8話 新メンバー紹介と新曲披露
舞台に上がった2人は笑顔で自己紹介を始める。
「みなさん、初めまして。
美桜です。よろしくおねがいします」
「あの、アリスです。よろしくおねがいします!」
「2人とも、待ってました!」
「私達も待ってましたよー」
優光が2人を待ってたことを告げると、
美桜が返事を返した。
しかし。
客席にいる人達は、「えっ?」という目で
見ている人が多数だった。
(他の人達は舞台から遠いので、申し訳ないが表情がよく見えない)
有栖は思った。
そう、そうわよね……。
やっぱり女性が入ったら、みなさん戸惑うわよね……。
その時。
「頑張ってー!」
「応援してるよー!」
と、客席から声が聞こえた。
その声に有栖は、
……ありがとうございます!
心の中でお礼を言い、笑顔を見せる。
すると、優光が笑顔で言った。
「あ、そうそう。みんなに言いたいことがあるんだけどね」
「何何ー、優光くん」
わくわくしながら優光の顔を見るハピネスのみんなと観客達。
すると、優光は急に美桜の肩を組んで、
こんなことを言い出した。
「実はさ……、僕達付き合ってるんだよね」
「「ええええ!?」」
ハピネスのみんなが驚き、観客達はざわつき始める。
美桜は戸惑った。
えっ!?そ、そんな覚えないわ!
しかし、優光は笑いながら。
「なんて、冗談だよ」
「なんだあ、びっくりしたあ」
とかなえが言う。
「次に冗談を言う時は気をつけてよね!優光くん!」
「ごめん、ごめん」
会場が笑いで包まれた。
そして、優光が話を続ける。
「えー、それでは、6人体制となった僕らで歌います!聞いてください!新曲、キラメキリソウキョウ!」
メンバー達は横に並ぶ。前奏が始まった。
それと同時にメンバー達は振り付けを披露した。軽やかなステップ、滑らかな動き。
前から練習していた成果がしっかりと出された。それぞれ担当しているパートも間違えることなく歌えている。
そして、最後に入り6人は声を合わせる。
「__見つけようよー、キラメキリソウキョウ__」
観客からの拍手喝采で、キラメキリソウキョウの演奏が終わった。
「最後です!もう一発新曲!スキニナル!」
この曲は学生の、少年と少女の恋愛をテーマにした曲で、ハローエブリデイズ(HoneyWorksに似た系統のグループ)という人気のグループが作ってくれたものである。
ハピネスのみんなは、この曲を穏やかな感じで歌う。
音程も息もぴったりで完璧なパフォーマンス。
しかし、予想だにしないアクシデントが襲った。
照明が突然消えたのだ。
客席の一部の人達から、ハピネスのみんなの姿が見えなくなってしまった。
観客がざわつき始めた。
でも、その中で「頑張れ!」と応援の声を掛けてくれる人もいた。
歌っている途中、美桜はこれが機材トラブルと気づいた。
大変だわ。仕方ないけど、こうなったら……。
機材よ直れ……!
すると、消えたはずの照明が、もう一度パッと光った。美桜はなんと魔法で照明機材を直したのだ。
大和と裏方の人達は突然照明が直ったことに、ほっとしていた。
ハピネスのみんなは、無事に歌いきることができ、観客から拍手が起こる。
「みんな、ありがとー!」
「ありがとー!」
ハピネスのみんなは、観客に礼を言う。
こうして、ハピフェスは幕を閉じた。