体力測定
寮に戻ってから暫くして、談話室で1人のんびりしていると再度クラスメイトの女子らに囲まれる。
至ってシンプルにあの時に告白されたかだ。
無論、それは無かったと理美は言うが好きな人は違うのかと逆に質問攻めに遭うも、ゼフォウが騒ぎに気付いてくれたのか割って入り、すぐに鎮静化した為、ホッとしたが、ゼフォウから厳重注意を受けてしまう。
「もう、そういう時は俺を通してからにして! 他の子達から見たら目の敵みたいになるんだから!」
流石に謝罪をし、理美は一旦部屋へと戻って、夕飯時にでも冬美也に軽率だったと謝罪しようと思った。
「……ごめん」
立ち上がって去ろうとした時、そっとゼフォウが誰にも聞かれない、理美しか聞こえない声で言う。
「良いよー、でも俺からも言わせて、あの時聞こえてたらで良いから、返事教えて」
理美は聞き返そうとしたが、もうゼフォウは自身のクラスメイトと仲良くなって盛り上がる。
しかも意外にも男子生徒とも仲が良くなっていた。
内心強いと呟きながら、部屋に戻って、扉を閉めたと同時に一気に項垂れる。
「ふぁぁぁぁぁぁぁ! そういえばそうだったぁっぁ‼︎」
そうあの時、ゼフォウがギバドロス一家に行く瞬間、自分に言ったのだ。
好きと――……。
だが、もう約5年も過ぎていて、しかも何も気にせず冬美也と一緒にいる。
とても気まずい、凄く気まずい。
そんな事も知らない桜夜は自身のベッドで漫画を読んでいて、いきなりの声に驚き顔を出す。
「何どうしたんリミミん⁉︎」
「桜夜、そのあだ名あと何パートリーあるの?」
「いや、思いついた時に言ってるから」
あだ名を止めるよう言いつつ、ゼフォウの名前を言わずに昔告白された時の話を凄い大雑把に教える。
「やめてそれ、ちょっと色々あって、そういえば昔に告白受けてたけど、こっちもその気は無かったし断る前にあっちが消えてたんで忘れてた」
「うぉぉぉ誰々⁉︎ もしや、か――」
興奮する桜夜だったが、もしや昔告白したのは冬美也ではと勘繰るのですぐに否定。
「違う、冬美也じゃない」
「えぇぇ誰々? 教えてよ」
名前出すと色々面倒な気もするので絶対言わない。
「やだ、話しそう」
「ぬぐぐぐぐ、否定出来ない!」
『否定出来ないのかい』
話す気あったのかと疑った。
「でも、再会した相手って事でオケ?」
「誘導尋問、でも確かにそうかも」
嫌がりつつも適当にあしらって夕食の時間に合わせて準備を始めようとした時だ。
「……フィンパイセン」
ビクッと体が動く。
流石に理美の知り合いが美空を除けばあの2人だけ、しかも冬美也ではないと言えばもうゼフォウしかいない。
「あの人、人たらしで有名だって先輩達言ってたよ?」
今まで見てきて確かにその通り過ぎて納得しかないし、約5年の間にこうなると誰が想像しただろうか。
「あそこまで人たらしになるとは思っても見なかった」
「それより、また夕食一緒に食べるんでしょ? 大丈夫?」
「……あふぅぅぅ」
『面白い、萎み方するなぁ』
スマホにloinが入り、理美は驚く。
「うぉう⁉︎ 冬美也からloinだ!」
桜夜からすれば、良い加減くっつけよと言いたげな顔で聞くも、やはり一緒に食べたかったんだろう。
「なんだって?」
「これからご飯一緒に食べよって」
「そうか、我々も行くぜ!」
ベッドから華麗に飛び降りポーズを取る姿に、もうこれは一緒についてくる前提だ。
『あぁぁ美空ちゃん達も付いてくるんだな』
「あっ、ぜ、フィンからも入ってる」
行くかと言う直後に更にゼフォウからも入る。
『いつもフィンパイセンの前に‘ぜ’が付くのは何故?』
「何だって?」
「これから用事あるから冬美也とよろしくだって」
あんな事しておいて、ちゃっかりきちんと距離を空けてくるゼフォウに呆気に取られてしまう。
ホッともするが、これは本当に気遣いから来た遠慮と言うやつだろうか。
ただゼフォウのメッセージにはまだ続きがあり、これから昨日絡んできた藤浦 愛弓と話を付けておくから心配しないでと書かれていた。
『流石にこれは言わなくて良いよね?』
そうして時間に合わせて、冬美也と合流し、結局クラスメイト達にも囲まれてしまい、ゆっくりご飯を食べれなかったのは言うまでも無い。
ゼフォウと言えば、聖十の中等部第一寮にいた。
人気のないところで、あの藤浦愛弓と会っており、何をしているのかと思えば、どうやら冬美也をつけ回すなと忠告をしているようだ。
「――って事だから、あんまり付け回さないで冬美也もそういうの嫌いだって知ってるでしょ?」
藤浦からすれば冬美也だけでない事をすぐに分かって、牙をむく。
「何? あのガキの何処が良いの? 大体、その為にわざわざ呼び出して!」
誰がガキかゼフォウなら分かる。
理美の事だ。
冷静になりながらもこれが最後と笑顔から殺意に切り替わる。
「ガキでも何でも、あんただって嫌でしょ? 付け回されるの? それでも諦めないって言うならこれが最後の忠告だよ……あんま調子に乗んなガキ、次なんかしたらお前の1人だけの問題だけじゃ無くなるってことだけ覚悟しとけ」
これが最後だと言うのがよく分かる言葉だ。
「何よ! そうやって脅して、どうなるかはあんたの方よ! 脅した事後悔させてやる」
そう言って藤浦は脅された事を教師にバラす気でいるように見えた。
ゼフォウはその様子を見て、睨みを利かせつつその場を離れるもスマホを取り出し誰かに連絡する。
「――そうそう、それで少しこっちの味方になってくれる? 藤浦ちゃんどうしても諦めてくれなくって――うん、ごめんねぇ後でちゃんとお礼もするから」
電源を落とし、深いため息を吐く。
「はぁぁぁ……本当、執着って怖い」
次の日、午前中は身体測定とそのままの流れで体力測定だ。
午後から勉強が始まるので、少し憂鬱になる。
それでもまずは身体測定をし、休憩後に体力測定なので一々体育着を脱ぐ必要ないので楽と言えば楽だ。
あの頃は本当に苦手だった運動も、大人達に教えてもらいながらある程度出来るようになり、徐々に好きになってきた。
お陰で他の運動出来る子達と大差が無く、結構動ける。
握力、シャトルラン、50m走等も平均記録だ。
出来る子達は皆凄い凄いと褒められたり、スポーツ推薦でやって来た子達はそもそも他の子達に眼中が無く、近付き難いオーラもあり、恐れたり妬んだりは一切なく憧れの眼差しと言った所だろう。
一方理美は平均記録を取っただけで満足なんてしていない。
折角出来るようになったのだから少しは本気でやってみたいのだが、こればかりは出来なかった。
『本当ならもうちょっと行けるんだけど、琴さん達から記録以上の事をしないようにって口酸っぱく言われてるんだよなぁ……』
どう言う訳か、それ以上の力を発揮する事を禁じられている。
――数年前。
理美はメリュウと共にディダから修行を受けていた。
人前でやる修行では無いので、人気の無い山奥で行う。
ディダが理美に言う。
「まずは融合、この間教えたよね?」
「確か、クリスタルのままで出てくる感じを体内の中で行う」
理美の答えに正解と言いながら、ディダは腕を龍の鱗に変えて行く。
「そうそう、じゃあそれをやった後体術をやってみよう」
「うん」
理美も龍の腕に変えるも、やはり変な感じだ。
自身の腕ではあるが、緑の鱗に爪も鋭くなっている。
「まだ慣れない?」
「うん、なんか自分の感覚に変なのがくっ付いている感じ」
「なんでだよ! 俺様との合体がそんな嫌か!」
嫌と言うより、自身の腕からメリュウの声、正直不気味だ。
「腕からメリュウの声が出てるから余計」
「あぁ……それね、仕方がないよ」
ディダからすると、こうなるんだと内心驚いていたが、理美はどうせなら同じ元龍族、セガと龍のザックに聞ければコツの掴み方等分かるだろう。
「ゼフォウを助けてくれた人達の1人の人も元龍族がいてね、その人もやれるのかなぁ?」
「……普通の人なら頼みたい所なんだけどねぇ」
ディダだってセガにお願いしたいが、残念ながらセガはマフィアな分、頼みたくない。
しかし元龍族なんて、人口約70億人居る中で、たったの十数人とも言っても過言では無い。
ディダ自身も生きていて出会ったのは1人居たが、本当にそれ以降会わず、今こうして理美が元龍族として分かったが、教えられる人間いやドラゴンもそうはいないのだ。
運が良いと言えば良いが、2人目として見てもやはり教えるのも試行錯誤。
「とにかく、自分で覚えていくしかないよ」
理美も納得していたが、最近体力もついて調子がいい事をディダに教えた。
「はーい、最近体力とかついてきて、なんか力も強くなった気がする」
自信がついてきた頃合、ディダもそのまま凄いとか褒めず、あえて強くなった事による慢心になってしまう恐れを伝える。
「強さは自信に繋がるけど、慢心し易い、扱い方を間違えたら己の心が飾った力で崩れていく」
「崩れる?」
「溺れるとも言えるけど、本来あったプライドが似つかわしく無い高いプライドなって、手が付けられないしへし折られて戻れば良いけど1度味わった強さを己自身否定出来なくなる、だから心身共に強くなって貰わないと」
「私もなる?」
なんとなくだが、最近自信がつき、これから色々出来るようになればもっと強くもっと皆に認められると思っていたが、万が一を考えると自分はそっちに行きそうで怖くなり泣きそうになった。
だが、そうならない為にもディダがいると言おうとした時だ。
「大丈夫、そうならないよう、僕が――」
何故か、絆がいた。
「貴様、泣かしたな?」
物凄い殺気立っている。
慌てて誤解であり、きちんとこれから説明をする処だと言おうとしたが、絆はそれを許さない。
「待って! 誤解だよ! 今強さにつ――!」
「問答無用!!」
思い切り背負い投げな筈なのに、ぶっ飛んで行った。
お陰で理美は大泣きだ。
「ディダぁぁっぁぁ!!」
投げ飛ばした当人がこちらに来て、理美に諭す。
「強さは己自身で弱さを知らなくては、ただ見せびらかさないように、今は色々持った状態なので下手に見せびらかした後、持たない状態になった時を考えて目立たない行動を時間を測れるなら他の生徒達の時間を測って大体の平均で行えばちょっと速くて強い程度で済みますので」
「は、はい……!」
下手な自信を持ったら高確率で投げ飛ばされる、この瞬間理解してしまう。
そして今に至るが、同時に思い出した。
「あっ結局、絆に教わってその日終わったんだった」
この後、絆による徹底的な教育により、下手な自信は己を殺すと諭すまでに至った。
独り言が桜夜に聞こえて来たみたいで聞かれる。
「なにどったの?」
理美はとりあえず昔苦手だった頃の話をしてみた。
「昔、私運動大の苦手で色々な人に手伝ってもらって漸く人並みなったんだよ」
桜夜からすれば、どんな人間でも金があればこうなるのかと本音を言ってしまう。
「そうなんだ、金持ちってすげぇ」
「凄くない凄くない、知り合いに頼んで教えてもらっただけだし、あまりに酷過ぎて全員頭抱えてた」
あまりの酷さに言葉を飲んだ大人達を思い出し、心が闇に落ちていく。
「どんな英才教育受けてどんよりするん?」
こんな落ち込み方をするなんてどんな教育受けたのか逆に知りたくなってきた。
ずっと近くで聞いていたジュリアも話に入ってきた。
「羨ましいです、私もそんな先生方に教わりたかったです」
桜夜からすればジュリアもそう言った教育を受けているばかりと思っていたが、そうではないようだ。
「ジュリアもそういう教室行かなかったん?」
例え幼馴染であっても、こういう細かい処はやはり分からないもの。
ジュリアは常に面倒を見てくれる人がいる為、そういう運動系も水泳位だ。
「行きませんでした。むしろ、日向さんが家政夫でもあり、ボディーガード兼家庭教師でもやって下さる方だったので、運動系は水泳位でした」
「あぁ! 日向さんか、あの人、ジュリアんちに行くと必ず手作りお菓子くれるんだよねぇ」
桜夜もその話で日向が来客の為に色々してくれる良い人として見ているが、理美はあまり話に興味がないようだ。
「ふーん……」
と言うより、何処かで聞いたような無かったようなと言った感じであまり分かっていなかった。
「今度のお休み来ませんか? 日向さん喜びます!」
「いきなり、行くのはちょっと」
流石に迷惑だろう。
「大丈夫です! 私、後でお話ししておきますので!」
「えぇっぇー」
「良いじゃん良いじゃん! 美空!」
「何?」
「今度の休み、久々にジュリアの家行かない、理美っち連れて!」
「行く! 久々だよねぇ――」
こちらの意見一切聞かずに半ば強引に決まってしまった。
午前中の身体測定と体力測定も終わって、お昼休み、流石に今日は冬美也もゼフォウも来なくて内心ホッとする。
今日は久しぶりに1人で何かをしたい気分だ。
午後は授業だが、然程難しい事はしない。
ノートを取り出し、何か書こうとした時に誰かが来た。
「ここによく神崎達が来るっていう話を聞いたが?」
少々小太り気味な中年の白髪の男だ。
皆、誰だとかまだ休憩中だろうとか確かに来てるけど何と言った感じで不気味さを感じて誰1人近付こうとしない。
はっきり言って理美も近付きたくもなく、様子見だ。
「誰も言わないのか! 最近の――!」
一体何が言いたいのか、廊下に居た生徒がバートンを呼びに行き、回りもお前こそ誰だよと小言で言う始末。
流石に何もしないで、放置すると余計な被害が出そうで怖いので理美が恐る恐るだが言ってやろうとした時、広樹が立ち上がって言った。
「あ、あの、どうしてそんな言い方するんですか?」
「ここの教頭だが? 最近、あの神崎が彷徨いているって話を聞いて、注意しに来たんだ。あんな同好会に入るなんてくだらん事せずに自分たちでやりなさい! 良いな!」
全員こんな奴教頭だったっけと皆頭を傾げ、理美も自分のせいだと感じて立とうとしたが、美空が止める。
広樹が黙り込むどころか話だす。
「教頭だったんですか? こんな礼儀知らずなびっくりです!」
「なんだその言い方!」
怒る教頭をよそに広樹は思っている事をガッツリ言う。
「いやぁ、今で言う老害が不法侵入して来たとばかり、これも一種のパワハラですよ教頭! やめた方いいですよ。下手すると皆に嫌われちゃいますよ」
「……!」
腕をプルプル振るわせ、何か次を言おうとした時、バートンが到着坂本した。
「何やってるんですか? ヅラもズレてますよ?」
と言いながら、いきなりバートンが教頭の頭を掴んでカツラを取る。
「バートンせ、先生⁉︎ こ、これは――‼︎」
ここで全員、入学式で見た教頭の姿を思い出し、カツラを何故今更付けたのかは本当に謎だ。
確かにカツラを取られ晒しものになっている以上大問題なのだが、バートンからすれば昼休みに教頭が勝手に乗り込んで生徒達に文句を言う方が問題だろう。
「まず、生徒達が怯えているのに勝手に来て騒いでいるのか説明してください、ね!」
殺気立たせてたまま、そう言って、思い切りカツラを被せてあげた。
「は、はひぃ! す、すいません!」
「どうせ、また神崎とフィンでしょう? あまりうろつくなって言いに来ただけでしょうが、ですが制限掛けるのも如何なものか。行きますよ教頭、校長に報告しなくては」
呆れながら、教頭の首根っこを掴んだまま職員室へと戻って行く。
「ま、まってぇぇぇ! それだけじゃなくって! わしのカツラをあいつらがあぁっぁ!」
なんか言っているが、場が収まってホッとする。
それと共に理美は広樹に土下座した。
「誠に申し訳ございませんでした!」
こんな状態、放っておいた分、広樹にとんでもない迷惑をかけてしまったのに、広樹は笑って許すだけでなく、自分が入って良かったとまで言うのだ。
「いや土下座はしないで、そりゃ誰だって相手したくないでしょう? むしろ僕で良かったよ。あのまま嘉村さんが言ってたら女の子ってだけで凄い事いう人いるから、だから気にしなくていいよ」
理美は広樹に言う。
「聖人か何かですか?」
ちなみにクラス全員、確かにと頷いてしまっていた。
そんな中で、騒ぎになっていると聞きつけてやって来た2名がそっと顔を出す。
「なんかオレらで迷惑掛けたっぽいんだけど?」
「気にしないで下さい、もう終わったことですし、嘉村さんも無事なんで」
冬美也とゼフォウの広樹に対する第一印象はこれだ。
「聖人かお前?」
「やっばい聖人がいる」
「えっ? それだけで!?」
広樹が驚く中、別の男子生徒が何をして、教頭をあんな状況にしたのか聞けば、そもそもの原因は冬美也だった。
「てか、先輩達、何したんですか?」
冬美也はどうして目の敵のような扱いを受けるのかを教えてくれたがどうもこれは冬美也が手を出してしまったのが原因のようだ。
「いや、初日に教頭のカツラが変な方向に向いていたから、つい直しちゃった」
初日の挨拶に校長室へと2人で行った際、教頭のカツラが微妙な方向へ動いているのが気になって動かしてしまったらしく、つい冬美也が触ってしまう。
同時にゼフォウも止めたが、もう既に遅しだった。
「俺止めたんだよ、良い? 俺は止めたのに向かってったのコイツ」
「あぁ……それで嫌がらせか何かを」
流石に皆それに関して教頭に少しばかし同情するのだった。
ゼフォウがなんやかんや苦労をして、勉強同好会を立ち上げた話をする。
「それで作る時も大変だったけど、同好会にも顧問いるからって今の担任にお願いしたり、成果をって言ったから、ほら説明会に途中出て来た生徒いたでしょう? あれの赤点全部回避したのもあって掛け持ちで入る子増えたんだよ」
理美も何故こんな短期間で人が集まったのか理解した。
「成る程、去年の冬なのに同好会あったのが不思議だったんだよね」
冬美也としてはまぁ人数いても実績が足りない分、1年位赤点も無く、様子を見た方が良いのだろうと口にする。
「とりあえず1年間赤点回避を目指せば部に昇格出来るかなぁ」
ただゼフォウもこればかりは無理ではと思う。
「教頭怒らせたんだから、教頭が退職するまで無理じゃね?」
この瞬間に冬美也の顔が一気に暗くなる。
何かを声かけようとしたが、むなしくチャイムが鳴り響くのであった。




