現代詩 希望という名の君を見続けて
希望という君を見つめて
ぼくはもう六十年余りなる
正直疲れた
君も最近はぼくに見つめられ続けて
疲れた表情をしている
昔はもっと輝いていたし
みずみずしかった
君はいくら歳を取っても
太陽のように光り輝いていると
思っていたし
疲れを知らぬ
鋼鉄のマラソンランナーのように
快眠 快食 快便し
休息を取りながら
快調に走っていると思っていた
ところが
ぼくが疲れたように
君も疲れが見えてきた
ぼくの氷の眼で見つめられ続けて
流石の君も冷たくなり始めた
君が冷え切って凍えて氷になってしまえば
ぼくだって氷になってしまう
せめて君は太陽の温度
いや太陽の温度と行かないまでも
鉄を溶かす溶鉱炉の温度くらいで
留まっていて欲しい
出なければぼくは凍えてしまう
君の温度が高ければ高いほど
ぼくも高く舞い上がり
翼を広げて空を飛び回れるから