遙かなる絆-ランナー第13回

地球防衛機構(EDO)シリーズ

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube



■ランナー第13回


数日が経過していた。


地球は。死の天使(フイダイの暴動のおかげて、各地で火が燃えあかっている。


 ロードランナー、ヘルムといえば、マコトを背負って高速度に近い自らの足で、

月へと驀進していた。


がエネルギーか不足し始めている。


地球防衛機構(EDO)テロリストハンター、 サムナーは、ムーン=ウェイの

外壁にぷらさがって数日たっている。


作業ポッドからはい出したのだ。


 サムナーの前を、宇宙艇が月へ向かって進んでいくのがみえる。


 サムナーの体からは、救難信号が発されている。


 船は気づき、サムナーの方へ近づいてくる。


 マニュビレーターにより、サムナーの体は艇内へ運びこまれる。


 この艇は、地球連邦軍のものだ。


サムナーの様子を見に来た男は地球連邦軍技術将校の制服をつけている。


「何だ、貴様、サイボーグか。ムーン=ウェイにぶらさがっているとは、きさまは何者だ。

作業ロボットではあるまい」


 「EDO(地球防衛機構)の者だ」


 サムナーは割れた声で言った。


「EDOの者が外壁で、何をしていた」


「それに答える必要はあるまい。軍とEDOとは別組織だからな」


「何! それが助けてもらった者に対する言葉か」


「助けてくれとお願いしたわけではない」


「このくされサイボーグめ」


 将校は、サイボーグ公社ナンバーを調べるために、乱暴にサムナーの体にさわろうとした。


 「ぐわっ」


 サムナーの体は再び、白熱していた。


衝撃で将校の体は吹きとばされる。


 「どうした」


船の操縦席からあわただしく男が走ってくる。


 サムナーの体はまだ、動けない。


男は、倒れている将校を見て、レイガンを引き抜こうとする。


サムナーの体から超電磁波が流れ出す。


その体は瞬時に黒コゲとなった。


サムナーはほくそえみ、独りごちた。


「ふふ、どうやら、この艇は俺のものになったようだな。それにこの艇は月のメースティングクレーターヘ向かかっているらしい。先に行っているぞ、ヘルム、マコト」


二人の名前を呼んだ。


 Z89は、軌道内の清掃を目的として作られたロボットだった。


軌道内に異物があった場合、シャトルトレインを危険にさらす事になる。


Z89は異物除去に必要な装置を持っていた。


 Z89のセンサーは異物の存在を先程からとらえていた。


これ程大きい異物はZ89にとっても初めてであった。


おまけにそいつらは生体反応かあるのだ。


このような場合、通常Z89は中継ステーションに連絡を取るのだが、


先刻からステーションとは通信がとれなくなっていた。


Z89にとって初めての試練であった。自分で判新しなければならない。


過去のデータからして破壊、もしくは除去すべきであろう。


こうZ89は類推した。


 マコトとヘルムは巨大な機械が目の前に現われたのに驚いていた。


マコトはこの機械に交信しようと試みた。が、機械はマコトのテレパシーには


まったく反応しない。おまけに敵意が感じられるのだ。危険だ。


 「逃げろ、ヘルム、あいつは軌道内部から、僕達を除去するつもりだ」


 Z89は、その四肢をのばし、全軌道をふさぐ大きさに拡大して、二人の行く手を塞いだ。

 ヘルムの足は、瞬間停止ができなかった。


加えてマコトのテレポートも一瞬、遅れた。


 ヘルムはマコトを背負ったまま、軌道内でZ89に激突する。


ヘルムとZ89の体は共に、激しいショックを受け、反動で吹き飛ぶ。


マコドは軌道に倒れた時、Z89の体内エネルギー構造を読み取っていた。


 まだ、ショックで倒れたままの傍らのヘルムに言った。


 「喜んでと、ヘルム。このロボットのエネルギーは、君の体に適応するよ」


軌道最後のユニットだった。


これを走り抜ければ、あとはメースチングクレーターの出口なのだ。


 その時、重々しい声が上から響いてきた。


 「ヘルム君、聞いているかね、私はEDO長官オットーだ。


ごくろうだった。君は驚嘆すべき男だ。我々は偵察衛星をつかい、君たちめ行動をずっとモニターしていた。

さて、今、君がいるこの最後のユtニットの外壁の表面に核融合剤が付着されている。


我々がスイッチをおせば、ユニットもろとも君たちは噴き飛ぶ。」


EDO長官オットーはしばらく黙り、やがて口を開く。


「しかし、ものは相談だ。ヘルム君に提案しよう。おとなしくマコトを我々に渡したまえ、そうすれば君は生きてこのムーン=ウェイから出れる。


恐らく、君がこのムーンウェイを走破したということは

長く記録に残り、世界は君にすばらしい特典を与えることだろう」


 「話にならないな。


EDOか何か知らないが、いいか、俺はロードランナーだ。走ることそれ自体が俺の名誉なのだ。


そして俺はこのロードランナーになった瞬間から、あらゆる権力という代物と戦ってきたのだ。


いまさら妥協などできない。たとえ、爆死しようと最後まで走り続ける。それが俺のーロードランナーとしての誇りなのだ」


(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ