9話 終わった後に
「おつかれさまでしたー」
ハピフェス終了後、挨拶回りをしていたハピネスのみんなと大和。
すると、みちるがあることに気づいた。
「あれ?あの人は?」
そこでは、とある女性が1人のスタッフに詰め寄っていたのを見つけた。
「あなた達はちゃんと機材のチェックをしてるんですか?ハピネスに何かあったらどうするつもりだったんですか?」
「す……すいません」
申し訳なさそうに謝るスタッフ。
その様子を見た大和は彼女に近づいた。
「あの、スタッフの方じゃないですよね?
ここは関係者以外立ち入り禁止です……」
「ん?ハピネスじゃないか」
大和の言ってることを無視して、その女性は近づいてきた。
「会いたかったー。新メンバーの子もいるー 」
白い髪に銀色の瞳をした綺麗な女性だ。
その人は美桜の顔を見ると。
「美桜!ちょっとこっち来て!」
「は、はい」
美桜は腕を引っ張られて移動させられた。
女性は小声で話し始めた。
「私だよ!」
「?」
「猫のルナだよ!覚えてるか!?」
「あっ、ルナさんなの!?」
まさかルナさんにここで会えるとは。
美桜は嬉しくてたまらなくなる。
ルナは話し続けた。
「私は本当は人なんだよ。
猫の姿は私が猫好きだから、変身してなってるだけ」
「そうなのね……」
「私はね、歌い手さんが好きでハピネスのファンなんだよ。私の主が今回のライブのチケットを取ってくれて。今、主と一緒に来てるんだ。まさか、ハピネスの新メンバーに君が入ってたなんてね」
「あの、主さんって……?」
「ああ、主も私と同じ魔法使いなんだ。
この世界じゃ魔法使いはこっそり隠れて暮らしてるからな」
魔法か……。私はこっそり使えてないな……。
この前は迷子を魔法を使って助けたしな……。
「あ!ちなみにこの舞台裏には魔法を使って来たんだよ!ハピネスに直接会いたくて!」
そっか。道理でここに入れてるわけなのね。
さすが魔法だ。なんでもできるなんてチートね。美桜は納得する。
「よし!私はそろそろ主のところに戻るよ。
またね」
「はい!ではまた。ありがとうございます、ルナさん。」
ルナは別れの挨拶をすると、どこかへと走り去って行った。
ハピネスのみんなが美桜のところへと来た。レイが美桜に聞いてきた。
「美桜、あの人知り合い?」
「うん、知ってる人よ」
すると、優光が口を開いた。
「あ、そうそう!美桜さん。
有栖さんにも話したんだけどさ、今度、僕達が住んでる家で、ハピネスだけで打ち上げしようと思ってるんだけど来ない?」
「あ、行く行くー」
余談だが、ハピネスの男性メンバーはみんなで共同生活を送っている。
美桜と有栖は、男性メンバーの配信で生活の話を聞いていたので知っていた。
「僕達の家に来るの楽しみ?」
「うん」
「じゃあ、僕達も楽しみに待ってるね」
それから後日。