表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕神剣 神剣と名乗る少女が住み着いて戦わせようとしてくるんだが  作者: ペロロンチーノ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/44

幕間 剣姫 荻野愛

私が剣姫などと呼ばれるようになったのは大学を卒業する頃だったと思う。

20歳になって少しした頃に突然スキルが発現した。

20年ほど前に突然この世界にダンジョンなどというものが現れてから世界は大きく変わった。

もはや人類はダンジョンがなければ生きては行けないほどに私たちの生活に大きく入り込んでいる。



大きく変わったのはやはりスキルだろう。突然起きたらスキルに目覚める人が現れ始めその人たちは冒険者となりダンジョンに潜り魔石や魔道具、食材などを持ち帰り大金を稼いでる。

そんな中で私に発現したスキルは『聖剣使い』というスキルだ。

このスキルはシンプルに聖剣を手元に何時でも呼び出すことができるほかに、剣術や身体能力などもある程度補正される。

いろんなスキルが確認されている中でも私のように聖剣や魔剣といったスキルはかなりレアな部類らしく、噂ではそんなレアスキルを確保するために色んな国が動いているみたいで中には無理やり自国に拉致するなんて噂もあるみたいだ。



ダンジョンに行きモンスターなどと戦うのは怖かったけどスキルがバレれば噂みたいなことになってしまうと考え、大学に行くのに奨学金を借りていることもありその返済の為に少しでも稼げればいいと思い結局は冒険者になることにした。



最初は怖さが勝ってあまり戦うことが出来なかったが時間が経つにつれて聖剣を使って応用技などもできるようになり、『聖鎧』という聖剣のオーラを鎧にして戦うことができるようになってからは守られている実感もありその頃には恐怖も薄れていた。

大金も稼げるようになり、奨学金の返済も簡単に終わり仲間達と始めた動画配信で聖剣と聖鎧を来て戦う私は注目浴びた。


光り輝く聖剣、純白の輝かしい鎧そのふたつを合わせて剣姫などという恥ずかしい異名を付けられていつしかそれが浸透していた。

有名になった私に近寄ってくる人は沢山居たがみんな私ではなく大金を持った冒険者の剣姫を求めているのがあからさまにわかった。そんな中でも冒険者になる前とは変わらずに接してくれる友人が何人かいたのが救いだった。



友人といる時は冒険者としてではなくただの荻野愛として大学生活を送ることができた。

大学に行きそんな友人達と過ごし、その後に冒険者として仲間とダンジョンに潜り配信をしてモンスターを倒す。

そんな生活を2年ほどして私は大学を無事卒業することができた。

友人達が就職をする中1人だけ就職しないで親の遺産で暮らすと言っていた友人もいたがそれも彼の人生なので本人が楽しければいいと思い私はなにも言わずに彼とはいい友人関係でいれた。



そんな中で私はギルドを立ち上げることにした。

ギルドは冒険者同士で結成する組織だがメリットが色々とある。

ギルドに入ることで様々なメンバーと情報を共有でき、ギルドハウスなどではメンバー同士の連携や修行なども円滑に行える。

固定パーティーを作るのにも適しており、ダンジョンでは下の階層に行く事にソロではきつくなるのでギルドに入り相性のいい人を見つけてパーティーを組むのが定石になる。

またダンジョンから持ち帰った魔石や魔道具などを売ったお金をギルド経由で受け取ることによって手数料を取られるが、めんどくさい税金などを全部ギルド側にやってもらうことができるようになるので基本みんなギルドに入り、ダンジョンに集中することが出来るようになる。



多くの既存のギルドから私に対してスカウトが来たがそれはあくまで私だけのスカウトだった。

一緒のパーティーメンバーはスカウトされなかったためそのスカウトを受けてしまえばこのパーティーは解散することになってしまう。

私はそれが嫌で自らの手でギルドを立ち上げた。

それがギルド『高天原』の結成された瞬間だった。



だが結成したと言ってもまだ22歳の私ではわからないことが多くいろいろな苦労を味わった。

ギルドホームを借りたり、冒険者だけでは活動することが出来ないため事務作業をできる人を雇ったり、ギルドが経営難に陥ったため急いでダンジョンへ潜りお金を稼いだりしてなんとかやっていた。


そうしていると少しずつだが配信をみて入りたいと言ってくれた人がいたり、仲間たちのツテで入ってくれる人が来てくれたりしたおかげでギルドは少しずつ大きくなってきた。

それに伴い私はパーティーメンバーと一緒にダンジョンへ行くことも少なくなっていた。



結成したばかりのギルドの代表としてやることが多く、仲間と中々時間が合わせられずにいたため彼らも生活のために他のメンバーを入れてダンジョンへ行っていた。

それが少し寂しく思いながらも私は空いている時間でソロでダンジョンへと潜り事務作業で溜まったストレスなどを発散させていた。

そうして段々と規模が大きくなり人が集まってギルドも安定してきた。

みんなの力もあり、ギルドを結成してから5年で有名になることが出来た。

その頃には私の事務作業もほとんど無くなっていて暇な時間が増えていた。元々のパーティーの仲間と一緒にまた戦おうとしても彼らはもう新しいメンバーとの連携が確立していたのでそこに私が入っても連携を崩すだけなのはわかった。


仕方ないのでソロでダンジョンへ潜る日々が続いてその後ギルドに戻り事務作業をするのが日課になっていた。

ギルドに戻る度に最近昔を思い出すようになってきた。元々パーティーメンバーと一緒に冒険者をやりたくて今のギルドを作ったのだがそれが原因となってもうパーティーを組むことすら出来なくなっている。

なら何のためにこのギルドをやっていくのだろう、、


そんな考えが頭から離れなくなっている。

ギルドメンバーはみんないい人たちばかりだ。中には私より歳上の人もいるのに私をしたってくれている。

事務の人たちもギルドの仕事をやってくれてめんどくさい税金関係のことをやってくれて助かる。

そんな中で私はなにもしたらいいのだろうか、そんな考えが離れない中でスマホに連絡がきた。


そこには連絡が取れなくなった大学時代の友人の名前があった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ