髪
ここからサイコスリラーです。
タケシの冗談めいた言葉に耳を傾けることなく、ユカは淡々と語り始めた。彼女は、目を閉じ、まるで目の前でその光景を見ているかのように、静かに、しかし、はっきりと話し続けた。
「髪の綺麗な女の人が、マッチングアプリで知り合った男と会うことになったの。何度かデートを重ねて、ある夜、男の部屋に行った。関係を持った後、女は男を殺し、体をバラバラにして捨てた。それから、その子の消息は途絶えたの」
ユカの言葉に、広間に集まっていたメンバーたちの顔から、笑顔が消えた。誰もが、今いる場所の不気味さと、ユカの猟奇的な話が重なり合い、冷や汗をかいていた。
タケシは、震える声で尋ねた。
「それ…まさか、ユカさんの話じゃないですよね?」
ユカはゆっくりと目を開き、タケシをまっすぐに見つめると、その口元に冷たい笑みを浮かべた。
タケシは、ユカの猟奇的な話に冷や汗をかきながらも、無理に笑顔を作った。
「怖っ! なんかリアルな話って、心霊よりも怖いっすね」
彼は、その場の緊張を和らげようと、わざと明るい声でユカに問いかける。
「それで、一つ疑問なんですけど…なんで、その女の子、男を殺しちゃったんですか?」
その言葉を聞いた瞬間、ユカの様子が一変した。彼女の顔はゆがみ、瞳孔は開き、まるで何かに取り憑かれたかのように震え始めた。
「どうしてって…それは、それはね!」
ユカは何かを思い出したかのように、次第に声が大きくなる。
「あの、あのクソ男が! クソやろうが!」
彼女の絶叫が、埃まみれの廃病院に響き渡る。
「あたしの、あたしのこの綺麗な髪を見てね……
貞子って言いやがったんだよ!!」
言い終わると同時に、ユカはトートバッグから大きな包丁を取り出した。
月明かりに鈍く光る刃が、タケシの首に切りつけられる。大量の血が噴き出し、タケシが床に倒れる。
他のメンバーたちは、声も出せずに立ち尽くしていた。
怖いですね〜
怖いですね〜
恐ろしですね〜
怖いと思ったら星ください!
この先地獄です。




