04話 新たなスキル
色々あって投稿が遅くなりました。すみません。
朝、目が覚めると隣にユーカが寝ていた。寝顔もとても可愛くずっと見つめていたくなるほどだ。だがそれはいつものことなので今は置いとくとしよう。問題なのは俺に抱きつきながら『グヘヘ、グヘヘ、ジュルリ』などと言っていることだ。いったいどんな夢を見ているのだろうか?と疑問に思いながら寝返りをうった。その時、頭に声が響いてきた。
【更新ガ終了シマシタ。スキル《落雷誘導》《思考伝達》を獲得シマシタ】
どうやら昨日死んだように眠ったのは疲れだけではなく更新をしていたからのようだ。しかし更新するたびに長時間の睡眠を必要とするのは少し厄介だな。どうにかならないのだろうか。
【スキルポイント15デ、スキル《更新不要》ヲ獲得デキマス。15ポイントヲ消費シテ獲得シマスカ?現在ノスキルポイントハ22デス。YES or NO】
スキルポイントのを3/4消費するが問題ないな。俺はすぐに結論を出しYESと答えた。
【スキル《更新不要》ヲ獲得シマシタ】
なんか簡単にスキルを獲得できた。ならあれも獲得できるのではないだろうか。ゲームや異世界転生ものでよく見るあれが、そう何かと便利な鑑定というスキルが。
【スキルポイント5デ、スキル《鑑定》ヲ獲得デキマス。5ポイントヲ消費シテ獲得シマスカ?現在ノスキルポイントハ7デス。YES or NO】
やはり獲得できるようだ。答えは勿論YESだ。
【スキル《鑑定》ヲ獲得シマシタ】
鑑定を獲得したことだし自分を鑑定してみようか。
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名前: 本郷渚
種族: 人間
配下: 雷狼
HP: 1600/1600
MP: 50/50
攻撃力: 1000
防御力: 450
敏捷性: 400
幸運度: 100
スキル:《近接戦闘師範代》《落雷誘導》《思念伝達》《更新不要》《鑑定》
称号:《新米冒険者》《絶世の美女》
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うむ、俺のステータスはこんな感じらしい。《近接戦闘師範代》はユーカの改変によって獲得したのだろう。比較対象が無いのでこの数値が高いのか低いのかは分からない。ユーカ達の事も鑑定することができるのだろうかと考えてスキルを発動してみたらステータスを見ることが出来た。
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名前: ユーカ・ランゲンフェルト
種族: 天使(智天使)
HP: 700/700
MP: 6500/6500
攻撃力: 80
防御力: 120
敏捷性: 100
幸運度: 500
スキル: 《智天使の祝福》
称号: 《百合姫》《新米冒険者》
魔法:《消滅魔法》《安らかなる死》《???》・・・《???》
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ユーカのステータスを見てみると種族が智天使になっていた。
智天使って確か熾天使に次いで序列2位だったよな。『智』天使って言うくらいだから叡智に富んでるんじゃないの?普段の様子からは全く想像できないけど…
MPが物凄く高いのは種族から来るものだろうか?魔法は一度見たことがあるのしか公開されないようだ。いったいいくつ魔法が使えるのだろうか。
それよりも称号の《百合姫》ってなんだよ。ゆる◯りとかが連載されてる雑誌ののとなの?とかって最初思ったじゃん。てか百合ってことはさっきのユーカの寝言もそういう類のものなのではないだろうか二次元の百合は個人的にはアリだ。だがリアルでも同じかと言われればそうではない…筈だ…多分。
そんことを思っていると隣でユーカが寝言で『渚さんそんなところ触っちゃだめですよぉ〜♡ そっちがその気なら私だって渚さんの女の子な部分をイジメちゃいますよぉ♡ ムニャムニャ』なんて言っている。
あぁ、これはガチのやつだ。今までは襲わないように気をつけようだったのが今日からは襲われないようにに変わった。いや、やっぱりちょっとくらいは襲われてもいいかな。据え膳食わぬはなんとやらだ。使い方を間違っている上に食べられるのは俺だな。と考えているとトントンとドアをノックする音が聞こえてきた。やってきたのはイオリだった。
「渚様、おはようございます。朝食の準備が整ったそうなのでお呼びに参りました。私の顔に何か付いていますか?そ、そんなに見つめられると照れます。(///ω///)」
と言って顔を赤らめて恥じらっている。やっぱり恥じらってる女の子って可愛いね。ずっと見つめていたいくらい可愛いが今イオリを見つめていたのはステータスを見るためだったんだけどね。
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名前: 伊織
種族: 雷狼
HP: 900/900
MP: 80/80
攻撃力: 500
防御力: 250
敏捷性: 500
幸運度: 150
スキル: 《落雷誘導》《思念伝達》《人化の術》
称号: 《名前持ち》
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イオリのステータスはこのような感じらしい。確か群れるとAランクの冒険者でも手に負えなくなるが単騎の雷狼はCランクの冒険者4人パーティで難なく倒せるレベルで魔物の危険度はC−程度だろうか。しかし、イオリは他の雷狼よりも圧倒的に力を持っているのでB+程度だろうか。そう考えるとやはり俺はそれなりに強いのだろう。そこまで考えてイオリを見ると顔は熟れたトマトの様に真っ赤で俯いていた。第一印象はしっかりしたお姉さんだったのだが実際は違ったらしい。でもこれはこれで良い。俺はユーカを起こして朝食に向かった。
朝食はクロワッサンにカフェオレといったフランス風の朝食だった。この世界では小麦は貴重品なので最高のおもてなしだろう。実際フランスでもこのような朝食をとるのは特別な日だけらしいしね。朝食を食べながらソウエンとハグロのステータスを確認したがイオリと大した差は無かった。
朝食を食べ終わると俺はベンスンを呼び出して先日の商談の続きを行った。狼車の運賃を決めるのに通貨の価値を知らなければ決められないのでそこから聴こうか。
「まず初めに通貨の価値を教えてくれないかな」
というとベンスンがすぐに答えてくれた。
「貨幣は10金硬貨、1金硬貨、10銀硬貨、5銀硬貨、1銀硬貨、50銅硬貨、10銅硬貨、1銅硬貨というように細かく分類されていて、1金貨1枚=1銀貨20枚、1銀貨1枚=1銅貨100枚、10金貨硬貨1枚=1金貨硬貨10枚、10銀硬貨1枚=5銀硬貨2枚=1銀硬貨10枚、50銅硬貨1枚=10銅硬貨5枚=1銅硬貨50枚という具合になってます。ちなみにりんご1個が銅貨2枚くらいです」
りんごが1個が100円と考えると銅貨1枚が50円、銀貨1枚が5000円、金貨1枚が10万円になる計算だ。ということは竜車の運賃は日本円で1万2000円くらいか。
「竜車の価格の相場ってどのくらいですか?」
「そうですね、車の内装や移動距離によって変わりますが通常は銀貨4枚くらいですかね」
銀貨4枚…つまり日本円で2万円くらいか。
「狼車は竜車の倍以上の速度が出るので少なくとも銀貨6枚は欲しいですね。ですが値段が高い上に信用がないので乗り合いと思う人はなかなかいないと思われます。なので2ヶ月くらいは銀貨2枚程度で様子を見たいと思うのですがどうでしょうか?それと御者はソウエンにさせたいと思ってます」
「運賃の最低価格は銀貨8枚でも問題ないと思います。それと2ヶ月のお試しキャンペーンはいい考えだと思います。御者は私では力不足だと思っていましたのでソウエンさんにやっていただけると助かります」
「車の方は高級車両を1台、通常車両を4台を購入したいのですがどのくらいお金はかかるでしょうか?」
「恐らく高級車両は金貨100〜120枚、通常車両は4台で金貨50〜60枚程でしょうかね?」
それを聞くと俺は黙ってユーカの方を見た。言いたいことは簡単だ。つまり『金貨200枚出せる?』ということだ。俺の表情を見て言いたいことを察したようで
「それくらいなら問題ありませんね」
と言った。その後も細かい打ち合わせをして、案はまとまった。俺達は先ずビンネンベルグに向かい車の発注をして、クエストを受注したギルドがあるまち街ーーシュタットアンファングーーにクエスト達成を報告しに行くことにした。