完食
同時刻、『ケチャップ』軍は前進を続けていた。
史上最大規模の戦力である。おかげで、本国はからっぽだ。
が、こうするだけの理由があった。
一昨年、昨年と、二年連続の『トマト大凶作』によって、国を揺るがす一大事が起きたのだ。
「ここで負ければ、我らは二流国に転落だぞ!」
大将軍が檄を飛ばしていると、先発隊からの報告が届く。
「オムライス大陸への『第一次上陸作戦』に成功しました!」
「上陸した部隊は、後続を待つ必要はない! そのまま進軍せよ! この大陸の黄色高地に一番乗りするのは我々だ! 今こそ、トマトの意地を見せる時!」
トマトの大凶作によって窮地に陥ったメーカーが、ここにきて立て続けに新商品を開発してきたのだ。
ケチャップと同じような粘性を持たせた、各種調味料たち。和風ソース、きのこソース、タルタルソース、カレーソース、クリームソース、イカスミソース、麻婆ソースなどなど。
――あなたのおうちは、まだケチャップのオムライス?
そんなCMを、テレビやラジオ、インターネットで流しまくっている。
おかげで、ケチャップの売上が・・・・・・。
「新参者たちには絶対に負けるな! 格の違いを見せつけてやれ! オムライスには絶対に、ケチャーップ!」
大将軍が叫ぶと、軍全体が声を重ねる。
「ケチャーップ!」
この状況では、オムライス大陸の攻略が最優先だ。目玉焼き大陸に戦力を回す余裕などなかった。




