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堕神剣 神剣と名乗る少女が住み着いて戦わせようとしてくるんだが  作者: ペロロンチーノ


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幕間 剣姫 荻野愛 3

「そうだね、配信見させてもらったけどまず根本的に白夜の力が神剣であるダンちゃんに追いついてないから力を発揮できない、今はまだ低階層だからいいけど階層を上げて行くほどそんな状態だと通用しなくなってくるからちゃんと修行した方がいいのはたしかだよ。」



確かにダンちゃんの力は強力だ。私も聖剣を使うからそれを超えるであろう神剣となればどれほど強力な武器なのかは分かるつもりだ。でも強力な武器となればそれを使う方にもある程度の負荷がかかり、無茶な使い方をすれば身体は壊れてしまう。配信を見る限り白夜にダンちゃんの力を使いこなすほどの力はないためここでちゃんと修行をしないと取り返しがつかなくなるだろう。



私が配信を見た限りで思ったことを伝えるとダンちゃんがちゃんとこの先の事を考えていた白夜に対して感心したように褒めていた。

そしてそのまま私に対して話しかけてきた。

ダンちゃんは白夜のことに対して興味を持っているらしく、私が知っている白夜との思い出を聞いてきたが特に秘密にする理由もないし、可愛いダンちゃんの頼みは聞こうと思い素直に答える。ついでにダンちゃんのことも知れたらいいなと思いしばらくそのまま2人で話し込んでしまった。




ダンちゃんと2人でしばらく話し込んでいたら白夜が痺れを切らしたように話しかけてきた。


「2人ともそもそもいいか?もう1時間経ってるんだが…」


「あら、そんなに経ってたのね、それじゃあ続きはまた今度にして本題に入りましょうか」



まさか1時間も話していたとは思わなかったがさすがにこれ以上話す訳にはいかないと気を引き締めて本題に入ることにする。

修行に関しては幸いにウチのギルドにはやたらと硬く頑丈に作った修練場があるためそこでなら周りへの被害などもないためピッタリだろう。

そうして2人を我がギルド高天原に招待した。





修練場に到着してまずは白夜に対して自分の現状の把握がどこまで出来ているのかを確かめる。

これが自覚していないと自分の力を誤って無茶な行動をしたりするのでしっかりと自分を見つめ直すことは大切だ。

白夜はちゃんと自分の足りない部分を理解していたらしく直ぐに返答してきた。



「根本的な体力とかだろ?神剣は強力だがその分身体にかかる不可がすごくて今の俺だとその力に耐えきれないから力が上手く引き出せない。」



私の読みは当たっていたらしくやはり身体が出来上がっていないために力を引き出せていないらしい。

私の聖剣や魔剣のスキルを持つ人にはよくあることらしいのだが強力な分身体の負荷ががでかいため修行しないと使いこなせないのだ。神剣もやはりそういう部類の力らしい。



そうと分かればやることは決まっている。こればかりはどのスキル持ちでも変わらないのだが結局根本的に体力が無いと冒険者はやれない。ましてや白夜はこれまで引きこもっていたのだから尚更体力がないためまずはそこからだろう。


だが人間は不明確な目標よりもちゃんと形ある目標がある方がそこに向けてのやる気が違ってくるため白夜にピッタリのスキルを見せる。


「ちょっと見てなさい」



そう言ってスキルを発動させ、手に聖剣を持つ。そして聖剣のオーラを身体に圧縮して留めることで鎧へと姿を変えて身に纏う。これができるかどうかで今後の冒険者活動が変わるためなんとか覚えてほしいものだ。



「とりあえず最終的にはこれができるようになってもらうわ。配信を見たけどダンちゃんと軽い防具しか装備しないなんて本当にいつ死んでもおかしくないんだからね!」



配信を見た時は本当に驚いた。まさかあんな軽い防具しかつけてないとは思わず攻撃が当たるんじゃないかとヒヤヒヤしながら見ていた。

確かにスピード重視の冒険者なら軽い防具で最低限守って戦うこともあるが白夜はそういう部類ではないし神剣状態のダンちゃんを使うにあたってそういう戦法も無理だろう。

なにより神剣なら私と同じように『聖鎧』を覚えることが出来るだろうし絶対そっちの方がいい。



「それは悪かったけどそんなの俺たちにできるようになるのか?」


白夜に聞かれるがこの様子だと細かいスキルの種類も知らないようだ。今どきネットで調べられるしこういうちょつと抜けてる所は危ないなと思うが今は気にしなくていいだろう。




「多分問題ないと思うわよ?私のこの『聖鎧』も聖剣のオーラを強く身に纏うことで鎧の形にしてるだけだし神剣ならできるんじゃない?」


「たしかに私のオーラを身に纏えば可能だとは思いますけど今のマスターにそれをやるとオーラに身体がついてるいかなくてそのまま押しつぶされてしまうかと思います。」



私の説明にダンちゃんが答えてくれたため白夜にも『聖鎧』を使えるのは確定だろう。

なにしろ神剣そのものであるダンちゃんがいっているのだから間違いない。

けど結局は白夜の貧弱な身体を変えないとどうにもならないようだ。



私とダンちゃんの説明により白夜も身体を鍛えることの大切さを今一度理解したらしく了承してくれた。

後は他に使えるスキルや技なんかも把握しておいてそこも鍛えないといけない。基本的に他人のスキルを聞くのはマナー違反だという風潮もあるがここは修行のためだと思い聞いておかないと。




「えっと、今使えるのは『剣聖』『神眼』『アイテムボックス』だよな?」


「それとこの前覚えた『聖刃』もですね!」



2人が何気なくいうその言葉に絶句してしまった。

せいぜい持ってても後1つか2つぐらいだと思ったが4つ持っているだけではなくどれも強力なスキルだ。

『剣聖』スキルは聞いたことがあるがなんでもこのスキルを発現した剣などこれまで触ったことがない素人が剣を使ったらモンスターを瞬く間に切り刻んだり多数の冒険者相手に勝利を収めたりとその名に恥じない強さを見せつけたらしい。


その人いわくスキル自体も強いが結局動かすのは自分の身体だから鍛えれば鍛えるほど強くなれるらしく、剣を触ったこともなくこれから身体を鍛える白夜には余計にピッタリなスキルだろう。


『神眼』というのはスキルは聞いたことがないが神の眼ということから見ても鑑定スキルなどの遥かに上位なのだろう。

もしくは眼に関するスキルがいくつも合わさったスキルなのか?



『アイテムボックス』はダンジョンが出現する前からネットなどでいろんな所で登場するほどの有名なスキルだ。

実際に現実にダンジョンが出現してから有用性が遥かに上がった。

通常ダンジョンに行く際には食料や水、怪我をした際の医療道具、より下の階層に行くなら簡易的なテントなどを用意して持ち込む必要がある。

実際にこれらを持ってダンジョンへ行くのはかなり邪魔だ。

だからこそ最低限の荷物にするよう工夫はするが人数が多いとそれを限界があり、メンバーの負担も増えていく。

だが『アイテムボックス』さえあればその心配もなく食料や水も大量に持って行けるし戦闘にも集中して行えるため人気のスキルだ。

発現した人は少ないが他のギルドでは下の階層に行くのに荷物持ち専用の『アイテムボックス』持ちを入れているみたいだ。


『聖刃』は配信でも見た神剣からオーラを飛ばす技だろう。

私も同じような技を使えるが配信で見た限り使えるオーラが少ないため大した威力にはなってないがオーラを使えるようになれば遠距離からモンスターを一撃で倒すこともできるだろう。



どれも強力なスキルだが2人説明した中に神剣に関するスキルがないのは引っかかったがなにか理由があるのだろうと聞くのはやめておいた。

今は今あるスキルに加えてそこに『聖鎧』を覚えないといけないのだからそこに集中しなくては。




「てか今更だけどそんな覚えようと思ってスキル覚えられるのか?『聖刃』はもともと俺の力不足で使えなかったのが鍛えたことで使えるようになったものだけど『聖鎧』は分からないだろ?」


修行を始めようとしたら白夜がそんな質問をしてきた。

やはりスキルの種類を知らないようね、隠して置くような事でもないので素直に話した。

スキルは主に3つに分かれていて、私の聖剣みたいに気づいたら急に使えるようになっていた例、ダンジョンでたまに落ちるスキルの種というアイテムを使って習得する例、そして最後に今回の『聖鎧』みたいに自ら鍛えることで覚えられるようになるこの3つがスキルの種類になる。


それを伝えると白夜は納得したように頷いた。白夜からスキルの話が出たためダメ元でダンちゃんのことを聞いてみることにした。




「スキルといえば私としてはダンちゃんの方が気になるんだけどね」


「え、?」


「だってそうでしょ?神剣ていうだけでも気になるのにそれに加えて人の姿になれるなんて今まで聞いた事ないもの、最初はダンちゃんがスキルで神剣になってるのかと思ったけどそれならわざわざ白夜と戦う理由がわかんないし」


「それは、、、」


「まあいいわよ、嫌なことは聞かないわ」


「いいのか?」


「友人が嫌がってるのにわざわざそんなこと聞かないわよ、ほらさっさと修行するわよ!」




やはりダンちゃんは白夜のスキルで間違いは無いようだ。私のスキル『聖剣使い』みたいなスキルかと思ったが神剣が人間の姿になり、他にも強力なスキルまで使えるようになっているのだから余程強力なスキルなのは間違いないがあまり詳しく聞いて関係が拗れても嫌だし詳しく聞くのはやめておいた。

白夜の反応からいちばん知りたかったことは知れたしそこでもう良しとしておこう。

2人があらためて私に挨拶をしてきたので気合いを入れて修行を開始した。




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