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堕神剣 神剣と名乗る少女が住み着いて戦わせようとしてくるんだが  作者: ペロロンチーノ


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ギルド高天原

ギルドとは冒険者同士が集まって結成される組織の事だ。

ダンジョンが現れて20年でいくつものギルドが結成されたがその中でも有名なギルドがいくつもある。

オリジナルの名前のギルドもあれば神話や物語などから名前を引っ張って使うところも珍しくない。


これから俺が行く高天原もその一つだ。


『高天原』

日本における神々が住まうとされる天上の世界を表す言葉だがギルドでこの名前は知らない者はいないだろう。

ここ5年ほどで結成されたギルドとは思えないほど快進撃を続けており、ギルドメンバーも珍しく、強いスキル持ちが多い。

その中でもギルドマスターである『荻野愛』という女性は別格と言われている。

聖剣を使い瞬く間にモンスターを倒す姿から『剣姫』などという異名もついてるほどだ。

それが今から俺が行くギルドだ。



「でもマスターそんな有名なギルドに行ってどうするんですか?」


「今のままだと限界がくるからな、ちょっとしたコネがあるからそこで稽古を付けて貰おうと思ってな」


「マスターにコネなんてあったんですね。でも良いんですか?スキルとはバレちゃうんじゃ?」


「まあそれは仕方ないと割り切ろう。このままだとどの道先に進めないしギルドマスターが聖剣使いならまあ大丈夫だろう。」


あいつは遅れるといろいろとうるさいからな、急がないとな。





「へぇーここが高天原なんですね!すごい大きいです!」


「まあ、かなり有名なところだしな、結成して5年とは思えないほどの強さでかなり稼いでるみたいだし」



都心からちょっと離れたところに佇む巨大な屋敷がギルド『高天原』のギルドホームだ。

出入りする人は強そうな人が多く、中にはこちらを見ている人もいるため緊張が走る。


「おーい!待たせたかな?」


そう言ってこちらに走ってくるのはギルドマスターの『荻野愛』だ。


「いやー、待たせたかな?」


「そうでも無いさ、久しぶりだな。」


「うん!久しぶりだね!それにしてもびっくりしたよ、ずっと引きこもって働いたら負けとか言ってた白夜が急にダンジョン潜るから鍛えてくれなんて!」


「まあこっちもいろいろと事情があってな。ダメ元で頼んだが受け入れてくれてよかったよ!」


久々に会ったこともあり愛と話していると隣から腕もつつかれる。

つつかれた方を見てみるとダンちゃんがこちらを見てびっくりしたような声で話しかけてきた。


「ちょっとマスター!コネってまさかギルドマスターのことだったんですか!?」


「ああ、そうだけどなにそんな驚いてるんだよ。」


「いや、そりゃ驚きもしますよ!なんでギルドマスターとコネなんてあるんですか!?」


まあ確かに引きこもってニートしてた俺が有名なギルドのギルドマスターと知り合いなんて思わなかったんだろう。

これは伝えてなかった俺が悪かったと思い説明しようとすると愛が先に話してくれた。


「白夜とは大学時代からの友人でね、まあ最近は急に連絡取れないと思ってたら急に連絡してきたからさすがにびっくりしたけど。」


「あー、それは悪かったよ。けどまあ忙しそうだったし連絡するのもどうかと思ってな。」


「急に連絡取れなくなったからほんとにびっくりしたんだよ?まあこうして冒険者になって外に出てくれてるのは嬉しいけどね。」


「マスターにまさかこんなまともな友人がいたなんて…

てっきりもう誰とも連絡とってないのかと思ってましたよ。」


「まあ白夜が勝手に連絡取らなくなっただけだからね、私達は今でも普通に友人だと思ってるよ。」



そう言ってくれる愛に心がザワつく。端的に言うと俺は愛に嫉妬していた。親の遺産で引きこもって働きもせずに自堕落な生活をする俺と、自らのギルドを作ってギルドマスターとなり多くのメンバーを引き連れてダンジョンで戦う愛、そんな友人に引け目を感じて勝手に連絡を絶ってしまった。

今回連絡をするのも自分でも図々しいと思ってたし、拒否されるのは当然だと思っていた。


だが愛は俺からの頼みを快く受け入れてくれて、その上まだ友人とまで言ってくれた。

あまりにも自分と違いすぎる友人に勝手に引け目を感じで距離を取ったのにそんなの関係ないとばかりに話してくる友人に罪悪感を感じてしまう。


「まあ、そんなことより愛、あの頼み受けてくれてありがとうな。」


「白夜が頼ってくれたんだからもちろん受け入れるさ!」


「マスター頼みってなんですか?」


「高天原で訓練してもらうんだよ、1人でやるよりも確実に強くなれるし今のままだといつかダンジョンで死にそうだしな。」


「そうだね、配信見させてもらったけどまず根本的に白夜の力が神剣であるダンちゃんに追いついてないから力を発揮できない、今はまだ低階層だからいいけど階層を上げて行くほどそんな状態だと通用しなくなってくるからちゃんと修行した方がいいのはたしかだよ。」


「そうだったんですね。まさかマスターがそんなに考えていたなんて私マスターのこと誤解していましたよ!」


「まあ白夜は昔からこうだからね、口ではめんどくさいとか言いながらも結局なんだかんだやる男だよ。」


「へぇーそうなんですね!愛さんが知ってるマスターのこともっと教えてください!」


「もちろんいいよ!ダンちゃんのことも配信見てからすごい気になってたんだよね!いろいろと聞かせてよ!」


女性陣だけでどんどんと話が脱線していくがこの中に割って入る勇気はない。

大人しくこの2人が話終わるまで気長に待つしかないな。

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