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痴漢冤罪、そして女の子になり転生。

 起伏のない平凡な人生。


 そこそこの有名大学を卒業してそこそこの企業に就職し、平均より少し多いくらいの収入を得て生活している。

 趣味はアニメ鑑賞で特技は切り絵。休日は部屋から全く出ず自堕落な生活を送っている。

 現在27歳。ここ2年間は彼女もいない。

 背丈は180cm後半で、顔だってある程度整っている。モテないわけではない。いや寧ろ休日の生活を知られていなければモテるのだ。


 なぜそんなことを考えていたかというとほらアレだよ、もうすぐキリスト様の生誕祭だからって街全体にリア充どもが跋扈しているからだ。リア充共fuck you!


 そんなことを考えながら電車に乗っていた時こちらに背を向けた女子高生が振り向きざまに

「この人痴漢です!!」

と痴漢の疑いを掛けてきやがった。

 俺は周りにいたおっさん達に逃亡出来ないように掴まれたまま最寄駅の駅員に引き渡された。


「俺はやってない。これは間違いだ」


 俺は騒ぎ立てたが駅員は聞く耳を持たない。

 次第に野次馬たちが集まり始め、運の悪いことに偶然その場に居合わせたマスコミ連中までいたのだ。

 マスコミ連中は写真を撮り始めなのだ。

「取り敢えず場所を移動しましょう。ここだと他のお客様のご迷惑になってしまいますし貴方様も見世物になるのは嫌でしょう?なので事務室の方でお話を聞かせてください」

 そう言われてしまっては従うしかあるまい。


 事務所に着いてから数十分後に鉄道警察がやって来た。

「やぁ、儂は鉄道警察の横田よこたへいだ。で、おたく名前は?痴漢やったの?」


 いきなりこんな事を聴き始めた。横田の態度に少しイラっとしたが早く解放されたいので従うことにした。


本郷ほんごうなぎさです。痴漢はやってません。あぁ、それと職場に連絡してもいいですか?」

「ダメに決まってるだろう。職場に連絡を入れて口裏を合わせられたらたまったものじゃないから。」

「でしたらそちらから連絡を入れてもらっても構わないでしょうか?」

「まぁそれなら良いだろう。で、何処なんだね」


なんなんだこのふてぶてしい態度は。名は体を表すというがそれは本当なのかもしれないな。だって横田柄を略すと横柄になるし。などど内心でぼやく俺。


「都内にある〇〇って会社です」

「うむ、後で連絡しておこう。で本題だが痴漢をしたのかね?まぁ、ぶっちゃけ目撃者も多数いるんだ。このまま裁判をやったとしてもかなりの確率で有罪判決が出て勝ち目はないと思うぞ。だからとっとと被害者と示談を成立させてしまったほうがいいだろう。そうすれば君の名誉も守られるだろう」


 こいつは俺が痴漢の犯人だと確信しているのだろう。そういった態度にさらに腹が立ったが我慢して素直に答えた。

「つまりそれはお金で解決しろってことですよね。嫌ですよそんなの。やってもいないのに名誉を傷つけられて、その上お金を取られるなんて。俺は絶対に認めませんからね」


 そうして数時間に及ぶ取り調べが終了し、家に帰ろうとしたら

「ちょっと待ちたまえ。何処に行くんだ」

「家に帰るんですけど?だってこれって任意同行みたいなものですよね?」

「何を言ってるんだ。この事務所に入った時点で現行犯逮捕されたようなものなんだ。だからこれからお前が行くのは自宅ではなく留置所だ」

 駅員に騙された、俺はそう思った。

 だがそれには逆らえないようなので渋々泣きべそをかきながら留置所に勾留された。


 そして、俺の身柄は検察官に引き渡された。

 次の日も、また次の日も取り調べを受けるのかと思ったがそうではないようだった。取り調べは勾留満期の3日前におこなわれただけだった。

 俺の不運はまだまだ続いた。なんでも被害者が超有名セレブの娘だったとかで連日マスコミに取り上げられていているのだ。そして、俺は実名で報道された。

 その後職場からの通達があり、俺は解雇されたのだった。

終わった、俺の人生終わったよ。

 もう無理だよ。職場には戻れないし、知人からは白い目で見られるだろうし、生きる価値もないし、生きていける気力もないし、もう死にたい。

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい


ーーねぇ、本当に死にたいの?ーー


「あぁ、死にたいさ。死ねるなら今すぐにでもな」


ーー承りました。じゃー死んでください。ーー


 すると突如稲妻が迸り俺の人生は幕を閉じた。





 気がつくとそこは見慣れない部屋だった。

「俺は死んだんじゃなかったのか?」

「目が覚めましたか?」


 声がする方に目を向けるとそこには巨乳で黒髪ロングのツインテ美少女がいた。


「な、なぁ、何で俺は生きてるんだよ。俺は死んだんじゃなかったのかよ。つーかここは何処だ、お前は誰なんだ」

「では一つづつ答えさせて頂きます。先ず、貴方は死にました。そして、ここは死後の世界の一歩手前です。私は此処で死者を転生させることを生業にしている天使のユーカ・ランゲンフェルトと申します。因みに貴方を殺したのは私ですよ」

「じゃーあれか、あの時聞こえてきたのはお前の声か?んで、俺を救ってくれたって事でいいのか?」

「ですです。あの状況はさすがに可哀想だったので別の世界に転生してあげようかなって思いましてお声をかけさせていただきました。因みに貴方の転生先は人類だけでなく魔物がいたり魔王がいたりする剣と魔法でのし上がれる世界となっています。それと私はお前じゃなくて『ユーカ・ランゲンフェルト』って名前があるって言いましたよね。気軽にユーカって読んで下さいね」

「これからすぐに俺は一人で異世界に転生されるのか?こんな装備も何もない状況で生きて行けるわけがないだろう」

「誰も貴方一人で行かせるなんて言ってないじゃないですかぁ。私も一緒に行くので安心してください」

「ユーカの仕事はどうすんだよ。仕事をさぼって行くのか?そもそも俺に付い来ていいのかよ」

「その心配は要りませんよ。天使と言うのは誕生してから100年間の奉仕をすればその後は自由になるんです。そして今日がその最終日なんですよ。つまり明日からは自由なのですフリーダムです。私昔から決めてたんですよ、私が担当する最後の人の転生先についていくって」

「そーか、それは心強いな。これから宜しくなユーカ。それとひとつお願いしてもいいか?」

「ある程度ならば聞いてあげられますがなんでしょうか?」


それはなんで俺が死にたいと思ったかを考えれば簡単に分かることだろう。そう、それは


「俺を女の子にしてくれ‼︎‼︎」


俺がそう言うとユーカはキョトンとしていた。


「り、理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

「だって女の子になれば痴漢の冤罪に合わなくて済むじゃん‼︎‼︎‼︎」


 心からの叫びだった。それをユーカが聞くと


「別に女の子だからって痴漢の冤罪に合わないわけではないんですけど…まぁはい、良いでしょう。それじゃあ行きますよ」


 こうして俺は剣と魔法の世界に転生したのであった。

初めて投稿させていただきました。汐音宮凪と申します。とても拙い文章で申し訳ありません。どういう風に改善すれば良いかなど思った点があれば言っていただけると嬉しいです。

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