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ヒマワリの  作者: ユメキ
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20字改行

 式場へ入ると、泣き声がいくつも聞こえて

くる。お経とか色々な事は終わり、今は花を

棺桶に入れるところ。何とか間に合った。由

希のそばまで行くと、おばさんが私に気づい

た様で、横に来る。写真を花と一緒に何枚か

入れても平気かと聞くと、どうぞ、と泣いて

しまいそうだけど優しい声で言った。由希は

真っ白な百合の花に囲まれて眠っている。顔

もても着ているものも全てが白くて、そこだ

けは雪がかかっている様に見える。四枚。今

日撮った写真を丁寧に並べて入れる。赤や黄

色の紅葉たちは白に囲まれた中で確かな存在

感を出している。もう一枚、サイフの中から

名刺サイズの写真を取り出す。ヒマワリの中

の、私達。それを由希の顔の左側に置く。写

真の中の笑っている由希と目の前の無表情な

由希の顔は対照的で、悲しくなる。つー。由

希の頬に一筋、涙が流れる。ポタッ。つー。

ポタッ。ポタッ。由希の顔にいくつも落ち、

流れる私の涙。由希の顔が霞む。ぼやける。

由希の顔を見たい、涙と止めたいと思うのに

止まらない。どんどん沢山いっぱい溢れてく

る涙。口に入る。しょっぱい。悲しくて寂し

くてつらい。でも、あたたかい。抑えられな

い、声と涙。もう止まらない、思い。由希、

今までアリガトウ。私は楽しかった。幸せだ

ったよ。由希もそうだったら嬉しいな。

「由希、バイバイ・・・。」

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