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堕神剣 神剣と名乗る少女が住み着いて戦わせようとしてくるんだが  作者: ペロロンチーノ


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4階層のハードル

「いやーオーク肉美味しかったな!」


「すごい美味しかったです!初めて食べましたけど人気な理由も納得ですね!」



前回の配信で無事にオーク肉をGETすることができ、家でさっそく食べたがあれは本当に美味しかった。

極上ということもありその味は表現のしようがないレベルだ。冒険者の中にダンジョン食材専門の人達がいるのも納得だ。



「よし、じゃあいよいよ4階層だがこれは今までで1番きついからな、気合いを入れないと」


「そうなんですか?」


「ああ、この4階層がダメで冒険者辞める人や3階層まででやってる人もいるぐらいだしな」


「そんなに強いモンスターがいるんですね、どんなモンスターなんですか?」


「いやまあ、たしかに強いんだが問題はそこじゃないんだが……まあこれは見てもらった方が早いかもな」



そういいダンちゃんに他の配信者が投稿している4階層の動画を見せる。

4階層はこれまでの階層とは違い辺り一面が森になっている。ダンジョンの中なのにとても高く聳え立つ大木や空などがあるのはダンジョンならではだろう。


「へぇー、こんな感じなんですね、たしかにこれまでとは変わってますけどそこまで強いモンスターが出てくる感じではなさそうですけど。」


「たしかに変わってるが問題は出てくるモンスターの系統なんだよ。」


動画を早送りしてモンスターとの戦闘シーンを見せる。

4階層のモンスターは森ということもあり出てくるのは虫系のモンスターだ。これが見た目的にも強さ的にもかなりきつい。

簡単に想像して欲しいがゴキブリや蜘蛛などが自分と同じ大きさになっていたり、100を超える数で襲ってきたとしてそれらを撃退する力を持っていてもそれができる人が何人いるだろうか。

これが4階層でつまずく理由だ。特に女性冒険者は大抵がここで躓く。



「まあ、これで理由がわかったでしょ?」


「はい……これはたしかにきついですね…」


そう言うダンちゃんの顔は青ざめていてとても体調が悪そうに思えた。


「見た目で精神的にもきついのに普通に強いから余計に最悪なんだよな。単純に大きいタイプもきついけど、普通サイズのやつが群れをなしてやってくるのもかなりきついしね。」


「うぅ、、、たしかにあの中で戦うのは普通なら無理ですよ…」


「しかも俺は神剣状態のダンちゃんを使って戦うわけだから必然的にあの虫モンスターの体液とかがダンちゃんにかかるわけで…」


「イヤァァァァー!」


「だよな、俺がその立場でも絶対嫌だもん。」


あんな虫の体液が自分にかかるのを想像して気持ち悪くなるが自分よりも更に体調がわるくなっているダンちゃんを見るとそれを幾らかマシになってくる。

だが今の俺にはダンちゃんしか武器がないのでダンちゃんが使えないとなるとダンジョンそのものを諦めることになる。



(あれ、これは逆にチャンスなのでは?)


ふと頭の中でそんな考えが過ぎってきた。

最初はダンちゃんにお願いという脅迫をされてダンジョンに仕方なくいったがそのダンちゃんもこの調子なら4階層に行くことを拒否するだろう。

そしたら俺ははれて引きこもりニートに戻れる!

配信してしまった以上ダンちゃんの存在とかバレてるだろうがそれでも俺が『神剣作成』なんてスキルを持ってるのは誰も気づかないだろう。


「なあダンちゃん、辛いなら無理しないでもいいんだぞ?誰だって自分に虫の体液がつくのは嫌なんだしここでゆっくりすればいいさ。」


「それはそうなんですけど、でもやっぱりダンジョンには行きたいですし…」


「そこまで無理することじゃないさ、さあ俺と一緒に部屋でのんびりしよう!」


「なんかマスターやけに楽しそうですね…これでダンジョンに行かなくて済むとか思ってませんか?」


「イヤイヤイヤ、そんなこと思うわけないじゃないか!これもダンちゃんの為を想えばこそだよ!」


「怪しいですね!マスターのことだからこのまま丸め込んでまた引きこもるつもりだったんでしょ!」



(さすが神剣だ、俺の考えがバレてる、、)


「よし決めました!虫の体液がつくのは嫌ですけどそれよりもダンジョンに行けなくなる方が嫌なので絶対行きますからね!」


「まじかよ、、、はぁ…俺の快適ニートライフが……」



「じゃあさっそく行きましょうか!」


「いや、待て待てこのままじゃさすがに無理だ!」


「えーなんでですか?」


「あのなぁ、精神的にやられるところで普通に戦えるわけないだろ、それに普通に強いんだからちゃんと修行しないと無理だ。」


「また修行するんですか?でもさすがにひとりじゃ無理がありません?」


「それはわかってる。だから本当は行きたくないんだがあそこに行くしかないか…」


「あそこですか?」


「ああ、本当に嫌だ…」

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