7/10
七口目
偵察部隊からの情報に、マイノリティー大同盟軍の指揮官たちは焦った。『ソース』軍、『しょうゆ』軍に続いて、『塩こしょう』軍も動き出したか。
さすがに、そちらまでは手が回らない。予想外の援軍でもあれば、別だろうが・・・・・・。
快調に進む『塩こしょう』軍。
出発が遅れたのは、わざとだった。
先日、『砂糖』軍の方から秘密裏に接触してきたのだ。それで、マイノリティー大同盟軍の結成を、前もって知っていたのである。
もしも早めに国境線を越えれば、マイノリティー大同盟軍が妨害に来るだろう。
戦えば勝てると思うが、味方の消耗は避けたい。面倒な役割を『しょうゆ』軍などに押しつけるために、あえて待ったのだ。
こうして出遅れても、まったく問題はない。他の大軍と違って、『塩こしょう』軍は移動する地形を、そこまで選ばないのだ。最短距離を突き進むことができる。
「黄色高地に一番乗りするのは我々だ!」
しかし、ユデタマ湖まで迫ったところで、予想外の事態が起こる。
「前方に大同盟軍を確認! 数は・・・・・・およそ三千!」