プロローグ 人類と悪魔とドラゴン
遥か昔より、この世界には三つの種族が存在していた。
知恵の力を司る、人類
肉体の力を司る、ドラゴン
そして、
精神の力を司る、悪魔
この三つの種族は、数千年の長きにわたり対立を繰り返してきた。
大きな戦争が幾度となく起き、多くの命が戦場に散っていった。
しかし、その対立も今から500年前の戦争が終わるとともに消失した。
俗に言う《審判の決戦》で知恵の力をもつ人類が完全勝利を収めこの対立の歴史に終止符を打ったからだ。
人類は、力だけでは他の種族大きく劣っていた。
その、人類が500年前の戦争に勝てた理由は、大きく分けて3つある。
1つ目は、種族の数の多さである。
戦争前の、各種族の比率は、7:1:2で人類が最も多くドラゴンが最も少なかった。
2つ目、知恵の力を使い、兵器開発を大きく進歩させたこと。
そして、戦争に勝利した一番の要因。
それが3つ目、勇者と魔法使いと呼ばれる人類の出現である。
勇者、それはドラゴンを倒す力を持つもの。
心の強さを、身体の強さに変えることができる。
より強い 思い は強靭な肉体と、驚異的なパワーを授ける。
そして、勇者の手にした刃は、白い光を帯び悪しき物を必ず打ち砕く。
魔法使い、それは悪魔を倒す力を持つもの。
神秘の力、魔法を操ることができる。
術者の杖から放たれる魔法は数千にのぼり、その全てを知る者はいない。
この、特別な力を持つものたちが、どこから現れたのか、いつからこの世界に存在していたのか、詳しい事は分かっていない。
それでも、言えることはある。
それは、人類がこの2つの力のおかげで今、進歩を続けているということ。
この2つの力がなければ、今この世界を支配していたのが、違う種族になっていたかもしれないということである。