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目玉焼き大戦  作者:
8/10

八口目

「なんだと? ヨウショク平原にいる部隊が動いたのか?」


 まさか、こちらに来るとは思わなかった。そんなことをすれば、『ソース』軍に背後を突かれかねないのに・・・・・・。


「いいえ、ヨウショク平原にいた部隊ではないようです!」


 ざわつく『塩こしょう』軍。『砂糖』軍が持ってきたのは、にせ情報だったのだろうか?


 一方で、その正面に現れた大同盟軍は、表面上は平静をよそおっていたが、疲労ひろう困憊こんぱいの状態にあった。


 今ここに集結したのは、牽制用の部隊ではない。


 自分たちが黄色高地に一番乗りするのはむずかしい、そう判断した各軍が自発的に動いたのだ。前進をあきらめて反転し、迫りくる大軍の正面に立ちふさがったのである。


 同じ考えの味方が、次々と合流してくる。『七味しちみ唐辛子とうがらし』軍、『ラー』軍、『ポン』軍、『めんつゆ』軍、『もみじおろし』軍、『からし』軍、『パセリ』軍、『こなチーズ』軍、『ハチミツ』軍、『メイプルシロップ』軍、『ジャム』軍、『赤ワイン』軍、『ガラムマサラ』軍。


 数の上では大きくおとっているが、ここで勝つ必要はない。『塩こしょう』軍の前進を遅らせることができれば、その間に味方の誰かが黄色高地に一番乗りするはず! 巨大勢力だからって、いつまでも大きな顔をしていられると思うなよ!


 これと同じことは、『しょうゆ』軍の方でも起きていた。


 こちらは前方ではなく側面そくめん


 移動のために、『しょうゆ』軍は隊列が長くびきっていた。その脇腹わきばらを、マイノリティー大同盟軍に奇襲される形となる。


「わざわざ引き返してくるとは」


 ここで手間てまっていては、『ケチャップ』軍あたりに先を越されるおそれがある。多少の被害は覚悟かくごの上で、『しょうゆ』軍は強引ごういんに突破をはかろうとした。


 ところが、奇襲してきた部隊へ猛攻撃を仕掛しかけたことで、背後への警戒がうすくなってしまう。


 そこに、別の部隊が突撃してきた。ダシマキ盆地、ウスヤキ海岸の残存部隊である。


 一度は敗れたものの、どうにか一矢いっしむくいようと、『しょうゆ』軍を追尾ついびしていて、この好機にめぐり合わせたのだ。


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