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目玉焼き大戦  作者:
6/10

六口目

「目玉焼きと言えば、ハンバーグだろう」


 隊長たいちょう豪快ごうかいわらう。


 ハンバーグの上には目玉焼き。それが世界の常識じょうしきだ。『しょうゆ』軍や『塩こしょう』軍、『ソース』軍などに、いつまでも大きな顔をさせておくつもりはない。


「俺たちには、この機動きどう要塞ようさいがある!」


 北の国境は雪がふかく、徒歩とほでの進軍は厳しい。


 だから、用意した。移動する要塞。


 要塞外側の鉄板てっぱんには、職人しょくにんたしかな技術がまっている。おかげで、防御ぼうぎょめん完璧かんぺきだ。他の軍などおそるるにらず。


 ところが、この進軍は神々のいかりを買ってしまう。目玉焼きの「上」に、ハンバーグがしゃばるんじゃない!


 突然の猛吹雪もうふぶきが、機動要塞をおそう。寒さ対策はしてきたつもりだったが、その想定を上回る大寒波だ。


 たちまちの内に、要塞内の動力炉どうりょくろは大混乱におちいった。


「大変です! 強火にしているのに、弱火のパワーしか出ません!」


「おかわりの燃料ねんりょうは、まだ用意できていないのか!」


「ひとまず、つけ合わせのポテトで時間を稼ぐぞ!」


 ひたすら奮戦ふんせんするものの、さらに吹雪が勢いを増した。


 マイナス五〇度である。ニンジンでくぎが打てる気温だ。


 機動要塞外側の鉄板が、急速に熱をうしなっていく。


「このままでは俺たち、冷凍れいとうハンバーグです!」


 部下たちの悲鳴ひめいに、隊長は苦渋くじゅうの決断をするしかなかった。


撤退てったいだ! 全速力で撤退しろ!」


 機動要塞が北の国境線から離れていく。


「次は電子レンジが必要だな」


 隊長はぼやく。


 こうして『ハンバーグ』軍が撤退している頃、南東の国境では、ついに『塩こしょう』軍が前進を開始した。


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