何かがおかしい
結局、なんだかんだで場を収めたのは意外にも後から出て来た坂本達で、勿論喧嘩したメリュウと冬美也は叱られ、ゼフォウには止める為とは言え、爆発は良くないと厳重注意がされ、理美にはメリュウを出さない練習しないと今後が危ぶまれるぞと言われ課題が渡され、今日は終了した。
――かに見えたが、その夜の事だ。
もう寝ると言う時、下のベッドで項垂れる冬美也に対し、上のベッドからゼフォウが言う。
「散々な目に遭った……」
「それ、俺のセリフだから、なんでメリュウと喧嘩したの?」
「オレが告白しようとして邪魔された」
あぁと息が漏れてしまうゼフォウだったが、一応励ました。
「……どんまい、早く寝ようぜ、明日もあるんだし」
「分かった」
このまま寝てしまおう、そして明日改めて告白すると決め、目を瞑る。
が……一体何時になったら眠気と言うのがくるのか。
全然眠れない。
「トイレ……」
冬美也は行く気は無いが、ベッドに居ても眠れないだろうと、部屋を出る。
トイレだけ共同なのはこれ如何に。
用を済ませ、部屋へ戻ろうとした時だ。
「ばぁ!」
理美のアースが驚かす。
冬美也は最初目を見開いて驚いただけで、傍から見れば全然だ。
「――!! ……理美のアースかよ、驚かさないでくれ」
「全く驚いた風には見えないけど?」
アースからすれば、少し面白みが欠けるが、冬美也にとっては下手な反応は命取り、父、総一に口酸っぱく言われていた。
「前に見えるって話しただろ? 反応するとソイツらがちょっかい出すから親父には絶対驚くな、反応するなって言ってたし」
「なるほど」
納得してもらった所で、改めて問う。
「で、どうしてここに? 管理者の事でか?」
「えぇそうよ、大分安定して来たけど新しい環境だもの暫くは言うつもりなんてなかった」
確かにタイミングと言うものはあるし、今はまだ新しい環境に慣れていく段階、多分アースの言い分的に慣れて来てからより話をしていく予定だったに違いない。
こちらも言われて驚いてはいるし、正直管理者ではない冬美也がどうこう言える立場すらないのだ。
「……でも言わないとダメだろ? だからカラス的何かに先越されたんだろ」
だがやはりもっと早めに言っていれば、疑われる事とか余計な考えをしなかっただろう。
アースも言われて、少し申し訳なさが顔に出ているが、何故冬美也の所へ来たかを話す。
「そうね、で、あなたにもどういうものか教えておこうと思って、今後理美がどのような人生を送るかもしれない話も」
あの時聞いた話についてかとすぐに分かった。
冬美也も不死鳥と同じ過程だと一緒なのかと考えると大体あってはいるが少し違う部分があるようだ。
「繰り返すってあの人ら見て分かったけど、年を取らないんじゃなくって年くって死んで不死鳥の定義みたいに復活するって事だろ?」
「そう、その通り、ただ一度死んで再生した際、同時に子供を産む機能は失われるわ」
「はっ?」
そこで驚くのねと逆にアースも驚くも、すぐに理由を言う。
「あのね、どうしてそういうのかって言えば、今後管理者の遺伝子が大量に溢れてみなさい、自然バランスの崩壊で本来あるべき自然の流れを保つ管理者が崩壊させてどうするの」
「……でも万が一若くしてとか、事故とか」
せめての慈悲はないのかと聞くも、自然の掟に逆らえる筈もない。
「それでもそれは優しさではない。だから先輩である管理者達は皆口をそろえて人生を謳歌するように、納得するまでは関りを制限或いは禁止にしたのはその為、下手に納得しないまま死なれて、子を作る力を失ってしまうのは流石に自分で決めたのなら良いけど、欲しいと願っているなら尚の事考えて欲しいの」
「なら理美に」
尚の事理美にちゃんと説明するべきだ。
しかし今日しようとしたが、ルームメイトの桜夜が冬美也達がボロボロになって帰って来てたので、妙に興奮した様子でどうしたのかと聞いてきてしつこかった。
「言おうにも、今日の桜夜ちゃんしつこかったから、寝なかったし……」
アース的にあの時もう少し話していればと少しばかり後悔もあり、とにかくこのまま考え込ませない為にもまずは冬美也と来たわけだ。
冬美也もその辺理解したが、見える事がおかしいのかと疑問が湧いた。
「分かった、でもどうしてオレに? やっぱり見えるのはおかしいのか?」
「そうね、普通見えないから管理者同士かかなり特殊か或いは」
「オレは特殊って事なのか?」
見える側ではあるが、そこから逸脱した人間でもないようで、アースも険しい顔でじっと冬美也の目を見るもやはりそうではない。
「うーんそうでもないような」
「えっ!?」
流石にそこは凹む。
「見えている人にも寄るだろうけども、冬美也はそういうタイプではないの……傷つけるつもりはないの、ごめんなさい」
「い、いや、だけどどうしてオレ見えてるのそしたら?」
「さぁ? だってほら、あなたのお父さんも私を見えていなかった様だし」
「本当にそういう部類って事か」
「気にするなは無理な事、でも、これも何かの縁として見れば、あなたならどうしたい?」
「いきなり振るか!? ……理美が望めばだけど、い、一緒になりたい、理美と一緒に歩みたい」
「ふふっ、そうね、あなたならそういうと思ったわ。だからこそ、理美の最初の人生、あなたに任せたいわ」
「じゅ、重大過ぎません?」
青春の1種、例え上手く行ったとして将来的に一緒になれるかは分からない。
「まあまあ、大事な青春の1つ、恋愛や付き合いが出来たって思い出はいつか糧になる、あなたもよ」
凄く嬉しいような悲しいような、なんとも言えない感情のまま冬美也は自室の前に到着する。
「そ、そうか、なら良いけど、じゃココだから」
「えぇおやすみなさい」
「おやすみ」
冬美也が自室へと入った後、アースが何かを見て言った。
「大丈夫よ、そう警戒しないで」
顔、姿は見えないが誰かがいる。
その誰かが言う。
「何故、あなたは彼を推す?」
冬美也に対しての言葉なのがすぐに分かった。
「そこまで推しては無いけど、あなたはどうして彼を嫌うのかしら?」
推して無いが、理美との関係がもっとも築いているのもまた冬美也だからであり、先の様子から安心して任せる事にしたが、その誰かは見えてはいないがあまりいい顔をしていないのだけは分かる。
「……」
アースは明日にでも理美と話せる場はないか、その誰かに尋ねた。
「少しあの子と話したいから、何処か1人になれる場所は無いかしらデリート」
次の日、朝起きて早々項垂れる。
「はぁ……結局1人で考えられなかった」
理美も、まさか帰って来た時の冬美也の姿に皆が驚き唖然、喧嘩でもしたのかと言われると冬美也の方で訂正し、ゼフォウも輪に入り話もそれとなくズレていき、話は有耶無耶になったのは良かったが、桜夜に問い出され、こっちの話も有耶無耶にしたが、今度は知らないゲームキャラの話を振られ、結局消灯時間まで話に付き合わされてしまった。
身支度を済ませ、朝食を取りに食堂へ行く。
桜夜は無論放置だ。
食堂に向かう最中、あの時のアースが話を遮ろうとしたのはきっとまだ教えたくなかったのか、或いはまだその段階ではなかったのかもしれない。
しかしそれなら……いや、あの状態でそこまで言われたら頭の中がパンクする。
まだ早いのか、人は疎らだ。
こういう時が1番楽だと感じ中に入ろうとした。
急に後ろからゼフォウが声を掛けて来たのだ。
「理美ちゃんおはよう、今日早いね」
「ゼフォウ、おはよう、昨日は――」
「別に気にしてないよ。それより、理美ちゃんもなんか気持ち揺らいでたでしょ? まだ気持ち、悪くない?」
「それは大丈夫、でも冬美也になんて言えば、結局目の前であんな風に」
「俺は前々からそういう話は聞いているから平気だけどね」
「平気って」
そう言いながら食堂へと入る。
座っている人もあまりおらず、どこでも座れそうだ。
今日の朝食を取り、適当に座ってからゼフォウは話す。
「裏社会にいると色々見えないモノが見えてくるって言うか、どんな世界の人間でも選ばれるとのを喉から手が出る程欲しがる連中は後を絶たないってボスが言っていたんだ」
「管理者って皆、平気そうなのってやっぱり慣れてるって事だよね?」
笑っているのを見ていれば、確かに慣れてしまえば幾分楽なのだろう。
ただゼフォウはある事を言ってしまった。
「そうだねーでも、これだけは言える。1度死んだら子をなしたって話は無いって」
「……!」
「だから、せっかく日向さんも言っていたでしょ納得いくまで人生満喫しないと!」
多分ゼフォウ的には、今の人生で好きな事をして家族を作れば良いと回りくどく言っていたのだが、こればかりはせめてアースに聞きたかった話だ。
「本当ならアースに問いたかった……!」
「あっごめん」
ここまで暗くさせるつもりも無かったが、丁度そこへまさかの冬美也がやって来た。
「お前なんでオレを置いて行った?」
「おはーお前が起きなかったんでしょうがよ」
「ちょっと考え事してた、だけだ」
「お、おはよう、冬美也、昨日は、そのごめん」
「理美のせいじゃないし、それより入部届期日はまだ早いか」
「ううん、私もそろそろ決めてしまおうって思ってたから」
普段通りに話しているが、お互いぎこちない。
その間に挟まるゼフォウはずっとニコニコ笑って何も言わず黙っている。
たまたまそれを目撃した生徒達は、皆、なんとなくゼフォウに対して同情していた。
『なんか、俺を見る目がとても痛いのですが?』
自分が悲しくなるので絶対に口にはしない。
この後、冬美也と一緒に登校したが、ぎこちなさは抜けず、ただ無言が過ぎて行く。
途中、勢いよく誰かが理美の背後から抱きついた。
「理ー美ーなんで起こさなかったーん、あたしだけ、朝食食べ損ねたんですがぁ」
桜夜だ。
また消灯時間過ぎても遊んで、起きれなかっただけなので一切妥協も同情もない。
「だって私まで遅刻するし」
「酷っ!!」
冬美也からも見ていた為、よく分かる。
「まあ数日見てれば、なぁ?」
「桜夜ちゃんも、少し早起きしよ?」
ゼフォウも優しさで諭す。
桜夜は言い訳として、あるソーシャルゲームの話を持ち出した。
「だって! やってるゲームのバーサーカーのイベント中々進まなくって! ガチャも使えないのばっかだし!!」
呆れる冬美也は万が一念の為課金か尋ねる前に否定が入る。
「ガチャるな、課金」
「してませんー!! 無課金勢ですー」
それは理解出来たが、そもそもバーサーカーとはこれ如何に。
ゼフォウが桜夜に聞いたはずが、何故か理美が答える。
「てか、バーサーカーって何?」
「レーシングカーを人にくっ付けたゲーム、新たな車文化が誕生した。それはドライブスフィア、車と絆を結びコアとなるドライブスフィアを所持した者はドライバーとなり、新たなレーシングの戦いが始まる。スポンサーとなってドライバー達を育て戦え、バーサーカー」
一通り言い終えた理美の顔は虚無そのもの。
「えっ?」
「えっ?」
「リミリミ知ってたん?」
回りが着いて行けないまま戸惑うまま、理美はまた話し出す。
「メインは日本レーシングから世界レーシングの切符を手に入れるレーシングとサブは普段一般車両がメインの場外レーシング」
「理美?」
「……前に見た事があったから」
な、なるほどと冬美也とゼフォウが言う中、桜夜がやっている層について話した。
「男性キャラがメインだから女性受けしているんだけど、男性陣からも好きな車を使えるし、痛車にしたりサブ1面クリアしたら軽トラでメイン走れてカオスで楽しいよ」
「なんだそれ? 許可は?」
「ちゃんと取ってるし、開発者と一緒にイラストを検査してるって言うし、イヌのナビすけ可愛いし」
桜夜がスマホに見せるカーナビを上手くイヌに合わせたモチーフキャラを見たゼフォウが言う。
「おっ! ホントだ、可愛いね」
「ナビすけって案内役のマスコットなんすよーフィンパイセン!」
ただし理美がずっと何かが抜け、こちらを見ようとしない。
「理美、急に本当にどうした? 具合悪いのか?」
「い、いやそういう訳じゃなくて」
「そうそ理美ちょにもお布施したんだけど、昨日からずっとこうなんだよ」
理美がそこまでゲームに対しての虚無感に違和感がある。
ゼフォウは笑いながら聞けば、そうではない。
「ゲームそんなに好きじゃないの?」
「好きだよ、どうぶつとのんびり生活する奴とか」
有名なゲームの1つをあげると、した事があるのかゼフォウが妙な事を言う。
「あのタヌキ許さん」
「何があったんだよタヌキ」
冬美也はのんびりゲームなのにローンを組ませてくるタヌキを知らなかった。
中等部、1-Cの教室にて、ある噂で持ち切りだ。
「なんか、理美の奴調子に乗ってない?」
「乗ってる乗ってる」
「ちょっと金持ちだからってムカつく」
噂と言うよりもはや悪口、理美が入るのを躊躇ってしまうも、桜夜は堂々と皆に挨拶をする。
「みんなーおはよー!!」
理美は1歩後ろを歩こうとするが、桜夜が腕を回して共に歩く形でずっと今推しているキャラの話を話しながら回りを黙らせた。
世の中に陽を持ったオタクが居るのかと感じる中、席に着けば、そのまま話し出す。
『あっ……止まらないヤツだ』
理美が悟った瞬間、丁度ジュリアと美空がやって来た。
「おはようございます」
「なんかあった? 昨日までと雰囲気変わったから」
やはり空気を感じてしまう。
「こっちも分からない、なんか悪者になっている感じがして」
正直な話、あのカラスの一見からおかしくなった。
あのカラスは一体何だったのか。
よく分からない。
美空は理美に言う。
「回りにそれとなく聞いて回っても良いだろうけど、ああいうのって、無視が一番だし、無視だけじゃなくて早めに先生に相談したら?」
「……う、うんそうするよ、ありがとう」
実際、教師に良い思い出が無く、昔、そうもっと昔に出会った教師は出来る子には良い顔をし、金のある子には媚びを売る、どれにも当てはまらない自分には関心が無い或いは面倒事になってもマニュアル通りの対策しかしないし、いじめを助長するような行為もあった教師だった。
あの教師の言い分や理不尽の叱り方で病んでいた部分があったが、今更ながらこれはパワハラと言うものだったに違いないし、約20年後に入った小学校にもそれっぽい教師はいた。
相談していいものかと悩み、一度琴にだけ晴菜に相談しても良いのかと相談した後、そういった教師に対しての対応を良く熟知していたのか、教師との話し合い基厳重注意が何度か起き、いつの間にかそういった教師は来なくなったのを思い出し、やはり教師の前に一度家族や身内に相談すべきだろうかと考える。
「あーしもそれ賛成だけど、聞くのかな? 今回の担任は?」
「面白そうな人ではありますが、怒らせると怖いって言うか」
「分かるー」
会話をしている間は、流石に回りも入って来なければ、腹立つような態度でこちらを見ているのだが、万が一今桜夜とジュリア、そして美空に何かあった時、原因が自分にあったと分かったら、自分は何をしていたのかと問われた時、何も言えない。
自分で何かしなければ――。
「今日、授業終わったらまずはお兄ちゃん辺りにでも相談するよ、何より会う約束しているし」
颯太に一度話すだけでも解決はせずとも話が通っているだけでも大分変るのを分かっての事だ。
美空も言う。
「そっか、そうだよね、まずは家族にね」
丁度チャイムが鳴り、バートンもそれに合わせて入って来る。
「皆さん、朝のホームルームを始めます、速く座りなさい」
授業がある、大人の目がある分やはり皆大人しくなるのがよく見て分かるのでやはり強い者だと本能で分かるだろう。
色々強くなって来たと思っていたが、やはり精神的な部分はまだまだだ。
昼休み、1人になるのが怖かったが、ここはアースともしっかり話し合いたいと思って、1人で一度礼拝堂に言っていみた。
運よく本当に1人になれたので、アースを呼び出そうとした時だ。
「あら? そこにいるのはどこかの生意気な後輩じゃない?」
そこに居たのは、なんと藤浦だ。
実はこの時名前をど忘れしてしまった理美、ここは何としてでも思い出さなくては。
「……あっストーカーの人」
前に聞いていた話を思い出して出て来た言葉はなんとも人を怒らせるものだ。
「誰がストーカーだって!」
「だって、冬美也も困ってたし、金森先生がかばって悪者になってしまったり、先輩はどうしてそんな事してまで冬美也を困らせるのかなと?」
そのまま藤浦に伝えてしまい、当の藤浦は額に血管を浮きた出せて言う。
「あっ? いきなりホイホイ出て来た後輩が何舐めた口聞いてんだ? 悔い改めてもらおうかしら?」
この瞬間、自身の手首を掴もうとすると、後ろから声がする。
「なんの話をしているんですか?」
バートンがいた。
「先生!」
「リミカムラ、言い方を慎みなさい。馬鹿正直に言ってもただの煽りにしかなりませんよ」
理美に注意するも、どちらかと言えば、更なる煽りにしか聞こえない。
「すいません」
大人しく反省する理美とは真反対に藤浦がますます怒らすも、バートンが藤浦に用事があって呼びに来たようで、いきなりこちらに振られて驚くも噛みついた。
「全く、後、アユミフジウラ、あなたに話を聞きたいので職員室まで来なさい」
「はぁ!? なん」
「良いから早く」
殺気を感じる程の威圧は藤浦を黙らせる。
「……! はい」
理美を見るもバートンが再度呼ぶのであきらめて、バートンと共に藤浦は礼拝堂から出て行った。
「良かったぁ間に合って」
いきなり隣にアースが話し出して理美は驚いてしまう。
「うわぁぁ! びっくりした!」
アースは昨日の夜に会った冬美也とは真逆な反応に少し面白くなった。
「あら? あなたはそこで驚くのね理美」
「いや驚くでしょ!」
これ以上話させるとややこしくなりそうなので、あえてここに来た理由を聞く。
「そう、でもどうしたのここで?」
「昨日の話の続き、何か言いたそうだったじゃん。でも色々あって話せなくて、結局藤浦先輩が来て」
理美なりにかなり考え悩んでいる中で、ちゃんと答えを見つける為にも話し合わなければいけない中で、誰も居ない場所を選びたくてここに来たがやはりもう少し考えるべきだったと後悔もした中で、アースが話し出す。
「理美、アースは石なの、だから今この瞬間決めなければまた地中に潜ってしまう。こうして見える、動けるのは契約或いは結ばれた存在がいてこそなの。動物だっている、虫もいる、様々な生物が居る中でアースはその1人或いは1つを選ぶ」
「うん、それで私を選んだんだよね」
動けない石は声すら上げられない状態で選んだ人、生物が触れてくれて初めて動ける。
本来ならもう少し待っていたかったが、あのタイミングでしかなかった。
だからこそ、恨まれても仕方がないとさえ感じていたのだが、理美はそうではなく素直な今の気持ちを伝える。
「そう、もう少し大きくなってからでも良かった気もした。でもあの瞬間でなければあなたと触れ合えなかった。後悔はしていない……もしあなたが私を恨むのなら恨んで……」
「恨みはしないよ、まだ実感していないが正解だけど、恨んではないよ。だからね、今は少し自分の時間を過ごさせてほしい」
今はまだ分からない、だからこそ考え自分の時間を過ごす事を選ぶ。
アースは納得した後にお願いも付け加えた。
「分かったわ、ただし力を使ってほしいわ」
「力、あぁ愛されし者のの」
「そう、全ての生物に愛されし者のは他者からの憎悪からも防げるから少し強弱は難しいけどもやるべき。そして今回の件でまがい物を感じる。そこでなんだけど、理美、人間ではないモノに手を貸して貰ったらどうかしら?」
「人間じゃないモノ? あっ分かった、都心部に居るかなぁ仲良くなれそうなの?」
こうして昼休みの終わりのチャイムが鳴り響く前に理美は考えながらも教室へと戻る。




